鎌倉市消防本部 スマホ映像、通報に活用 情報共有がより正確に
鎌倉市消防本部は、4月1日から119番通報者とスマートフォンで映像のやり取りができる「映像通報システム映像119」の運用を開始した。隊員の到着前に傷病者や災害現場の状況の映像をリアルタイムで確認し応急措置の方法を映像で伝えたり、救助現場状況に応じて部隊を派遣するなど活用し、迅速な消防救急活動につなげる。
システムでは、119番通報を受け付けた際、映像が必要かを指令員が判断し、通報者の同意を得た上で携帯電話番号を確認。指令員からSMS(ショートメッセージ)宛てに専用URLを送信し、アクセスするとシステムが起動する仕組みだ。通報者のスマホのカメラを通じて指令センターとリアルタイムで映像が共有される。
音声通話と並行して傷病者の様子を映すことで指令センターとリアルタイムでつながり、的確な処置の方法が説明できるほか、心肺蘇生法など応急手当の動画送信も可能。また、現場に向かう部隊のスマホにも映像を送ることができ、事前に発生現場の詳細な特定や危険情報などを共有し、初期活動に役立てる。
通信料は通報者負担。事前登録やアプリのダウンロードは不要。映像は消防側でのみ録画・保存され、一度使用したURLは無効となる。
観光客にも有効
同本部によると、「通報者の口頭での説明などの負担軽減が期待できる」という。また、地理に詳しくない観光客などが通報者の場合、現場の周辺状況を映像で確認することで詳細な場所の把握にもつながる。同本部は「救命率の向上と災害被害の低減を目指していきたい」と話している。
運用開始から5月18日までの119番通報は2101件。出動は1565件で、そのうち映像取得に成功したのは5件だった。