【流山市】見つかると幸せが舞い込むかも!?ラッパイチョウの葉を探しに行こう!
全国で30本ほど、千葉県内で確認されているのは3本という、珍しいイチョウの木。県内3本のうちの1本が、流山市の「におどり公園」にあります。何が珍しいかと言うと…。
くるんと1周巻いたラッパみたいな葉
秋に鮮やかな黄金色に染まり、はらはらと舞い落ちて、根元を埋め尽くす黄色のじゅうたんが人々を魅了するイチョウ。
イチョウの葉といえば扇形が定番ですが、一風変わった「ラッパイチョウ」の葉があることを知っていますか。
ラッパイチョウの葉は、筒のようにくるんと1周巻いた円すい形が特徴で、その名の通り楽器のラッパのような形をしています。
1本の木のすべての葉がラッパ形なのではなく、扇形の葉に1、2割ほどの割合で発生するとか。
イチョウの変異種といわれ、奈良県の春日大社や、兵庫県洲本市(淡路島)の高田屋嘉兵衛屋敷跡公園や同県丹波篠山市の医王寺、東京都八王子市の宇津貫熊野神社など、全国でもわずか30本ほどしか見つかっておらず、その多くが市の保護樹木や県の天然記念物に指定されています。
その珍しさから、「四つ葉のクローバー」のように見つけると幸せが舞い込むといわれ、淡路島の公園では「しあわせのラッパイチョウ」という看板を立て、観光資源として活用しています。
千葉県に3本、その貴重な1本が流山に
千葉県で確認されているのはわずか3本、そのうちの1本が利根運河沿いの「におどり公園」(千葉県流山市西深井1028の1)にあります。
同公園の黄葉は例年11 月初旬から楽しめ、ラッパの葉を見つけるなら中旬以降の落葉のタイミングが狙い目です(気候の影響で変動もあり)。
公園から徒歩15分ほどの所にある利根運河交流館(流山市西深井836)では、12月1日(日)まで写真展「利根運河の紅葉と雪景色」を開催中で、職員が過去に撮影したラッパイチョウの写真も展示されています。
行楽の秋、利根運河を散策しながらラッパイチョウの葉を探しに行ってみては。
(取材・執筆/琉)
原始地球に誕生した「生きた化石植物」
樹木医のY・Kさんにイチョウについて聞きました。
イチョウは数百万年前(古生代〜ジュラ期)の原始地球に生まれ(化石上は12種見つかっている)、その内たった1種が温暖な中国奥地で氷河期を生き延び、今日広く世界中に広まったもの。
イチョウ属唯一の「生きた化石植物」で、雄木の精子で雌木の幼果(実)に直接受精する原始的な植物でもあります。世界で最初に東京・小石川植物園で発見されました。
変異種としてはオハツキイチョウ、シダレイチョウ、チチイチョウ、フイリイチョウ、そしてラッパイチョウなどが知られています。
特に珍しいのはオハツキイチョウで、葉の上に直接、実(ギンナン)がつきます。
(樹木医Y・K/ちいき新聞紙上でコラム「木のこと、あれこれ」執筆中)
※写真展の問い合わせ
電話番号/04-7153-8555
利根運河交流館
https://www.tone-unga.com/