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運動会の練習大嫌い!小学校ではさぼってばかりだった発達障害息子。中3では全く違う姿が!?

LITALICO発達ナビ

運動会大嫌い!小学校では練習をさぼってばかりだった発達障害息子。中3では全く違う姿が!?

監修:井上雅彦

鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー

小学校の運動会の練習はさぼってばかり

発達障害がある息子のリュウ太は小学生の頃から運動が苦手でした。

運動会当日はイベントを楽しむものの、運動会の練習は大嫌いで、学童期は練習に参加せずに体育館の裏で一休みしてしまうこともしばしば……。みんなが日中の暑い中で練習をしているのに、体育館裏に置いてある運動用のネットの上で昼寝をしていたのです。

「運動会の練習に参加したくない」と言い、教室でさぼっていることもありました。

走ったり、踊ったりするのが苦手

リュウ太が運動がキライな理由には、ボディイメージが弱く、体がうまく動かせないことがあります。

走るときも足がもつれてしまったり、走ってもみんなより遅くて「走りたくない!」と機嫌が悪くなり怒り出すこともありました。自分では頑張っているのに周りの子のようにできないことでイライラしているようでした。

特にダンスは難しいようで、踊りの順番を覚えながらリズムと共に体を弾ませるのは難しかったと言います。
「みんなと合わせていくことができない」と感じてしまい「自分は運動が苦手」という意識が芽生えていったのかもしれません。

クラス担任の先生には「リュウ太くんが練習に参加したがりません」と毎年5月になると報告を受けるのでした。

ただ、私自身は、運動会の当日にリュウ太がダンスで遅れをとっていても踊りを間違えていても、大勢の中の一人でそんなに気にならないものだな~と感じていて、「運動会に参加するだけでもヨシとしよう!」と考えることができました。

高学年になると少しずつ変化が

そんなリュウ太ですが、高学年の時には組体操にも参加するようになり、周りに合わせていけるようになりました。花形競技である組体操に参加できていることが私にはとてもうれしいことでした。小学5年生になってようやく息や力を合わせて周りと協力できるようになったんだな〜と感じたのです。

中学生になると、体育祭を全力で楽しめるように

小学校時代の運動会をそのように過ごしたリュウ太は、中学生になってテニス部に入部すると少しずつ変わってきました。

毎日の素振りやランニングなどの地道な練習を真面目にやっていたわけではないのですが、運動への苦手意識がなくなるとともに体に力がついてきたようでした。

中学3年生の体育祭を夫婦で参観した時にはリレー中のリュウ太を見て、いつもは息子のことを褒めない夫が「一番いいフォームで走れている」と言いました。

私も親ばかではありますが「速く走れている!」と思いました。

中学3年生の時のリュウ太はパソコン部に所属していました。
部活対抗リレーという各々が所属する部活動のユニフォームを着用して走る競技があり、リュウ太は先生から壊れたキーボードを貸してもらって、学ランを着てキーボードを叩きながら走るというパフォーマンスもしていました。

速く走ることよりも面白くする競技のようで、部活対抗リレーはみんなが笑ってみていました。

そこには小学校時代に「運動会ヤダ!」と言っていた息子の姿はなく、みんなとワイワイ楽しんでいる姿がありました。

後日、「体育祭の時にリレーのフォームをお父さんが褒めていたよ」と伝えると、父親からの言葉にとても喜んでいました。

息子の体育祭を参観したのは、それが最後でした。最後にいい思い出ができて良かったです。

人は少しずつ成長する、本当だな〜と思った出来事でした。

執筆/かなしろにゃんこ。

(監修:井上先生より)
発達障害のあるお子さんにとって、小学校での運動会や卒業式の練習は、長時間にわたることも多く、うまくできなかったり、注意を受けたり、体力的な負担から参加が難しく感じられる場面も少なくないと思います。ただ、高学年になると、行事そのものに慣れてきて見通しも立てやすくなり、低学年の頃ほど心理的なストレスを感じにくくなるかもしれません。また、中学生になると、行事の練習時間も短くなり、「体育祭」のように楽しみながら参加できるイベントに変わることもあり、それが参加しやすさにつながっているのではないでしょうか。親御さんにとっても、行事が子どもの成長を感じられる機会になってきたことは、とても喜ばしいことですね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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