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【対談】ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS)×塩入冬湖(FINLANDS) 7月の対バンを前に親交の深い2人が語り合う、一人でもバンドを続ける理由、活動のスタンス、対バンの構想

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L⇒R:ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS/歌)、塩入冬湖(FINLANDS) 撮影=大橋祐希

「ROAD TO 15th ANNIVERSARY」というタイトルを掲げながら、2026年3月に迎える結成15周年に向かってアクティブな活動を重ねているTHE BOYS&GIRLS。2026年3月1日(日)には、初のZepp Sapporoワンマンライブを行うことも決定した。そして、繰り広げている2マンライブのシリーズ『FROM SAPPORO 2MAN』もファンを沸かせている。7月18日(金)に東京・下北沢SHELTERで開催される『TTHE BOYS&GIRLS × SHELTER《FROM SAPPORO 2MAN》』は、THE BOYS&GIRLSとFINLANDSの組み合わせが実現。親交の深いバンド同士で熱い空間を作り上げること必至だ。開催日が近づいている中、THE BOYS&GIRLS ワタナベシンゴ(歌)とFINLANDS 塩入冬湖(Vo,G)に語り合ってもらった。

――7月18日の2マンは、両バンドのファンにとって意外ではないのかなと。

ワタナベ:でも、東京で一緒にやったことは数えるほどしかないんです。『ノロシヲアゲロ6』っていつだっけ?

塩入:2年前だから2023年?

ワタナベ:そうか。代官山UNITでやったウチのイベントに出てもらって、それ以来、東京でのガッツリした対バンはしてないよね?

塩入:うん。FINLANDSのツアーの時、札幌でボイガルにいつも助けてもらってます。

――初めて会ったのは、いつなんですか?

塩入:2015年だと思います。その年にFINLANDSは札幌の事務所に所属するようになったので。『MOMENT FES』というサーキットイベントの時、会場の楽屋でシンゴさんと会いました。めっちゃ感じ悪かった(笑)。

ワタナベ:10年前だからね(笑)。とか言いつつ、26歳だからちゃんと大人なんだけど。

塩入:感じが悪いというか、怖みがあったというか。最終少女ひかさと一緒にいたボイガルの怖み(笑)。

ワタナベ:尖ってたわけじゃないけど、なめられたくはないし、あんまり共演者のみんなと話せない時期だったので。FINLANDSのことは、もともと知ってました。仙台の『MEGA ROCKS』で初めて観たんだったかな? 僕も“怖そうだな”と勝手に思ってました(笑)。

私が体調不良で人生で初めてライブを飛ばした時、FINLANDSが出る予定だった枠でシンゴさんが弾き語りをしてくれて。めちゃくちゃ嬉しくて、すごく救われた気がしました。(塩入)

――打ち解けるようになったきっかけは?

ワタナベ:ツアーのどこかで対バンをしてもらって、一緒に飲んだ時だと思います。広島かな? あの時、“おもしれえなあ”と思ったんです。

塩入:多分、2018年とかだったと思います。その後、2019年の『下北沢にて』で私が体調不良で人生で初めてライブを飛ばして、本当に悲しかったんですよ。あの時、FINLANDSが出る予定だった枠でシンゴさんが弾き語りをしてくれて。FINLANDSの曲を急遽歌ってくれたというのをSNSで夕方くらいに見て、めちゃくちゃ嬉しくて、すごく救われた気がしました。その翌年にお互いに1人でバンドをやるようになって、シンパシーを急に感じ始めて、一気に打ち解けるようになったんですよね。

ワタナベ:お互いに1人になったのは、たしかにでかかったかもなあ。俺が1人になったのは2019年の4月。冬湖ちゃんは?

塩入:同じタイミングです。1人でやり始めて1ヶ月くらい経ってから“ボイガルと同じタイミングだね”と言われて、“たしかに!”と思って、それ以来、特別な感覚になりました。

――バンドの看板を背負い続けた理由は、お互いにどのようなことだったんでしょうか?

