湘南台在住川口さん 目指すは「2位か1位」 スペシャルオリンピックスへ出場
知的障害者によるスポーツの祭典「2025年スペシャルオリンピックス冬季世界大会」があす8日(土)から15日(土)まで、イタリア・トリノで開かれる。湘南台在住の川口弘樹さん(41)は、市内唯一の選手としてアルペンスキー競技に出場。大舞台を前に弘樹さんは「2位か、1位になりたい」と声高らかに目標を掲げる。
102の国と地域から約1500人の選手らが参加する同大会。夏季、冬季ともに4年ごとに行われ、知的障害者が日頃のスポーツトレーニングの成果を披露する。
幼い頃、体の弱かった弘樹さん。運動で鍛えられないかと、父の昇さん(77)は30年ほど前からバスケットボールやボウリング、卓球などあらゆるスポーツを弘樹さんに体験させるように。高校生の時には、米国・ノースカロライナで開催された夏季世界大会に陸上競技で出場。1500m走で優勝を果たした。
その後スキーを始め、競技歴は25年に上る。昨年2月に北海道で行われた世界予選を兼ねた日本大会で金メダルを獲得。再び五輪切符を手にした。「最初はリフトも乗れなかったのに」と昇さんは感慨深げだ。
弘樹さんがエントリーする競技は、回転(スラローム)。雪上斜面に立つポールを”ジグザグ”にかわしながら、2回滑走したタイムの合計で勝敗を競う。急勾配で行う細かなターン技術とスピードが要求される。
同大会に向けて弘樹さんは、長野県の志賀高原や菅平高原で練習を重ねてきた。そんな姿を見てきた昇さんは「あまり力を入れ過ぎず、普段通りの滑りをすれば大丈夫。のびのび楽しんで」と背中を押す。「滑ることは気持ちいい」と競技の魅力を語る弘樹さん。「転ばないで、最後までゴールできるように頑張りたい」と意気込み、5日に現地へ出発した。