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機転のウェブ110番、行方不明の高齢女性保護につなげる、四日市南署が高校生に感謝状

YOUよっかいち

ウェブ110番を使って行方不明の女性発見につなげた磐城更紗さん(中央)=四日市南署

 河川敷の草の中に一瞬のぞいた服の模様。とっさに思い出したウェブ110番通報を利用し、行方不明の女性の発見につなげた暁高等学校2年磐城更紗さん(17)に6月6日、四日市南署が感謝状を贈った。雨が降る中で川が増水していたが、女性は無事に保護された。

 贈呈式が南署であり、更紗さんは付き添いの父裕亮さん(47)が見守るなかで、岡崎浩司署長から感謝状を受け取った。岡崎署長は「通報がなかったら、人命にかかわることになった可能性もあり、機転を利かしていただき、ありがたい」と話した。

感謝状を受ける磐城更紗さん

 同署によると、5月17日午前7時50分ごろ、スクールバスに乗っていた更紗さんが窓から河川敷の中の人影のようなものを見つけた。バスには約20人が乗っていたが、更紗さんのほかに気づいた人はおらず、「もし、人が倒れていたなら」と不安に感じた更紗さんは、いつかテレビで見たウェブ110番システムを思い出し、三重県警のホームページで探して通報した。

 発見場所を特定しやすいよう、ウェブの地図をスクリーンショットで撮って送信。すぐに警察などが現場に急行し、女性を見つけ、救急車で病院に搬送した。周辺に住む80歳代の女性で、前日の夜から家を出ていたらしく、家族は夜中に家の中にいないことに気づき、午前4時ごろに行方不明の届け出をしていたという。

 学校に着いてまもなく、女性が無事だったとの知らせが更紗さんの元にも届いた。「ひと安心しました。スクールバスの中では、いつもは何かを読んでいるか、窓から外を見ているくらいなので、この日、偶然、見つけられてよかったです」。裕亮さんも更紗さんからのLINEメッセージで出来事を知り、娘の的確な行動に感心したそうだ。

 南署によると、ウェブ110番は、もともとは声で緊急事態を伝えられない人の利用を想定してできたシステムという。今回、更紗さんは、長い話しにくいバスの中だったため、このシステムを活用したという。ほかにもファックス110番や110番アプリシステムによる通報方法も用意されているという。

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