ワタナベ:僕は単純にTHE BOYS&GIRLSでいたかったというか、THE BOYS&GIRLSをやりかった。それだけでしたね。“俺が背負う”みたいな意識はあんまりなかったです。メンバーがいた頃も“俺が背負ってる”というのはなくて、“友だちと一緒にやってる”という意識でしたし。始めた時はメンバーが抜けるなんて想像してなくて、“このメンバーで続けるのがロックバンドだ”と思ってたけど、1人になった時に“これは俺の理想とするバンド像ではない”という気持ちには不思議とならなくて。

塩入:“1人で名前を背負ってる”とか、かっこいい感じで言ってもらったりしますけど、そういう感じでもないんですよね。FINLANDSをやめるという選択肢がまったく浮かばなかったので。“選んだ”というより、当たり前のように今の形になっていったんです。だから1人になっても根本的な部分では変わってなくて。“1人だと大変だな”というのはありましたけど。

ワタナベ:1人でやり始めると“ソロプロジェクトになった”という見られ方になるのは当たり前なんですけど、自分自身はそう思ってなくて、“バンドが続いてるだけ”という意識だったから。結局、今も友だちに声をかけてバンドをやってるという点では同じなので。

俺たちも今、15周年が見えてきている中で“今年が勝負”みたいなのがありますけど、“今年も勝負”なんです。(ワタナベ)

――冬湖さんが1人なってから感じた大変さは、どんなことだったんですか?

塩入:精神的なものというよりも、スタジオに入る回数が増えたんです。それまでにある程度の時間を一緒にやってきたメンバーが変わるとなると、それなりの曲数を覚えてもらうことになって、ライブを見据えて練習するんですよね。音源とはまた別のライブでのしっくりくる感じのことをどうやって言語化して伝えるのか? その大変さを感じていました。

ワタナベ:メンバーが変わると、そこは大きいよね。

塩入:サポートメンバーの良さも活かしてもらいつつ、バンドとしての良さに落とし込むのは、めちゃくちゃ大変ですよね?

ワタナベ:そうだね。バンドをそれまでに8年くらい続けてきて、また新たに1年目に戻るみたいな気持ちでやれるのは幸せだなとも思いつつ、やっぱり大変だった。新体制になってからもう6年とかだけど、毎年“俺たちは期待の新人だ!”という気持ちになってる(笑)。“今年が勝負”みたいな表現があるじゃないですか? 俺たちも今、15周年が見えてきている中で“今年が勝負”みたいなのがありますけど、“今年も勝負”なんです。

塩入:“今年が勝負”と周りも言うし、自分も思うというのを私も続けてきています。

ワタナベ:最近は“周りも楽しんでくれてる”と思えるようにもなっているんですよね。正直なところ“自分が良ければそれでいい。後悔ないようにやりたい。これが歌いたいんだ!”みたいな感じで音楽を始めたけど、近くにいてくれる仲間やスタッフが楽しんでくれる喜びは、30歳を越えた辺りから感じるようになりました。

塩入:わかる!

ワタナベ:いろんなことを経てきたよね?

塩入:うん。経てきた。1人になった時に迷わず“続けよう”となったのも、スタッフ、周りにいる人たちが大きかったのかなと。ボイガルもそうだったんじゃないかなと思います。

ワタナベ:うん。

塩入:“続けようよ”と当たり前に言ってくれる人たちがいたから悩まないで済んだんだろうなと。それはすごくありがたいことです。

ワタナベ:“お客さんにサポートメンバーも面白がってもらえるバンドでありたい”という気持ちも、ずっとあったんだよね。“サポートメンバー”って文字で言い表すとそうなるけど、それって形だけのことだよね?

塩入:ほんとその通り。ずっと一緒にやってますし。一般的に思われるサポートとはまた別の領域に入ってるのかも。ボイガルも仲いいですもんね?

ワタナベ:うん。

塩入:ウチも我ながら“仲いいなあ”って思う。ビジネスライクじゃないところが私も気に入ってます。

――同じような変化を経た者同士で悩みを相談し合うことはあります?

塩入:悩みを話すっていうのはないですね。普段、何話してるんだろう?

ワタナベ:ほんとしょうもないこと(笑)。

塩入:そうなんだよなあ(笑)。“あの音楽は”“バンドとは”みたいなことは全然話さないから。私はお客さんと同じ感覚でボイガルからやる気と勇気をもらっていて、お客さんと同じ立場で応援したいというのもあるんです。来年の3月1日のZepp Sapporoにも絶対に行こうと思ってますし、もらったTシャツを普段からめっちゃ着るし。だからこそ、“会った時はしょうもない話をしたい”と思ってる部分はあるのかなと思います。

“濁りなく、予定調和ではない強さ”っていうのは、いろんなバンドがいる中でボイガルに一番感じますね。(塩入)

――この機会に音楽の話をしてみます? 例えば“音楽のルーツは?”みたいなこととか?

塩入:そういう話はしたことないですね。

ワタナベ:最近は何聴いてる?

塩入:なんだろう?

ワタナベ:普段の生活の中で音楽は聴く?

