京浜急行「ウィング号」の乗り方・魅力・体験談!通勤利用におすすめの駅も紹介
京浜急行の有料座席指定列車で、通勤や外出する際に多くの人が利用している「ウィング号」。ウィング号には、朝に運行するモーニング・ウィング号と夜に運行するイブニング・ウィング号の2つがあります。
京浜急行沿線に計10年以上住む私は、イブニング・ウィング号を利用する1人です。混雑することが多い京浜急行ですが、必ず座れるところに利便性の高さを感じています。
今回は、そんな私がウィング号の基本情報から乗り方や魅力について、実体験を交えて紹介します。最後にはウィング号を通勤で利用するためにおすすめの駅も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
ウィング号の基本情報
まずは、ウィング号の基本情報について紹介していきます。
運転区間
ウィング号は1992年に運行を開始しました。運行開始直後は品川駅から上大岡駅までノンストップで、その先は快特と同じ駅に停車していました。時間帯は夕から夜のみで、今でいうところのイブニング・ウィング号的な立ち位置の列車でした。
しかし、2015年には朝のラッシュ時間帯に、三浦・横須賀・横浜方面から品川駅や泉岳寺駅をつなぐモーニング・ウィングも運行を開始。いつも満席に近い状態が続き、2019年のダイヤ改正の際には、1本増発された人気の列車です。
有料座席指定列車のモーニング・ウィング号とイブニング・ウィング号ですが、それぞれ運行区間が異なります。まず、平日の朝に運行する上りのモーニング・ウィング号は、横須賀中央駅または三浦海岸駅から品川駅または泉岳寺駅まで。いずれも上大岡駅から品川駅までは、ノンストップで運行するのが特徴的です。停車する駅が少ないため、三浦・横須賀方面から品川方面へより短時間でアクセスできます。
一方、平日の夕から夜に運行する下りのイブニング・ウィング号は、品川駅から三崎口駅間を運行。モーニング・ウィング号、イブニング・ウィング号ともに、品川と横浜・横須賀・三浦を繋いでいるところは注目してほしいポイントです。
ウィング号の停車駅
モーニング・ウィング号とイブニング・ウィング号では、運行時間帯だけでなく、停車駅も異なります。まず、モーニング・ウィング号の停車駅は以下のとおりです。
<モーニング・ウィング号停車駅>
・三浦海岸駅
・横須賀中央駅
・金沢文庫駅
・上大岡駅
・品川駅
・泉岳寺駅
朝一番のモーニング・ウィング1号は横須賀中央駅発で品川駅行き、3号は三浦海岸駅発で品川駅行き、5号は三浦海岸駅発で泉岳寺駅行きと、列車によって発着駅が異なります。また、品川駅まで途中駅での降車はできません。
一方、イブニング・ウィング号の停車駅は以下のとおりです。
<イブニング・ウィング号の停車駅>
・品川駅
・京急蒲田駅
・京急川崎駅
・横浜駅
・上大岡駅
・上大岡駅から先の快特停車駅
注意点としては、品川駅、京急蒲田駅・京急川崎駅・横浜駅は乗車専用で、上大岡駅まで降車できないところが挙げられます。また、イブニング・ウィング2〜6号は京急久里浜駅行、8〜16号は三崎口駅行となっています。
ウィング号の乗り方
ここからはウィング号の乗り方について紹介します。
ウィング号のきっぷの買い方
ウィング号のきっぷの買い方には、2つ方法があります。
1つめは、発売機で購入する方法です。モーニング・ウィング号では各乗車駅に発売機が設置されています。しかし、イブニング・ウィング号で発売機を利用できるのは品川駅のみです。途中駅の京急蒲田駅・京急川崎駅・横浜駅で乗車する場合には、別の方法で購入する必要があります。
その方法が、2つめのKQuickと呼ばれる京急電鉄のサイト内で購入するというものです。KQuickでは、イブニング・ウィング号の途中乗車はもちろん、そのほかすべての駅からの乗車券を購入できます。
また、発売機では座席位置が自動で割り振られるのに対し、KQuickでは座席位置を指定することも可能です。好みの座席に座りたい場合には、KQuickを利用するのがおすすめです。
乗車する際には、乗車口で係員による確認が行われます。発売機利用の場合には乗車券に記載のQRコード、KQuick利用の場合には支払い済みを証明するQRコードを提示します。あとは指定された座席に座るだけ。車内での乗車券の確認はないので、あとは降車駅までのんびりとくつろぎましょう。
ウィング号の予約方法(予約割の場合)
きっぷの発売時間は以下のようになっており、事前に購入しておくことも可能です。
<モーニング・ウィング号>
KQuick:乗車日6日前の4:30から発車の1分前まで(0:00〜4:29までは購入不可)
