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ハマスが人質をとった理由、誤算だったこととは?

文化放送

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、11月13日の放送に元朝日新聞記者で中東ジャーナリストの川上泰徳が出演。8月に新刊『ハマスの実像』を発売した川上が、組織としてイスラエルに抵抗するハマスの戦略について解説した。

大竹まこと「今回の御本は『ハマスの実像』。“本当に残酷な「テロ組織」なのか?”という帯になっております。パレスチナ人の7割がハマスの越境攻撃を支持している、彼らはどんな組織で、いったい何をしようとしているのか、という御本です。世間には、ハマスがたくさんの人質をとって抗戦を続けている、と。なぜ解放しないんだ、ということが取り沙汰され、この戦争がやまないと報じられています」

川上泰徳「去年10月の越境攻撃で240人の人質をとったと。一度解放されました。いま100人と少し残っているといわれます。なぜ人質をとったかといえば、本にも書きましたけど、ハマスとしては『交渉したい』と思っていたんでしょうね」

大竹「なるほど」

川上「2011年にハマスが人質にしたイスラエル兵1人と、1000人を超えるパレスチナの政治犯を解放、交換した例があるんですよ」

大竹「先にイスラエルがたくさん捕まえていた、ということですね」

川上「いまも8000人ぐらい捕まえていますから。パレスチナの政治犯を、子供も含めてです。占領に反対する人権活動家、子供、デモをした人など」

大竹「とても過激な人というわけではなく、占領に反対した人を」

川上「そうです。イスラエルの戦略は、過激派で武器を持っていたら捕まえるなんていうことはしない。殺害するわけです」

大竹「撃ってしまう」

川上「捕まえるというのは夜に行って家宅捜索などをして実行する。いま8000人ぐらいでしょうが、2000~3000人は逮捕状もないんですね。嫌疑もわからないまま行政拘留というかたちで」

大竹「本当に政治的な人かどうかもわからない」

川上「どういう嫌疑かもわからない。イスラエルは5000人、6000人……時によって違いますけどパレスチナ人を拘束している。イスラエルとしては拘束があれば最大限に釈放、解放交渉を行うと。ハマスが240人捕まえた去年10月、越境攻撃の大きな目的は人質をとる、それでイスラエルとの交渉を始める、ということだったと思います。ところがハマスの誤算はナタニヤフ(ネタニヤフ)首相が釈放に熱意を見せなかった、ということ」

大竹「うん……」

川上「それに対してイスラエル国内でものすごく大きなデモが起こって。政府は人質の生命を軽視していると。僕は1ヶ月ほど、8月初めまでイスラエルに行っていたんですが、そのときも数万人単位のデモがありました。国民の間でも人質が何ヶ月もとられ、首相が人質交渉に熱意を見せない、というのはおかしい、と思うわけです」

大竹「はい」

川上「ハマスはなぜ人質を多くとったか。そこから何か交渉が始まるのでは、ということだったと私は考えています」

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