塩入:聴くけど、昔よりは聴く頻度は少なくなってるかも。曲を作ってる時は、自分の曲ばっかり聴いてるから。

ワタナベ:わかる(笑)。俺も自分の歌をめっちゃ聴いてる。

塩入:自分の声に飽きてきません?

ワタナベ:“またこの声だ”ってなる(笑)。それ以外も聴いてるけど、“最近、これを聴いてる”ってパッと出て来ない感じなんだよなあ。いろいろ新しいのを聴いて“いいなあ”ってなりつつも、最後にこれに辿り着く、っていうの、あるじゃん? カラオケも、いろいろ歌いたいのがありつつも、結局、高校の時にも歌ってた曲になったりするし。

塩入:自分が意図せずにいろんな曲が流れてる中で、“これ、いいなあ”ってなることはあります。この前、車に乗ってウトウトしてた時に旦那が曲をかけてたんですけど、eastern youthの曲が流れて、“めっちゃかっこいいなあ!”ってパッと目が覚めました。自分が意図してない曲を聴いて、まだここまで興奮できるんだっていう喜びを感じるので、最近は誰かが流してる曲に興奮する瞬間が好きです。

――シンゴさんがいろいろ聴いてる内に辿り着く音楽は、例えば?

ワタナベ:エレカシ、aikoですね。aiko、めっちゃ好きなんです。

塩入:ウチのギターの澤井さん(澤井良太)は、ファンクラブに入ってるくらい、めっちゃaikoが好きなんですよ。ボイガルがシンゴさん1人になった時に“俺にギターを弾かせてほしい”としきりに言ってたのは、ボイガルにaikoを感じてたのかも(笑)。

ワタナベ:aikoを感じてもらえてるのかなあ?(笑) あと、SPECIAL OTHERSも昔からよく聴きますね。

塩入:スペアザ(SPECIAL OTHERS)って“スペアザだな”っていう音色があるじゃないですか? それに通ずるものを私はボイガルにも感じます。ギターの音色とかいうことじゃなくて、全部が合わさって“ボイガルだな”っていう感じなんですよね。“この音、あの人たちだな”っていうのがあるのは、バンドにとってめっちゃ大事だと思います。

ワタナベ:FINLANDSも“FINLANDSの音”というのがあるから。めっちゃ月並みな言葉にはなるけど、それは唯一無二。どんなアーティストも唯一無二なんですけど、真似してできるものではない何かをFINLANDSからも感じますね。

塩入:ボイガルの音は“濁りなく強い”というか。私は全てのことに関して予定調和が好きじゃないんです。それをボイガルの音は100%体現してるというか。予定調和ゼロのまっすぐさを続けるのってすごく難しい。ある程度活動を続けてくると“これくらいの力を出せばこれくらいのライブができる”ってわかってきますけど、そういうのがないっていうのはとても尊いと思います。それをサポートメンバーを率いながらできるって、すごいことですよ。“濁りなく、予定調和ではない強さ”っていうのは、いろんなバンドがいる中でボイガルに一番感じますね。

ワタナベ:嬉しい。何らかの帯にしたい言葉です(笑)。

塩入:何かの帯にしてください(笑)。

“こういう1年にしよう”というのがあって実際にそうなったら、多分、楽しくないんです。そうじゃなくて“こんな1年になったな”の方が面白いし、それが次の1年を面白がれることにも繋がるので。(ワタナベ)

――(笑)。では、7月18日に下北沢SHELTERで開催される『THE BOYS&GIRLS × SHELTER《FROM SAPPORO 2MAN》』のお話に移りましょう。どういう経緯で実現に至ったのでしょうか?

ワタナベ:これはシェルターの店長の義村さんが組んでくれた2マンです。3月のSunny Girlとの2マンもそうだったんですけど。

塩入:お互い、誘われた時は対バン相手を知らなかったんです。“久しぶりにシェルターで2マンやりませんか?”というお話だったので。“やりたいです”とお返事をして、1ヶ月くらいしてから“ボイガルでお願いします”という連絡があって、すごく新鮮な気持ちになりました。いつも一緒にやるのは札幌でしたからね。

ワタナベ:俺も“FINLANDSなんだ!?”って驚いた。“面白がってくれてんなあ”って感じました。

塩入:お客さんも同じ反応でしたね。“下北でボイガルと2マン”って、意外と想像したことがなかったんだと思います。ボイガルは今、2マンとかをいろいろやってますし、あっという間に来年のZepp Sapporoを迎える感覚になるんじゃないですか?

