検査で異常なし! なのにずっとつらい新たな国民病「機能性ディスペプシア」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 胃と腸の話】
検査で異常なし! なのにずっとつらい新たな国民病“機能性ディスペプシア”って?
4人に1人が患う国民病!?
みなさんは「機能性ディスペプシア」という言葉をご存じですか。これは胃に痛みや不快な症状があるのに、医療機関では特に異常が見つからない状態をさす病名です。医師からは「気のせいでは」とか「ストレスでしょう」などと軽視され、かつては治療をしてもらえないケースもありましたが、近年では胃の機能異常による病態ととらえられるようになりました。その患者数は年々増え続け、現在では日本人の4人に1人が患っているともいわれています。
症状には個人差がありますが「食事をするとすぐ満腹になる」「食後に胃がもたれる」「みぞおちあたりが痛む、焼けるような感覚がある」「食欲がわかない」などが代表的な症例です。原因もさまざまですが、不規則な生活習慣や偏った食生活、ストレスによる自律神経の乱れなどが胃や小腸の働きを低下させることで引き起こされます。
特に野菜不足や過度に脂質を摂取する食生活は、胃の消化力の低下を招くので注意してください。また、体の冷やし過ぎ、冷たい飲食物のとり過ぎも胃に負担をかけ、胃から小腸へ消化物を送る働きを弱める要因となります。
症状の改善をめざすには、過労や睡眠不足といった負の生活リズムをあらため、消化酵素の豊富な野菜を積極的にとるなど、胃腸にやさしい生活スタイルを心がけましょう。
こんな人は機能性ディスペプシアかも!?
【みぞおちが痛い焼けるように熱い】
胃の粘膜が胃酸に対して敏感になり、胃酸の刺激を強く感じてしまう。
【食べた後胃がもたれる】
胃の動きが鈍くなると、胃もたれなどの症状が。
【食欲がない】
不安や緊張、ストレスなどで胃が冷えてうまく動かない。
【少ししか食べていないのにお腹がいっぱいになる】
胃がうまく膨らまず、食べ物をためておけない。
【食べたら吐き気を感じる】
胃酸が過剰に分泌している可能性も。
検査で異常なしと診断されたら
食生活を見直そう
食べ過ぎ、早食いはもちろん、現代人は食生活が偏っている方も多く見られます。嗜好品のとり過ぎ、コンビニごはんや、レトルト食品ばかりになっていないか食生活を見直してみましょう。
生活習慣を見直そう
胃と腸の不調を訴える方の多くは、運動習慣がない、筋肉量が少ない、睡眠時間が短い、ストレス過多の傾向が。ウォーキングや階段昇降でもいいので、適度な運動を取り入れましょう。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 胃と腸の話』著:福原 真一郎