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初のTETTO開催 浜千鳥のすべてを楽しむ会 ファン100人25銘柄味わい尽くす

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 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は18日、浜千鳥のすべてを楽しむ会を大町の市民ホールTETTOで開いた。春恒例の催しは今年で33回目。市内外から約100人が参加し、今季醸造の酒など全25銘柄を飲み比べながら、その味わいを堪能した。昨年12月、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、その価値にも注目が集まる日本酒。同社はさらなる消費拡大、認知度向上に期待を寄せる。

 この催しは1989年にスタート。当時、あまり認知されていなかった同社醸造の酒の種類(純米酒、本醸造、純米吟醸…など)を広く知ってもらおうと企画された。以来、冬から春にかけての酒造りを締めくくる催しとして多くの浜千鳥ファンに親しまれている。開会にあたり新里社長は、2003年から始まった大槌町での酒米生産を機に、より地域資源にこだわった酒造りが進んでいることを明かし、「地酒メーカーとして歩み続ける当社の特徴ある酒を楽しんでほしい」と呼び掛けた。

TETTOホールBを初めて会場にした「浜千鳥のすべてを楽しむ会」


参加者全員で乾杯! おいしい酒に笑顔がこぼれる


 全員で乾杯した後は、同社の全銘柄を味わえるパーティー。各テーブルには大槌町源水地区の湧水で仕込んだ限定醸造の「源水純米吟醸」、釜石鉱山の仙人秘水で仕込んだ「仙人郷純米酒」などが並んだほか、試飲コーナーには吟醸酒、純米酒、米焼酎、梅酒とさまざまなラインナップがずらり。中には1991年、2001年醸造の30年、20年ものの古酒もあった。参加者は同社社員らの話を聞きながら、気になった銘柄を飲み比べ。味や香りの違いを楽しみ、日本酒への理解を深めた。

おつまみは料亭幸楼の仕出し料理(写真左上)。試飲コーナーには古酒(同右上)を含む浜千鳥のさまざまな酒が並んだ。


 5種の酒を判別する利き酒コーナーも人気。多くの人が挑戦した。初チャレンジという山田町の三田地千絋さん(32)は「飲めば飲むほど分からなくなった。甘口と辛口ぐらいは分かるが、どれとどれが同じかは…??」と笑い、結果発表を楽しみに。華やかな香りとすっきりとした味わいが特徴とされる吟醸酒が好みといい、「移住してから沿岸の蔵元の酒をよく飲むようになった。浜千鳥さんの梅酒も大好き」と地域が育む味をお試し中。杜氏の多い本県の酒造り文化にも興味が湧いているという。

お楽しみの利き酒コーナー。成績優秀者には認定書と賞品のプレゼントが…


 会には東京など県外からの参加者の姿もあった。秋田県から夫婦で足を運んだのは佐藤一徳さん(60)。地元店舗のオープン記念でもらった「仙人郷」を飲んだのがきっかけで、浜千鳥の蔵元見学や酒造り体験塾参加を重ね、今回、念願の“楽しむ会”に初参加。「定年で時間的余裕ができたこともあり、やっと来られた。今まで飲んだことがない味もあってとても楽しめた。地元の仕込み水と杜氏さんの技術が相まって非常に魅力的な酒に仕上がっている印象。これからも機会あるごとに足を運びたい」と顔をほころばせた。

 会では、奥村康太郎杜氏(44)がユネスコの無形文化遺産に登録された日本の「伝統的酒造り」について、その歴史や技術、評価されたポイントなどを解説。こうじ菌を使った酒造りは日本の気候風土に適し、その技術は清酒のみならず焼酎や泡盛などにも応用され、祭礼や年中行事に欠かせない文化として発展を遂げてきたことを紹介した。新里社長は同登録を「日本酒を見直すきっかけになったと思う」と歓迎。本県沿岸に足を延ばす訪日外国人観光客の増加にも期待し、「酒蔵見学などで日本酒を正しく理解してもらうのはもちろん、ぜひ、地元食材を使った料理と一緒に味わってほしい」と望んだ。

浜千鳥の新里進社長(中)と「はい、ポーズ!」


客の好みに合う酒を社員らが提案(写真左)。日本酒にはやっぱり和食。飲んで食べて参加者同士の交流も(同右)


 この催しをTETTOで開くのは初めて。市中心部で100人規模の宴会などを開催できる場所がなくなったため、同ホールに相談。ホールBを会場とし、仕出し料理を持ち込んでのパーティーが実現した。新里社長は「当社の場合はこれまでも従業員が飲料提供のサービスをしてきたこともあり、違和感なく運営できた。会場内にはあらかじめ、ごみ箱を設置。皆さんにもご協力いただく形にした」とし、同所利用の新たな可能性を示した。

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