ワタナベ:そうなんだよ。時の流れの速さが怖い(笑)。

――目の前にある瞬間を強いものにしながら重ねて、気持ちよく15周年を迎えたいとシンゴさんは前におっしゃっていましたが、まさにその通りになっているということじゃないですか?

ワタナベ:そうですね。今までにない1年を過ごせています。冬湖ちゃんが言ってた通り、予定調和じゃないものにはロマンがあるので、“こういう1年にしよう”って考えないようにしているんです。もちろん“1年後にZeppがあるから、そこに向けてこういう風にやっていく”というざっくりとしたプランみたいなものはあるんですけど、“こういう1年にしよう”というのがあって実際にそうなったら、多分、楽しくないんです。そうじゃなくて“こんな1年になったな”の方が面白いし、それが次の1年を面白がれることにも繋がるので。

塩入:15年目を迎えるのって、来年の3月からですよね?

ワタナベ:うん。冬湖ちゃんに“来年の3月1日にZepp Sapporoでやる”って言ったのは今年の2月。だからめっちゃ早く伝えたんだよね。

塩入:あの時点ではまだ14年目を迎えてなかったということ?

ワタナベ:あの時は13年目で、3月から14年目が始まったの。

塩入:“周年”と“年目”って混乱するんですよね(笑)。私、“ボイガルが15周年でZepp Sapporoでやる”って、いろんな人と話しているんです。お客さんからも“冬湖さん、Zeppに来てくれるんですね。私も行きます”みたいなDMが来るくらいなので。“一緒に楽しもうな!”みたいな気持ちです。

ワタナベ:嬉しい。

塩入:お客さんとかバンドマンとか関係なく、みんなで作っていきたいですね。

ワタナベ:心強い。Zeppはもちろん観てほしいんだけど、その前後で札幌のライブの予定を入れてほしい。それぞれのライブをやりつつZeppのライブをいろんなバンドのみんなに観てもらって、打ち上げをして……っていうのがいいなあ。

塩入:前日にライブをやって体力を使い切らないようにしないと(笑)。でも、それ、いいですね。バンド50組くらいで札幌に行きましょう。

ワタナベ:ぜひそうしてほしい。

どっちのバンドもそれぞれのベクトルで王道じゃないところを走り続けていて、たまに交わるという感じなんだと思います。そういうのを面白がってくれるお客さんがいるから、良い活動ができているというのも感じますね。(塩入)

――ボイガルが2011年結成、FINLANDSは2012年結成なので、来年はFINLANDSの「ROAD TO 15th ANNIVERSARY」を始められるということですよね?

塩入:そうですね(笑)。13年目の終わりから始めないといけないということ?

ワタナベ:そうだよ。

塩入:FINLANDSは2022年に10周年を迎えたんですけど、その時に初めて“お祝い事って大事なのかもしれない”って気づいたんです。こういうのは自分たちだけの問題じゃなくて、ずっと支えてくれているお客さんも喜んでくれることなので。だから15周年、20周年というような節目は何かしていきたいですね。

ワタナベ:俺はそういうのを考えずにずっとやってきたから、もったいなかったな。10周年に何かやればよかったと思ったりしています。

塩入:“そういうの、やった方がいいよ”って誰も教えてくれないですからね。

ワタナベ:15周年の始まりが来年のZepp Sapporoなので、そこがピークになっちゃうと本末転倒。今、そこに向かっていろんなことが動いてるけど、来年の方がもっと動かないとおかしいと思ってるんだよね。

塩入:つまり、あと1年半くらい思いっきり走り切るってことですよね?

ワタナベ:そう。でも、走り切っても、その先もいろいろやっていくんだけど。

塩入:Zeppから先もいろんなことが始まるんでしょうけど、何が起こるにしても楽しい気がしてます。

――FINLANDSは、ツアーが終わったばかりですね。

塩入:はい。次のツアーとの間のインターバル中です。ツアーを3本立ててやらせてもらうんですけど。

――10月末から11月にかけての『I HAS TOUR 隣県編』って、ユニークな企画ですね。

塩入:いつも行ってる県の隣に行くツアーです(笑)。

ワタナベ:すばらしいよ(笑)。俺からするとFINLANDSもいろんなことをするバンドなんですよね。

塩入:どっちのバンドもそれぞれのベクトルで王道じゃないところを走り続けていて、たまに交わるという感じなんだと思います。そういうのを面白がってくれるお客さんがいるから、良い活動ができているというのも感じますね。

――ボイガルの『FROM SAPPORO 2MAN』は、良い仲間と出会えていることも再確認できている機会じゃないですか?

