「猫に舌を与える」はどういう意味? 動物にまつわるフランス語の慣用句を覚えましょう【まいにちフランス語】
フランス語には、動物が登場する慣用句が豊富にあります。
2025年度テキスト『まいにちフランス語』の新連載「Animots」では、毎月異なる動物にスポットを当てて、その動物にまつわるフランス語の語彙・表現を学んでいきます。
今回は4月号の内容をご紹介。テーマは「猫」です。教えてくださるのは、2024年度「まいにちフランス語」初級編の講師を務めたアルベリック・ドリブル先生と、セバステャン・ジャフレド先生、イラストレーターのマルタン・フェノさんです。
le chat 猫
(今回のお題)
donner sa langue au chat
donner sa langue au chat という表現は直訳すると「猫に舌を与える」ですが、実際にはどういう意味でしょうか。イラストを参考に答えを選んでください。
a. 猫に餌をやるために自分を犠牲にする
b. 謎解きができなくて降参する
c. 熱い飲み物をとてもゆっくり飲む
解答と解説
b. 謎解きができなくて降参する
この表現は、なぞなぞやクイズなどの答えを見つけることができないときに使われます。「猫に舌を与える」とは、答えが分からずことばを失い、役に立たない自分の舌を猫の餌にしてもよいくらいだ、という表現です。
猫にまつわるその他の表現 autres expressions
1. Quand le chat nʼest pas là, les souris dansent.
(猫がいないとき、ネズミが踊る)
支配者や監督者がいないと、部下や子どもたちが自由にふるまうということ。「鬼の居ぬ間に洗濯」という日本の表現が近いです。
2. Il nʼy a pas de quoi fouetter un chat.
(猫をむち打つ理由はない)
それほど大騒ぎすることではない、深刻なことではないという意味。「大したことではない」と訳せます。
3. La nuit tous les chats sont gris.
(夜にはすべての猫が灰色になる)
暗闇ではすべてが似て見えるので、違いが分かりにくいこと。「暗闇ではすべて同じに見える」といったニュアンスです。
4. Jʼai un chat dans la gorge.
(私ののどに猫がいる)
のどが詰まって声が出にくい状態。「声がかれている」や「声がかすれている」といった意味です。
著者
文:アルベリック・ドリブル 東京大学特任准教授。2025年10月から「ラジオ まいにちフランス語」の初級編を担当(2024年度前期の再放送)
文:セバステャン・ジャフレド 上智大学講師
絵:マルタン・フェノ イラストレーター
◆『まいにちフランス語』2025年4月号
◆文 アルベリック・ドリブル/セバステャン・ジャフレド
◆イラスト マルタン・フェノ
  
