【インタビュー】Homecomingsが3rdアルバム『see you, frail angel. sea adore you.』をリリース!Vo/Gtの畳野彩加さんとGtの福富優樹さんにインタビュー!撮り下ろしカットも見逃せない♪
2024年11月27日(水)、聴く人の耳に寄り添うような音楽を届ける3ピースバンド・Homecomings(ホームカミングス)が、メジャー3rdアルバム『see you, frail angel. sea adore you.』をリリースしました!
心地よいメロディと日常の中にある細やかな描写を紡ぐような歌詞と、耽美でどこか懐かしさを感じさせる歌声が特徴のHomecomings。前作の『New Neighbors』から約1年半ぶりのリリースとなった今作には、映画『三日月とネコ』の主題歌「Moon Shaped」や、亀田誠治さんをプロデューサーに迎えた「slowboat」など、全12曲が収録されています。
今回は、作曲を行うVo/Gtの畳野彩加さんと、作詞を行うGtの福富優樹さんに、アルバム制作のこだわりやツアーへの熱い想いをたっぷりインタビュー!
中区・大須にある「リオン菓子店(@lyon_kashiten)」でシューティングした、甘い物が大好きな2人の仲睦まじい姿にも注目です♡
甘い物には目がない2人!「リオン菓子店」で絶品スイーツを堪能!
奥から畳野さん、福富さん
地方へ行く機会も多いことから、ライブハウス周辺やホテル周辺を散歩するのが好きと話す、畳野さんと福富さん。今回は、中区・大須でフランス仕込みのスイーツが味わえる「リオン菓子店」にお伺いしました!
畳野さんが選んだ「季節のフルーツタルト」(880円)
甘い物が大好きな2人は、タルトやケーキが並ぶショーケースに釘付け!悩んだ結果、畳野さんは「季節のフルーツタルト」と「リオンブレンド(Hot)」(630円)を、福富さんは冬季限定の「ショコラショー」(650円)をオーダーしました。
フルーツ盛りだくさんの一皿に、畳野さんも大満足!交換しながら、味の感想を伝え合う仲睦まじい姿にこちらまで癒されました♡
▼リオン菓子店の詳しい情報はこちら
日刊KELLY|名古屋の最新情報を毎日配信!2022.08.19
フランスの香り漂うカフェ「リオン菓子店」が大須にオープン【中区・大須観音】
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コンセプトアルバムのような1枚が完成
――メジャー3rdアルバムリリース、おめでとうございます!前作『New Neighbors』から約1年半ぶりかつ、3人体制になってから初のリリースということで、まさに心機一転の1枚ですね。全体的にどんな仕上がりになっていますか?
福富さん そうですね。前作は10周年ということで、今まで自分たちがやってきたことを、4人それぞれが表現するアルバムになっていました。それを経て、バンドの形も4人から3人に変わって、前作の良さは前作の良さでありつつ、今回はいろんな矢印がいっぱい動いていた感じがあります。1本1本の矢印は、先がもっとあるような気がしていて。いろんな方向に向いていた矢印を1つに絞って、それをもっと伸ばしていくみたいなイメージで作り始めました。
いつもは、それぞれがバラバラに曲を作って集めてという感じでしたが、今回はコンセプトアルバムっぽく、ある程度僕が全体の青写真みたいなものを作って、実際の作業は、彩加さん(畳野さん)とか穂那ちゃん(福田穂那美さん)と一緒に、パソコン上やスタジオで行っていきました。
――ありがとうございます。畳野さんは歌い方で意識されていた点はありますか?
畳野さん 今回は宅録感を出したい曲がちょこちょこあって、実際に家で録音してみたり、いつもはやらないことに挑戦してみました。実は前作から、レコーディングも座りながら録音しています。今作も全部その方法でやってみて、歌が中心にありつつも、その楽曲のテーマやコンセプトは、がっつりしたバンドサウンドや歌のイメージではなくて、シューゲイザーやエレクトロニカと、自分のやりたいことがはっきりしていたので、その楽曲に寄せたような歌い方を意識していました。
福富さん 上手く歌うために座るっていうよりかは、表現としてどういう質感になるかを考えた結果の宅録感というか。歌うことだけに必死じゃなくなったからこそ、声で表現することができているのが、本当にすごいなと思いました。
セルフケアをしてくれる心の中の自分は“天使的存在”
――タイトルの『see you, frail angel. sea adore you.』に込めたテーマやメッセージを教えてください。
福富さん 僕たちが高校時代によく過ごしていた、地元・石川県の海岸が1つのテーマになっています。当時、海はきれいなもの、好きな場所ではありましたが、優しい場所ではなかったというか。ここじゃないどこかに行きたいなと思いながら、音楽を聴いていた場所でした。
今はその街から出て、あの時やりたかったことを全部ではないけれど、まだ叶えている段階なので、東京に住んでいる自分と海で音楽を聴いていた自分が、どこかで繋がれるような作品にできたらいいなと。心が沈んだ時に海で必ず聴きたくなるアルバムがあったので、同じように今の自分たちがそんなアルバムを作って、過去の自分に聴いてもらって、また作るみたいな。
2024年は地震もあって、海と稲穂しかない町を見て、こんなところにずっといたらこの先どうなるのだろうという思いもありましたが、それも肯定するような気持ちでこのタイトルを付けました。
――今、海にフォーカスを当てていただきましたが、“angel(天使)”も大きなポイントですよね。この天使は何を表現しているのでしょうか?
