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日本の幸福度は3年連続最下位…幸福度向上のカギは日頃の幸せへの意識とAI活用!?

舌肥

株式会社博報堂のシンクタンク「博報堂 100年生活者研究所」は、日本国内で20~80代の男女2800名(内20~70代2400名)、海外(アメリカ、中国、デンマーク、イギリス、オーストラリア)で20~70代の男女計3000名(各国600名)を対象に、人生100年時代に対する意識調査を実施した。

3月20日の「国際幸福デー」に合わせ、同研究所は毎年「100歳まで生きたい」と思う日本人の割合について調査している。3回目となる今年も、その割合は3年連続で3割未満と変化が見られなかった。また、幸福とも訳される「ウェルビーイング」の認知は5割を超え、社会に浸透している一方で、生活者の感じる幸福度に変化は見られなかった。
さらに調査では、日常生活で幸福を意識することにより幸福度が高まる傾向や、AIの日常的な使用者は幸福度が高い傾向にあることがわかった。

「100歳まで生きたい」と思う日本人は3割未満、対象6か国で最下位

100歳まで生きたいかを聞いたところ、「とてもそう思う」もしくは「そう思う」と答えた割合は、日本が26.3%で対象6か国の中で最下位に。これは次に低いオーストラリア(58.8%)の半数以下の割合だ。一方、最も高かったのは中国(82.2%)で、デンマーク(69.4%)、アメリカ(69.1%)と続いた。

なお、80代を含めた日本の割合は、2022年28.7%、24年28.4%、25年27.7%と、3年連続で3割未満だった。

「ウェルビーイング」という言葉の認知度は年々上昇、今年は5割超

「ウェルビーイング」という言葉を知っているかどうかを聞いたところ、「名前だけは知っている」「その意味を、おおよそ知っている」「その意味を、詳しく知っている」の合計(知っている計)は2024年(43.8%)より7ポイント高い50.8%となり、同研究所の調査で初めて半数を超えた。

日本の幸福度は対象6か国で最も最下位

10点満点で幸福度を質問したところ、日本の平均点は5.9点で対象6か国の中で最も低い結果に。一番高かったのは中国(7.9点)で、デンマーク(7.0点)、アメリカ(6.9点)と続いた。日本は前回調査でも同じ点数となり、ウェルビーイングという言葉が浸透しているものの、幸福度は上昇していないことがわかった。

日常生活の中で幸せを意識したり対話したりする割合は、日本だけ著しく低い

日常生活での幸せの意識や行動について質問し、回答項目別に「そう思う」「ややそう思う」を合計した割合を比較。その結果、日本は「日々の生活の中で、幸せを見つけようと意識している」が38.1%、「幸せについて普段から考える方だ」(32.2%)、「自分の幸せの形を周りの人も理解している」(26.9%)、「幸せについて人と話す機会がよくある」(20.7%)で、すべての項目で他国より著しく低い結果となった。

日常から幸せを意識したり周囲と対話したりすると、幸福度が高まる傾向

日常生活での幸せに関する意識・行動別に幸福度を調べた結果、日本の全体平均が5.87点だったのに対し、「幸せを普段から考える」と回答した人では6.72点(全体平均比0.85ポイント高い)、同じく「生活の中で幸せを見つけようと意識」では6.70点(同0.83ポイント高い)となった。
さらに、「幸せについて対話する」は7.04点(同1.17ポイント高い)、「自分の幸せの形を周囲が理解する」は7.19(同1.32ポイント高い)まで上がり、周囲と関係を持ちながら幸せを考えている人では、さらに幸福度が上がることが示唆された。

「生成AIをよく使う」のは、海外が2~6割なのに対して日本は1割程

生成AIの活用頻度を聞き、「ほぼ毎日使う」「よく使う」(よく使う計)の割合を比較しました。その結果、日本は10.2%にとどまり、日本以外で最も割合が低かったオーストラリアの 25.5%と比べても半分以下に。なお、最も高かったのは中国62.2%で、次いでイギリス(34.0%)、アメリカ(33.4%)だった。

各国共通で「AIをよく使う」層は幸福度が高まる傾向

前述の質問結果を踏まえ、6か国ごとに「AIをよく使う」層とそうでない層(「よく使う」以外計)で幸福度を比較。その結果、日本の「よく使う」層の幸福度は6.30点で、そうでない層(5.90点)よりも高かった。AIをよく使う人は幸福度が高い傾向は、すべての国に共通してみられた。

「AIをよく使う」層は、「AIが自分の幸せに良い影響を与える」と評価する傾向

AIが自分の幸せによい影響を与えているか、悪い影響を与えているかをそれぞれ尋ねた結果を、全体平均とAIを「よく使う層」で比較。日本の全体平均では、「よい影響」「悪い影響」のどちらの質問も「そう思う、ややそう思うの合計」が2割に届かず、残りの8割以上の人が「AIが自分の幸せにとってよいものなのか、悪いものなのかわからない」と考えている様子がうかがえた。一方、日本に1割いるAIを「よく使う」層を見ると、「よい影響」(70.6%)、「悪い影響」(40.5%)の両評価ともに、全体平均から大きく上昇。但し、その上昇幅は「よい影響」の方が大きく、AIを日常的に「よく使う」ようになった人は「AIは幸せによい影響がある」と評価する人が「悪い影響がある」と評価する人よりも多いことがわかった。

6か国対象定点調査概要
【共通】
・調査目的:100年生活の実態について把握する
・インタネットモニター調査
【国内調査】
・対象地域:日本全国
・調査日時:2025年2月
・調査対象者:20~80代の男女2800名(内20~70代の男女2400名)
【海外調査】
・調査地域:アメリカ、中国、デンマーク、イギリス、オーストラリア
・調査日時:2025年2月
・調査対象者:20~70代の男女 各国600名

日本人は自分の幸せに気付く感度が低いのだろう。今回の調査からも、幸福度を高めるポイントは、人との関りを持ち、日常的に幸せを見つけようとする意識であるといえそうだ。また、新たに調査されたAIと幸せの関係性は非常に興味深く、AIを日常的に活用する人は、AIが自分の幸せに良い影響を与えると考えている人が多く、幸福度が高い傾向だった。その理由として、AIが人間に与えるリスクを考慮しながらも、「AIは生活の質を高めている」「世界をよりよく変えていく」「仕事の効率を高めている」とポジティブな側面を認識していることがわかった。AIを活用することで日常の中の幸せを発見したり、AIにヒントをもらって自分の幸せを具体化したりする。それがこれからの時代のウェルビーイングの高め方なのかもしれない。

博報堂 100年生活者研究所:
URL:https://hakuhodo-rdc.com/100years_lab/

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