砂漠で頼れるお伴!西アジアの厳しい気候の砂漠地帯で足となり、文明を発展させる大きな助けとなった家畜とは?【図解 地理と経済の話】
厳しい気候でも西アジアが発展できたのはラクダのおかげ【図解 地理と経済の話】
ラクダの存在が砂漠を交易ルートに
西アジアの中東地域は、亜熱帯高圧帯に属しています。年間を通じて気圧が高く、そのため乾燥が激しい地域です。ちなみに、世界の多くの砂漠は、この亜熱帯高圧帯の影響を受けて形成されています。
乾燥してはいても、温暖なので水があれば灌漑(かんがい)により小麦の栽培が可能です。そのため、大河の流域に早くから文明が誕生し、発展していきました。チグリス・ユーフラテス川流域、ナイル川流域などがそれに当たります。
砂漠地帯では、オアシスも重要な水源となります。この近くには都市国家が生まれ、中継貿易の拠点となりました。
砂漠地帯で水運に頼れるのは大河周辺だけなので、それ以外の地域では交易のための足が必要でした。そこで重宝されたのが、ラクダ(ヒトコブラクダ)です。
ラクダは背中のコブに蓄えられた脂肪を、食事をとれないときのエネルギー源にします。このとき、代謝水という水分もつくられ、水分の補給が可能です。そもそも体質的に、体に長く水分を蓄えることができるようになっています。つまり、砂漠のお伴にこれ以上適した家畜もいないのです。こうしてラクダは荷物の運搬役として重要な役割を担い、西アジアの文明を発展させる大いなる助けとなったのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地理と経済の話』