福富さん 前作の『New Neighbors』は、隣人がいて、町があって、社会があるみたいな、社会としてのケアを描いたアルバムでしたが、今回はケアというものや優しくあることを描くのは一緒でも、社会とか町ではなくて、内面のケアやセルフケアみたいなものを描くアルバムにしたいなと思っていました。
なので、より個人にフォーカスがぎゅっと絞られていくようなイメージで、自分の気持ちの中にいる自分みたいな感覚がすごくあって。自分と対話するというか、それは独り言でも、心の中のつぶやきでも良くて。音楽作るにしても、何にしても、作っている自分とそれを見ている自分がいるみたいな感覚になるときがあるので、そういうものを“天使”と呼んでいます。
パートナーがいる人もいない人も、寂しくなる時はあって、そういう時の自分の写し鏡みたいな、天使的な存在がいるっていうのを、もっと大切にできたら、ちょっとしんどいことも、少しは楽になったりしませんか?
今の時代、やっぱりしんどいことが多くて、自分の中にもう1人自分がいることで、何かの助けになってくれることもあるんじゃないかなと。そういうセルフケアみたいなのを描きたくて、象徴として“天使”を使いました。
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リード曲をプロデュースするのは亀田誠治さん!
リード曲をプロデュースするのは亀田誠治さん!
――リード曲の「slowboat」は、Homecomingsさんが敬愛するスピッツの楽曲を手がける、亀田誠治さんがプロデュースされていますね!待望の機会になったのではないかなと感じておりました。亀田さんと一緒に楽曲を作っていくことになったきっかけを教えてください。
福富さん 「slowboat」は、先に僕が弾き語りで歌詞を書いて、彩加さんが曲を作ってくれたものがありましたが、アレンジし損ねているというか。イメージはあるけど、シンプルな楽曲でもあるし、シンプルに作りたいけど、これが意外と難しくて。
でもその時にちょうどアルバムの制作会議があって、「1曲ぐらいプロデュースとかお願いしてもいいかもしれませんね」という話が出ました。それで、プロデュースってなったら、僕はどうしても亀田さんにお願いしたくて!
「slowboat」のアレンジは、イメージ的にもスピッツの『三日月ロック』の音像が合いそうだなと思っていたところで、亀田さんと念願の共演も果たしたことも重なり、ほぼ同タイミングでプロデュースをお願いすることが決まりました。
――じゃあ、本当にいろいろタイミングが重なって、巡り合ったご縁だったんですね!
福富さん そうなんです。共演にプロデュースと、ダブルで夢が叶いました!
――普段は福富さんが作詞を、畳野さんが作曲を手がけられていますが、そこに亀田さんの編曲が加わったことで、新しい風は感じましたか?
福富さん 事前打ち合わせで楽しくお喋りしていた内容が、全部入っているような仕上がりでした。真新しいことはしていないけど、なんか新しい!フレーズもすごくシンプルだし、弾き語りの歌もそのまま活かしている。歌詞も変えていないのに、音の積み重ねだけで、フレッシュさを感じたのは魔法にかけられたような気分でした。
――歌詞はどこを切り取っても心にジーンと響くフレーズばかりでした。配信が主流になってしまった現代で、CDを買って歌詞カード見る機会も少なくなってしまいましたが、改めて文字でちゃんと見た時に、やっぱりこの歌が好きだなと再認識しました。アルバムの中で、お2人の好きなフレーズを教えてください!