発売機:前売りは乗車日6日前の5:30から乗車日前日の21:59まで(22:00〜5:29までは購入不可)、当日は5:30〜発車1分前まで
<イブニング・ウィング号>
KQuick:乗車当日の4:30から発車の1分前まで
発売機(品川駅のみ):乗車当日の5:30から発車の2分前まで
モーニング・ウィング号については利用率が高いようで、特に1号・3号は満席になっていることが多いようです。そのほかの列車でも満席になる可能性があるので、確実に乗車するためには、事前に予約しておくのがいいでしょう。
KQuickで予約した場合には、1回限り列車の日時や座席を変更できます。より早い列車に乗りたい場合には、その列車が発車する1分前まで。より遅い列車に乗りたい場合には、購入した列車が発車する5分前まで変更可能です。なお、発売機で購入した場合には、列車の変更はできず、手数料60円を差し引いた金額が払い戻しされます。発車後の払い戻しはないので注意しましょう。
ウィング号の料金
ウィング号の料金は、モーニング・ウィング号、イブニング・ウィング号ともに300円です。そのほかに、京急百貨店や京急ストアなどで貯まる京急プレミアポイント250ポイントを乗車券に交換する、Wing Couponもあります。
なお、京急プレミアポイントは1ポイントを1円として使えます。したがって、京急プレミアポイントを使えば、250円相当で乗車できるということです。使い方は京急プレミアポイントサイト内のクーポン一覧からクーポンコードを取得し、KQuickに入力するだけです。京急プレミアポイントが貯まるカードを持っている人は、ぜひ利用してみてくださいね。
イブニング・ウィング号を通勤で利用した私の経験談
私は、イブニング・ウィング号の名前がつけられる前のウィング号時代から利用する、いうならばヘビーユーザーです。通勤の際に利用していただけでなく、最近では都内に買い物や食事に行った際にも利用しています。学生時代には、塾で夜遅くなったときにも利用していました。
以前は自由席でしたが、全車指定席、さらにはKQuickで座席も選択できるようになり、利便性がさらに向上した実感があります。
京浜急行というと、ラッシュ時間帯は混雑するイメージを持つ人も多いはず。実際に、品川駅から私の住まいの最寄り駅である追浜駅まで、ラッシュ時間帯はほぼ立ちっぱなしになり、座席に座れることはほとんどありません。しかし、ウィング号を利用すれば別途料金がかかるものの、確実に座れるところは大きな魅力だと感じています。
ここでは、私がイブニング・ウィング号の座席の種類とおすすめの時間の過ごし方について紹介していきます。
ウィング号の座席の種類やおすすめの座席
ウィング号の座席には、進行方向に向いた2人掛けのクロスシートのほか、2人掛けの補助席、2人掛けのシートが向かい合うボックスシートがあります。
その中で私のおすすめの席は2人掛けのクロスシートの通路側です。窓側を選ぶと外の景色を眺められますし、窓側に肘を置いてゆったりとできるのは魅力的です。しかし、通路側に人が座るとやや出入りに気を遣います。
追浜駅が最寄り駅で、金沢八景駅でウィング号から降車する私のように、早い段階で降車する場合には、特に通路側を選ぶのがおすすめです。反対に、京急久里浜駅や三崎口駅などまで乗車する場合には、窓側を選ぶのもいいでしょう。
また、4人で乗車するときには、ボックスシートをおすすめします。家族で出かけた際に利用するのもいいでしょう。私も家族で東京方面へ出かけた際には、ボックスシートを選んで座っています。ちょっとした旅気分を手軽に味わえるところがお気に入りポイントです。運よく利用者が少ない場合には、1人でのんびりと過ごせることもありますよ。
運転席の後ろに設置されている座席は、電車好きにおすすめです。ただし、運転席の真後ろと真ん中の扉は、カーテンが閉まっている可能性があります。そのため、運転席の真後ろではない1番のC席、D席を選ぶのがいいでしょう。
ウィング号でのおすすめの時間の過ごし方
頻繁にイブニング・ウィング号に乗る私がおすすめする時間の過ごし方は、仕事をする・景色を眺める・読書をする、の3つです。現在フリーランスで仕事をする私は、仕事をしていることが多いです。
パソコンを膝の上に乗せて作業を行っていますが、荷物は荷棚のほか足元にも置けるため、スペースは十分あります。窮屈さはなく、快適にパソコンでの作業を行えます。
イブニング・ウィング号は上大岡駅までに3つの駅に停車しますが、乗り口が限定されており、すべてのドアが開くわけではありません。そのため、上大岡駅まで集中を切らさずに仕事ができ、仕事が忙しいときには大変重宝しています。