ワタナベ:そうですね。新しい出会いもありますし。昨日(5月27日)、UNFAIR RULEとの初めての対バンだったんですけど、ライブが終わるまでお互いに挨拶くらいしかほぼ会話してない感じで。珠羽ちゃんもそういうモードだったけど、ライブでしっかりかまして、想いも伝えてくれて、すごく良かったです。そして打ち上げてめちゃくちゃ仲良くなりました。こういう出会いは、追求し続けている限り一生終わらないんだと思います。性別や年齢は関係なく出会いを楽しむ自分でいられるのが嬉しいし、仲間とも共に進み続けているというか。現在地を確認し合える仲間がいるのも幸せなことです。

今までの活動の中期ちょっと過ぎあたりで“音源で初めて聴ける曲があった方がかっこいいっしょ?”って頃を経て、今、また“ライブで育てよう”ってなってる。(ワタナベ)

――ボイガルと怒髪天の2マンも発表されました。開催される7月31日は、札幌近松の開店初日なんですね。

ワタナベ:そうなんです。僕はずっと怒髪天の大ファンで、増子さんはたまに服をくださるんですよ。

塩入:へえ!

ワタナベ:着なくなったジャケットとかを頂きました。増子さんはずっと札幌のバンドのことを気にかけてくれてる人で、ちょくちょく連絡をとったりはしているんですけど、こういう形で2マンをするのは今回が初めてですね。

――FINLANDSの近況は、ライブの他に何かありますか?

塩入:リリースとかそういうのは決まってないですけど、曲は作ってます。昔ってライブでいっぱい曲をやって、それが育った後にレコーディングする流れだったから、そうしたいなと思ってて。

ワタナベ:同じことをまさに思ってた!

塩入:もともとはそうだったじゃないですか? あの感覚を忘れてるなと思って。

ワタナベ:一緒!

塩入:じゃあ、次は音源化されてない曲だけでお互いに2マンする?(笑)

ワタナベ:面白い(笑)。でも、まじで同じこと思ってる。昔は曲をいっぱいライブでやって、育ってから音源にしてたけど、今までの活動の中期ちょっと過ぎあたりで“音源で初めて聴ける曲があった方がかっこいいっしょ?”って頃があった。それを経て、今、また“ライブで育てよう”ってなってる。だから昨日のライブで新曲やったの。まだリリースしてない曲を1曲目でやってみた。

塩入:1曲目で!?

ワタナベ:うん。

塩入:すごい勝負力(笑)。

ワタナベ:“みんな来てくれてありがとう! 1曲目、新曲!”って。

塩入:めっちゃ面白っ!

ワタナベ:やってよかった。“これだ!”って思った。

塩入:その感覚、早く味わいたい。

ワタナベ:やっぱり曲ってライブで育つね。

塩入:そうですよね。新曲1曲目って、真似していいですか?

ワタナベ:いいよ。俺、ライブ前日までは最後にやるつもりだったの。

塩入:それも相当珍しくない? 最後から3、4番目くらいにやるのがルールっていうか、みんなそうやってる感じがあるから。

ワタナベ:最後にやろうと思ってたけど、夜中にふと“最初にしよ”って。

塩入:1曲目って、心強っ!

――さっきおっしゃっていた“予定調和じゃない”の実例ですね。

塩入:ほんとそうだと思います。普通は1曲目にやることに対して恐怖心が出てくると思うんですけど。でも、そういう恐怖心は持たない方がいいんですよ、絶対に。

ワタナベ:うん。

塩入:私もそっちに行きたいなと思いました。

――ボイガルとFINLANDSの2マンに関しては、何か事前に話しておきたいことはありますか?

ワタナベ:打ち上げするよね?

塩入:したいけど、いい?

ワタナベ:もちろんいいよ。めっちゃ楽しみ。

塩入:7月18日、ウチのドラム(鈴木駿介)の誕生日なの。

ワタナベ:まじ? それはいいこと聞いた!

塩入:いつも北海道に行ってもてなしてもらってるから、東京でできる限りのもてなしをしたいなと思って、今、自分のラジオで“東京でのもてなし”というテーマでアイディアを募ってます(笑)。私は神奈川出身ですけど、7月18日はできる限り東京っぽくもてなしたいです。打ち上げも楽しみにしていてください。崎陽軒のシウマイとか出すし、楽屋入ったら東京ばな奈がめっちゃ置いてあるから(笑)。

ワタナベ:まじか? 楽しみ(笑)。

取材・文=田中大 撮影=大橋祐希

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