畳野さん まずは「slowboat」だと、Cメロの“ゆっくりといくにはさみしさも大事な荷物だ 照れた顔で迎えるだろう 照れた顔で手を振るだろう”がキーになっています。
福富さん 今まで一つの情景を描写してその気持ちを歌詞にすることが多くても、一曲の中で物語が進んでいく歌詞はあまり書いたことがありませんでした。でも「slowboat」は、わりと時間が進むイメージ。見守っている側と旅立つ側の2つの視点もあって、それが進んで行きながらCメロに集約されるのが、書きながら自分自身でも感動していました。
畳野さん Cメロみたいなところは、やっぱり大事なフレーズが出てきますね。全体的に見ると、あとはあれじゃないですか?
福富さん え~?「Air」かな。エピローグみたいな感じで、「Air」がエンディングだとしたら、1曲目の「angel near you」で天使に出会って、「Air」で“ほら、またね、かよわき天使よ”とお別れの言葉を言っているところが好きですね。天使が飛び立っていくみたいな。
――アルバム1つを通しても、物語が作られているんですね。
福富さん そうですね、なんかそういうイメージではあるよね。
畳野さん うんうん。
福富さん 天使的な存在に救われつつも、最後はその存在を見送るというか。羽を隠していた天使が飛び立っていくことで、物語が一つ完結しています。気づきましたか?(笑)
畳野さん 今聞いて、そういうことか!と思いました(笑)
――「slowboat」は2つの視点があるということで、MVを見るとさらにその視点が視覚化されているように感じました。監督・撮影・編集を手がけられた濱田英明さんとは、どんな話をしながら、コンセプトを決められたのでしょうか?
福富さん 濱田さんは前々から僕たちの歌を聴いてくださっていたみたいで、僕たちも濱田さんの作品がすごく好きで、お互いにリスペクトし合いながら、1つのものを作っていく感覚がありました。歌詞の世界観や歌い方、“砂漠”みたいなイメージだけは伝えて、あとはもうお任せしました。
手に取った人にしか分からない!こだわりを追求したジャケット
CD+Blu-ray
――ジャケットには、タイトルやHomecomingsさんのこのロゴが、波のように散りばめられているのが印象的でした。お気に入りポイントはありますか?
福富さん いつもイラストレーターのサヌキナオヤさんと一緒にアートワークを作っていて、前々作は引っ越しがテーマだったので、引っ越し会社の段ボールを一緒に作って、前作はパペットを作ってという感じで、絵というものから離れていたので、今作では絵に戻ろうかなと。
ただシンプルな1枚絵というよりかは、どうしてもそこはちょっと崩したくて、面白いことができたらいいなっていうので、石川で撮った写真の上にサヌキさんが絵を描いて、さらに加工して、デザイナーの岡本太玖斗さんに文字を入れてもらいました。
本体、CD、歌詞カードが層になっているデザインは意外とやってなくて、実は開けると文字の部分が浮かび上がってくるんです。アルバムのコンセプトや内容とかを踏まえて、細かいとこまでこだわって作ったので、ジャケットだけでも一つの作品感があります。
CD Only
――畳野さんのお気に入りポイントも教えてください。
畳野さん そうですね、横がいいですよね。このスケルトンな感じ。なんかちょっと懐かしい気がして。パソコンもファミコンも全部透けていたスケルトン世代なんで(笑)
全体が淡い色合いだったり、写真も加工してあって、ディティールというか、曲との合致がすごくて。
福富さん 今まで出してきたアルバムの中で、もしかしたら初めてくらい、CDが欲しくなる1枚かも。誰かの手に渡る以上は、自分が欲しいと思えるものをちゃんとこだわって作り続けたいです。
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ツアーもスタート!名古屋のファンは熱量がすごい!?
ツアーもスタート!名古屋のファンは熱量がすごい!?
――12月20日(金)からはアルバムを引っ提げたツアー「Homecomings oneman live“angel near you”」も始まりますね。これからファンの方と対面する機会も増えてくると思いますが、すでにSNS上で何か反響はありましたか?
福富さん リリースしたばかりのタイミングでSNSを見たら、「心に刺さった」というコメントがたくさん来ていて、そういうアルバムが作りたくて今作が完成したので、とてもうれしかったです。
コロナ禍でインスタライブもできていませんでしたが、最近は中国や上海、台湾でライブをする機会をいただけて、物販とかで皆さんとコミュニケーションを取る機会もちょこちょこあって。直接ファンの方と話すことで、自分たちが作る音楽がちゃんと届いていることを改めて実感しました。
言葉の壁がある中でも、歌詞の意味まで調べてきてくれたり、ジャケットのぬいぐるみを真似して作ってくれたり、自分たちが表現している1個先まで楽しんでくれている感じが本当にうれしいです。
――今回は特にどんなライブにしたいですか?
