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「全国で大人気!」陸っぱりアジング入門解説 【タックル・ルアー・釣り方を解説】

TSURINEWS

アジングでキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版・松尾尚恭)

日本全国の海釣りでなじみ深いアジ。その釣法のひとつで、手軽なライトゲームでありながら奥深いゲーム性を秘め、ファンを増やしているアジング。東海地方でも、今回取材した三重県・四日市エリアでは近年アジの魚影が急増し、アジングが成立するようになった。今回はその釣り方をご紹介したい。

アジングとは

アジングは主にジグヘッド+ワームを操って楽しむルアーフィッシング。ただアジを釣るだけならサビキ釣りの方が簡単だが、1匹1匹を誘って食わせて掛けていく。「釣れちゃった」ではなく、試行錯誤して「釣ってやった」というプロセスや達成感が楽しい釣りだ。

アジングは沼(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

フィールド

今回は10月30日に三重県・四日市港で、日が落ちる直前の夕マヅメから夜にかけて釣りをした。夜釣りを選んだのは、常夜灯のライトにプランクトンが寄り、それを食べるアジも寄ってくるため魚を探す手間が省けて一番ラクチンだからだ。

四日市港の様子(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

釣れる時期とタイミング

伊勢湾奥のアジングシーズンは9月終わりごろ~12月終わりまでの秋がハイシーズン。真冬になると、水温がアジの活動適水温を下回ってしまうので釣るのは難しくなり、春になって水温が上がるとまた釣れだす。釣れるタイミングは、時間的なものと潮の動きでハッキリ決まってくる。夕マヅメ、朝マヅメはアジが回遊する時間なので釣りやすい。

潮はずばり「動いている」タイミングが最重要。大潮でも小潮でも、下げ潮でも上げ潮でも、潮が動いてさえいれば釣れる。反面、干満の潮位差がなく潮の流れない日や潮止まりの時間帯は、アジがそこにいたとしても反応が悪く釣るのが難しくなる。

また、無視できない要素として、月明かりがある。満月の明るい月が出ているときは、常夜灯の作る明暗の効果が薄れてしまい、アジが寄らず釣れにくい。

タックル&装備

私の使用タックルは、ロッドがアピアグランデージライト55、リールはシマノC2000Sスピニング、ラインはサンライン鰺の糸ラッシュアワー0.25号、ショックリーダーは山豊テグスフロロリーダーforエステルライン2.5lbだ。

アジングタックル(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

ロッド

アジング専用を使用する。これに関してはハッキリ言い切るが、専用ロッドの使用が望ましい。操作性と感度の面で、他の釣りジャンルのロッドよりもはるかに優れているためだ。長さは5~6ft程度の短めがオススメ。四日市近辺には足場の高い釣り場はほぼないため、短ザオの操作性を重視したい。

リール

シマノかダイワの1000~2000番スピニング。ラインはエステルラインが感度と操作性の面で最も向いている。細いPEやフロロ直結でも釣りは可能だが、一長一短の特性がありエステルラインが最適という結論になった。

鰺の糸ラッシュアワーは柔らかく扱いやすいラインで、エステルラインにありがちなトラブルを軽減してくれるので、エステル初心者に特にオススメだ。号数は0.3号前後で、3lb程度のフロロショックリーダーを30~50cmほど付ける。

ルアー

使用するルアーは、ジグヘッドとワームを組み合わせる「ジグ単」が基本。ジグヘッドのウェートは、四日市エリアだと0.4~1.5gまでを0.2~0.3g刻みで用意する。たった0.2gずつの差だが、これが釣果に大きく影響するので水深や潮流、アクションの付け方により使い分けていく。

ワームは1.5~2inch程度のもので、カラーはクリア系4色+ソリッド系1色といった感じで最低限5色程度はほしい。潮の色、光量などの要素で食ってくるカラーは都度変わる。釣っているとカラーにスレてくることがあり、数匹釣って反応がなくなったら別のカラーに替えた瞬間、また食いだすということは多々ある。

また、釣行の前にジグヘッドとワームをセットしておき、釣り場でスナップを使用して重さとカラーをローテーションするといい。

専用タックルは必須(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

アジングをイチから始めるとき、ジグヘッドとワームの種類や銘柄は統一した方が良い。バラバラの種類で買うと、それぞれ潮の受け方やフォールスピードが変わるため使用感が統一できない。ただでさえ初心者では分かりにくい釣りが、余計に何が何だか分からなくなってしまう。いろいろと種類をそろえていくのは、ある程度釣り方や感覚が分かってきてからでいいだろう。

参考までに私はジグヘッドは、オーソドックスな形状のティクトアジスタSとSSサイズを使用している。ワームは1.5~2inchで、私のイチオシはゴーフィッシュタケダクラフトのアジのエサ。ド直球な名前の通り、いつも好釣果をもたらしてくれる高実績のワームで、私はここ3年ほぼこのワームだけで釣果を出している。