仕事で少し目が疲れてきたなと思ったら、窓から外を眺めてみるのもおすすめ。川崎から横浜と移り行く景色を楽しめます。沿線に高い壁が少なく、広々とした景色を見られるところもお気に入りのポイントです。
仕事をしないときには、趣味の釣りの本や仕事の勉強本などを読んで過ごしています。通勤で利用する人が多いためか、列車内はかなり静かで集中して読書を楽しめます。
また、すごく細かなことですが、上大岡駅まですべてのドアが開かず、車内の温度が快適な状態で保たれやすいのも嬉しいポイントです。夏は冷房が効いて涼しく、冬は暖房が効いて暖かく、快適に過ごせます。寒がりなのに厚着が嫌いなわがままな私。ウィング号であれば冬であっても、座席まで来たらジャケットを脱ぎ、薄着になってリラックスして過ごしていますよ。
ウィング号で通勤するのにおすすめの駅”3選”
ここからは、ウィング号を通勤で利用したい人におすすめの駅を3つ紹介します。
おすすめの駅(1)金沢文庫駅
モーニング・ウィング号、イブニング・ウィング号ともに利用できる金沢文庫駅。それ以外にも約5分に1本の電車が運行しており、電車移動の利便性が高いところも特徴です。また、羽田空港まで乗り換えなしで行ける急行電車も乗り入れており、飛行機を頻繁に利用する人にも便利な立地です。
駅周辺にはスーパーやコンビニが豊富にあるほか、70年以上も歴史がある金沢文庫すずらん通り商店街もあります。駅から東方向に進むと海があり、海水浴が楽しめる海の公園は夏になると県内はもちろん、県外から訪れる人も多いです。駅から西方向に進んだ先にある金沢自然公園には、動物園エリアと植物区エリアがあり、自然と触れ合えるスポットも備えています。
その一方で、一人暮らし向けの家賃相場は5.83万円と京浜急行沿線の中でも、横浜市内の中でも安めです。電車の利便性と自然の豊かさ、さらには家賃相場の安さを重視する人におすすめの街といえるでしょう。
おすすめの駅(2)上大岡駅
モーニング・ウィング号であれば最後の乗車駅、イブニング・ウィング号であれば最初の降車駅となる上大岡駅もおすすめです。モーニング・ウィング号に乗れば、品川駅までは30〜40分で移動できるので、都内へ通勤する人にも便利な立地です。
また、横浜市営地下鉄ブルーラインも利用でき、東海道新幹線が乗り入れる新横浜駅まで乗り換えなしでアクセスできます。
駅の周辺は買い物ができるスポットが豊富にそろっています。駅直結の京急百貨店、ウィング上大岡、そのほかにもカミオ・ミオカなどがあり、買い物には困りません。オーケーやヨークフーズなどのスーパーが複数あるところも魅力的です。
居酒屋も豊富なので、食べ歩きを楽しめるところも嬉しいポイントです。特に西口方面には焼き鳥屋が多く、平日でも休日でも飲み歩く人で賑わっています。交通や買い物など、あらゆる利便性を重視する人には、上大岡駅が合っていると思います。
おすすめの駅(3)横須賀中央駅
モーニング・ウィング号を利用したいけれど、なるべく人が少ない駅で乗車したいという人には、横須賀中央駅がおすすめです。混雑しやすいモーニング・ウィング1号の始発駅、3号と5号の2番目の駅で、比較的座席を予約しやすいところが魅力です。品川駅までは1時間ほどと遠すぎる距離ではなく、十分に都内への通勤圏内といえるでしょう。
横須賀中央駅といえば異国情緒を味わえるところが特徴です。駅の北方向にはアメリカ海軍横須賀基地があり、周辺には海外の雰囲気を醸し出すバーや飲食店が豊富です。海軍の伝統的なレシピを使ったヨコスカネイビーバーガーも人気で、多くの観光客も訪れています。
また、周辺には大型商業施設のコースカベイサイドストアーズがあり、買い物も便利。24時間営業するスーパーもあるので、帰りが遅くなっても食事に困ることはないでしょう。海外情緒を楽しみつつ、便利な街で暮らしたい人は、横須賀中央駅をチェックしてみてください。
確実に座れるウィング号で電車移動をより楽にしよう!
300円で確実に座れる有料座席指定列車のウィング号。混雑しやすい朝や夕、夜の時間帯であっても楽に移動でき、通勤や買い物などで都内へ行く際に、大活躍すること間違いありません。
ウィング号は降車できる駅が限られており、通勤で利用したい場合には、住まいの場所をしっかりと選ぶのがおすすめです。モーニング・ウィング号とイブニング・ウィング号を往復で利用できる、もっとも長い区間の三浦海岸駅から泉岳寺駅間でも1時間半ほどです。一見遠いと思われる三浦から都内への通勤であっても、十分に圏内といえるでしょう。都内への通勤が便利な場所で暮らしたい人は、ぜひウィング号の停車駅周辺を検討してみてくださいね。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。