春の高校バレー県予選特集 女子(4)国東 着実にチーム力を上げ復調 【大分県】
現在24連覇中の東九州龍谷。今夏の全国高校総体では3位となるなど揺るぎない「1強体制」が続いているが、ライバルたちが着々と覇権奪回の準備を整えているのも事実。26日から始まる春の高校バレー県予選を前に、注目校を紹介する。最後は第4シードとなり、復調の兆しが見える国東。
全九州総合選手権大会県予選で4位、県高校総体で3位と徐々に調子を上げている国東。9月の天皇杯・皇后杯全日本選手権大会九州ブロックラウンドでは初戦敗退となったが、辻郁徳監督に焦りはない。「今回の結果は想定内。疲労がたまって、普段通りの力が出せなかった。春の高校バレーを前に、下級生の良い経験になった」と話し、照準はあくまで春の高校バレー県予選に合わせている。
チームを支えるのはキャプテンの佐藤栞菜をはじめとした3年生だが、1、2年生にも勢いがある。最近の注目株は成長著しい黒木春奈(1年)。本格的にバレーボールを始めてまだ半年ほどだが、ジャンプ力があり、手首のスナップも強い。性格も素直で教えられたことをグングン吸収し、次のエース候補として期待が高まっている。他にもサーブレシーブに定評がある安達鈴奈(2年)、力強いプレーでチームを活気づける高橋愛海(同)など今後が楽しみな選手が多い。
チームを引っ張る佐藤栞菜
国東は学年関係なしの実力主義。互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら練習に励んでいるが、単なるレギュラー争いではない。「レギュラーはそのポジションの代表。選ばれた選手はコートで頑張るし、選ばれなかった選手はコート外でサポートをする。個人の目標はレギュラーでも、根底には“チームのために”という気持ちがある」と辻監督が話すように、全員が気持ちを一つにしてチームの勝利を追いかけている。
今大会では、勝ち上がれば準決勝で女王・東九州龍谷と当たる。辻監督の「会場を沸かせられるような熱戦をしてほしい」とチームを鼓舞する。佐藤は「東龍から1セット奪うのが目標。キャプテンとして誰よりも笑顔で、チームを導きたい」、副キャプテンの菅原百華(3年)は「以前東龍と戦った時は自分たちのバレーができなかった。今回はこれまでやってきたことを全て出し切り、悔いのない試合にしたい」と真っ直ぐに前を向く。
高さはなく、1、2年生が多いため、経験値や技術力はまだまだ上位チームには及ばない。しかし、その弱点を理解した上で、現在はサーブ、レシーブを中心に鍛え、着実に力を伸ばしている。メンバーの絆を力に変え、一つでも多くの勝利をつかみ取る覚悟だ。
チーム力が格段と上がった国東
(甲斐理恵)