その他

他に用意するものは、アジをつかむハサミタイプのグリップ、ヘッドライト、キープ用バケツやクーラーボックスなど。

釣り方

常夜灯周りでは基本的にライトの明暗の境目が狙いめ。何かの要因でライトの陰の中だけにいたり逆に明るい所に出てきていたりするので、投点をずらして居場所を探っていく。水中のどこにでもいることはほとんどなく、一定の水深に群れていることが多い。そこでジグ単を沈ませアジのいるレンジ(タナ)を探っていくのが基本作業だ。

初めて入る場所ではまず足元直下にジグ単を落とし、何カウントで着底するかを把握する。港湾部は足元より沖が浅くなることはまずないのと、逆に大きく水深が深くなることも少ないので、足元でのカウントと同じかプラス数カウントが投げた先の目安となる。

明暗が最大の狙いめ(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

私の経験上、食い気のあるアジは表層付近に多く、それ以外ではボトム付近にいることが多い。

そのため、まずは一番釣りやすい表層を探ってから、次にボトムまで落として底層を探る。だいたいこれで釣れてしまうことがほとんどで、それで反応がなければ細かくレンジを探るという釣り方をしている。

アタリは明確なコンッというものから、ラインテンションが抜けるような微妙なアタリまでさまざまだが、とにかく何か違和感があればフッキングする。

基本アクションは2通り

私のルアーの操作は、シェイク&ステイとただ巻きの2通りを基本としていて、アジの活性と食べているベイトによって使い分ける。シェイク&ステイは私がアジングで最も多用する誘い。ハンドルを半回転~1回転させながら数回ティップを揺らして誘い、数秒止める。港湾部のアジは潮に流されてくるプランクトンを常食している。プランクトンは自分で泳いだり大きく動いたりしないので、それをイメージしてごく小さな誘いのみで漂わせるように潮に乗せていく。

このときジグヘッドのウェートを調整し、潮に流され過ぎず沈み過ぎもしない重さを選ぶのがキモで、潮流の強弱と狙う水深によって重さをローテーションする。潮に対するキャスト方向も重要で、必ず潮上方向に投げるようにする。潮に逆らって泳ぐようなプランクトンはいないからだ。

1匹ずつ掛けていく(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

ただ巻きは基本的に活性が高いときとシラス、バチなど遊泳力のあるベイトを食べているときに効果的。巻きながらシェイクしたり一瞬止めたりして、食わせのきっかけを作るといいだろう。また、実は潮が全然動いていないときの低活性時にも有効で、軽めのジグヘッドを使い5~7秒でハンドル1回転ほどの超ゆっくりした巻きで誘うと釣れることが多い。

ちなみに私の釣果ではシェイク&ステイとただ巻きの使用頻度は、8対2ぐらいの割合だ。

もう1つのアクションとして有効なのが跳ね上げ&フォール。微妙なアタリはあるが掛からないときや、潮が止まっているときに有効。エギングやワインドのようにパンパンッと素早く跳ね上げてフォールさせると、反射的に口を使ってくることがある。これは水深に対してやや重めのジグヘッドを使い、フォールでストンと落としてやると効果的なことが多い。

当日の状況

私の今シーズンの四日市アジングは、平均して毎回20匹以上釣っている計算。なので今回も20匹を目標とし、夕マヅメと満潮からの下げ潮が重なった午後5時ごろに釣りを開始した。

すぐにアジの回遊が始まり、表層~カウント3辺りで釣れ始め1gジグ単の速い誘いで連発スタート。日が暮れてからは反応するアクションスピードが落ちたので、0.6gでフワフワ作戦に変更。反応レンジもボトムへと切り替わっていった。時間経過で潮が緩んでくるとアジの反応も少なくなっていくが、ポツポツと掛けていき終了までに23匹キャッチに成功。無事目標達成となった。

風が強い日の釣り方

取材日は風が強く、爆風にさらされる時間帯もあった。軽いルアーを使っているので風は大敵だが、私はそれでもなんとか対応して釣果を出せた。それはずばり、リーリングのみでルアーを動かすこと。風を受けているときにロッドアクションを付けると、どうしてもイトフケが生まれて風に巻かれてラインテンションを失ってしまい操作感もアタリも分からなくなる。

なのでロッドはあまり動かさず、リールのハンドル操作のみでロッドアクションを再現すると、余計なイトフケが生まれず、テンションが保てるので釣りやすくなる。さすがに無風時のようなアクションは正確には出せないが、そこまでキッチリ動かさなくてもアジは釣れてしまうものだ。

投げるだけで釣れちゃうこともあれば、隣の人は爆釣で自分はサッパリってこともある。刻々と変化する状況に合わせていき、試行錯誤の末思い通りの釣果が出せると大変な満足感が得られるのがアジングの奥深いところ。挑戦してみるには今が最高の時期なので、ぜひ湾奥アジングを楽しんでみてもらいたい。

<週刊つりニュース中部版 松尾尚恭/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年11月22日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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