福富さん アルバムの世界観を表現するようなライブにしたいです。このアルバムを作ったからそうするというより、3人のモード的もこのアルバムの音像に向いていて。今までは、本当は全曲やりたいけど、このアルバムの中からちょこちょこ披露するみたいな感じが続いていたので、やっと思い切って全曲演奏できます。
宅録で作ったり、打ち込みで作ったパートがすごく多いんですけど、でもそれは全然ライブとは切り離しているようで、意外と切り離されてないっていうか。それを表現することがすごく楽しみなので、ライブはキーになるような気がしています。
――12月21日(土)は愛知公演を予定していますね。名古屋のファンの方への印象はありますか?
福富さん あります!京都に住んでいたこともあって、ハードコアパンクシーンで誕生したバンドの友達が名古屋にたくさんいて。そういう人たちが、意外と今でもライブを見に来てくれるのは、名古屋独特の感じがします。どうですか?
畳野さん 名古屋ね、変わった人が多いよね。
福富さん そうだね(笑)。そういう意味でも変わった人が多いですね。でもすごく好きです。
畳野さん なんか熱量を感じます。徐々に上がってくる感じの。名古屋は初日になることが多くて、東京から来て、名古屋行って、関西行って、福岡行ってみたいなことが多いんですけど、今回は初日ではないので、どんな盛り上がりになるのか楽しみです。
――福富さんのSNSで「コンパルにいきたい」というツイートを拝見しました!名古屋に来たら必ず食べる名古屋めしはありますか?
福富さん それこそコンパルは、卒業した成ちゃん(石田成美さん)がすごく好きで。僕らはどこへ行っても、よく散歩をします。ライブハウス周りとか、ホテル周りとか。コンパルもね、名古屋はよくありますもんね。あとは天むすとか!
名古屋めしではありませんが、僕は「岐阜タンメン」も大好きです。初めて食べたのは岐阜の店舗でしたが、名古屋だと離れたところにあるので、わざわざ遠征の帰りにそこまで行って食べたりしています。そのぐらい好きです。
――畳野さんの名古屋に来たら必ず食べたい名古屋めしは何ですか?
畳野さん 私も天むすが好きです!あと、最近食べられてないんですけど、覚王山にある「KAKUOZAN LARDER」のハンバーガーがめっちゃおいしくて!前は並んでいて食べられなかったので、いつかリベンジしたいです。
――最後にKELLY読者のみなさんへメッセージをお願いします!
福富さん 僕、ずっとスピッツと共演するまで、スピッツのライブには観に行かないって決めていたのに、唯一我慢できなくて見に行ったのが名古屋のガイシホールでした。なのですごく思い出深い街でもあって。あずきもすごく好きですし(笑)、元々石川県出身なので、なんとなくノリも近いような気がするので、もっともっと名古屋に来たいよね?
畳野さんカルチャーも充実してるし、ファッションも、おしゃれなお店がいっぱいあって、街の雰囲気も大阪とか東京とはまた違う混ざり方をしているイメージがあります。
福富さん それこそKELLYさんの情報誌の言葉とか!地元情報誌が発達しているって結構大事なことで、だから今これを読んでくれている皆さんは、KELLYを大切にしてほしい!それが1番伝えたいことです!
Major 3rd ALBUM『see you, frail angel. sea adore you.』【CD Only】3300 円
M01 angel near you
M02 slowboat
M03 Moon Shaped
M04 blue poetry
M05 luminous
M06 ghostpia
M07 recall (I’m with you)
M08 (all the bright places)
M09 torch song
M10 Tenderly, two line
M11 Air
M12 kaigansen「Homecomings oneman live“angel near you”」2024年12月20日(金)京都・京都 MUSE
2024年12月21日(土)愛知・名古屋JAMMIN’
2024年12月22日(日)大阪・梅田Shangri-La ※SOLDOUT
2024年12月28日(土)東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)
2025年1月18日(土)石川・金沢 vanvan V4
2025年1月19日(日)香川・高松TOONICE
2025年1月21日(火)福岡・the voodoo lounge
2025年1月24日(金)宮城・仙台 enn 2nd
2025年1月26日(日)北海道・札幌 ベッシーホール
チケットはコチラ
チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/homecomings-angelnearyou/
イープラス
https://eplus.jp/sf/search?block=true&keyword=Homecomings
ローチケ
https://l-tike.com/search/?keyword=Homecomings
公式サイト
https://homecomings.jp/
撮影/辻 瑞稀
※掲載内容は2024年12月時点の情報です
※価格は税込み表記