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横浜市 小学生に朝の居場所 全区展開見据え、モデル事業

タウンニュース

居場所で過ごす子ども

朝早く出勤しなければならない共働き家庭を想定し、小学校始業前に子どもが過ごせる環境を用意する「小学生の朝の居場所づくりモデル事業」が青葉区で7月から始まっている。全区展開を見据える横浜市は今年度のモデル事業を踏まえ、課題抽出を行う考えだ。

モデル事業は保育所から小学校へ上がった際に直面する「小1の壁」対策を念頭にしたもの。通常は朝7時30分から子どもを預かってくれる保育所に対し、小学校の昇降口は概ね8時過ぎまで開かない。そのため、保護者の勤務時間が早かったり、通勤に時間がかかる場合は低学年であっても子どもを家に残さざるを得ず、不安との声が上がっていた。昨年度に実施した保護者アンケートでも朝の居場所について3割が利用したいと回答し、今年度初めて予算化された経緯がある。

今年度はたまプラーザ駅近隣の美しが丘東小学校で7月16日から、美しが丘小学校で22日から行われている。長期休業日を含む平日7時から8時頃まで学校内に居場所が用意され、子どもたちは読書などをして過ごすことができる。学校の日は昇降口が開く時間に教室へ、長期休業日に放課後キッズクラブを利用する場合は開所時間の8時にそれぞれ向かう。登校時は保護者の付き添いが必要で、時間内は(公財)横浜市シルバー人材センターから派遣されたスタッフが見守る仕組み。利用料は無料で、保険料が年800円かかる。

利用には事前登録が必要だが、登録者は両校で4人ずつ。8月2日時点で延べ利用人数は合計14人にとどまる。現状について市こども青少年局の担当者は「年度途中の開始だったため、多くの保護者は4月時点で働き方を変えてしまったこともあるのでは」と説明。来年度以降は未定だが、秋に利用者にアンケートを行い、改めてニーズや課題を探るという。

事業「ありがたい」

モデル事業を利用している神田悠社(ゆうと)さんは小学2年生の父親。夫婦共に都内で働いており、利用前は「戸締りが不安」と夫婦のどちらかが家に残っていたという。「会議などで早く家を出たい時もある。同伴での登校は大変だが、この事業はありがたい」と語った。

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