2024年プロ野球死球数ランキング、痛みに耐えてチームに貢献した死球王は誰だ?
死球数ランキングと死球率
格闘技など他のスポーツと違い、野球は相手選手とのコンタクトが少ないが、硬式球が当たった時の痛さは半端ではない。時には大ケガにつながり、選手生命に影響することさえある。当たるシチュエーションは様々だが、そのひとつが死球だ。
2024年のプロ野球で死球が最も多かった選手は誰だろうか。ランキングは下の通りとなっている。
栄えある!?1位は楽天・鈴木大地
最多13死球を記録したのは楽天の鈴木大地。今季は123試合に出場して460打席に立っており、死球率2.83%と高い。23個しかない四球に比べると、13死球がいかに多いか分かるだろう。
8月7日の日本ハム戦では山崎福也から頭部死球。大事には至らなかったものの敵将の新庄剛志監督が謝罪する一幕もあった。通算135死球は歴代10位(1位は清原和博の196死球)、現役では中島宏之(141死球)に次いで2位となっている。今季の出塁率.324は35歳になっても体を張っている賜物だ。
2位は阪神・森下翔太の12死球。2年目の今季は129試合に出場して526打席に立ち、死球率は2.28%だった。16本塁打、73打点をマークしたスラッガーだけに厳しい内角攻めを受けた影響が大きいだろう。
3位は日本ハムのアリエル・マルティネスで11死球。126試合で459打席に立っており、死球率は2.40%だった。中日から日本ハムに移籍後は2年連続2桁本塁打を放っており、体を張ってチームに貢献している。
4位は阪神の前川右京、ソフトバンクの周東佑京、西武の外崎修汰、ソフトバンクの山川穂高が10死球で並んでいる。やはり、どちらかと言えば、内角を厳しく攻められる長距離砲が多い。
上位陣の死球率トップは西武・長谷川信哉
8位は8死球の楽天・辰己涼介。9位は7死球で西武・長谷川信哉、DeNA・度会隆輝、オリックス・頓宮裕真、日本ハム・田宮裕涼、ロッテ・岡大海、オリックス・森友哉、阪神・大山悠輔が並ぶ。
特筆すべきは長谷川信哉だ。敦賀気比高から入団4年目の今季は自己最多の72試合に出場して239打席に立った。死球率2.93%は、最多13死球の鈴木大地より高いのだ。
8月28日のロッテ戦では7回に坂本光士郎から、延長12回には国吉佑樹から1試合で2死球を受け、国吉を睨みつけるシーンもあった。今季は10盗塁もマークしており、堪えた痛みが来季につながることを期待したい。
2022年も最多18死球を受けた鈴木大地
最後に昨季までの過去5年の最多死球選手を紹介しよう。
鈴木大地は2022年も18死球で最多。477打席に立っており、死球率では今季を上回る3.77%だった。
また、今季8死球で8位だった辰己涼介は昨季、阪神・近本光司と並んで12死球で最多。死球率は2.42%と近本より高かった。
2023年は阪神・岡田彰布監督が「安打も四球も出塁するという意味で価値は同じ」と四球の査定ポイントをアップするようフロントに掛け合い、実際セ・リーグ最多の494四球を選んで日本一に輝いた。
死球に選球眼は不要のため自力で増やすことはできないが、痛みを伴う点では四球以上の価値があると言えなくもない。もう少しクローズアップされてもいい記録だろう。
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記事:SPAIA編集部