疎遠になる友人と、親友の違いとは…初心者にもおすすめの山に登りながら考えてみた/盤渓山・三菱山
北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。
自分の足で歩いた先にある絶景と、おいしいごはんは、もう最高です!
文化部出身・運動神経ゼロの私でも楽しめる「コスパはなまる山」を紹介していきます~!
今回は実際に登山初心者の友人と登って楽しめた、札幌市内の山をご紹介します。
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
穴場スポットかも?札幌市内の低山ハイク
日付:2025年3月31日
盤渓山(標高624メートル)・三菱山(標高428メートル)
北海道札幌市
三菱山まで40分、そこから盤渓山まで1時間、盤渓山から下り40分
山頂(見晴台)からの絶景度 ★★★☆☆
険しい度 ★★☆☆☆
周辺の施設充実度 ★★★☆☆
札幌市内からのアクセスの良さ度 ★★★★★
個人的おすすめ度 ★★★☆☆
ポイント
✓札幌市内の低山では穴場の方で、人が少なめ
✓3時間以内で縦走が可能
✓どちらかの山をピストン(同じルートで往復登山すること)なら1時間ちょっとで下山可能!
登山レポ
傷つくのが嫌いで「広く、浅く」人間関係を培ってきた私の、数少ない親友の一人がTちゃん。
小学生のころからの関係の彼女が、先月いきなり登山を始めました。
「いきなり冬山かい!」と、びっくりしながらもせっかくの機会なので一緒に登ることに。
Tちゃんは小学生のころ毎年リレーの選手に選ばれていて、私の100倍は運動神経がいいのですが、登山スキルは未知数。そこで今回は、三菱山をチョイス!
札幌近郊でお手軽な三菱山は、ばんけいスキー場の山頂。片道40分程度で登れます。
かつ「登ってみて余裕があったら、盤渓山の方まで行ってみよう!」そんな気持ちで盤渓山への縦走もできちゃうのが、この山!
そして2人だと心もとないので、登山仲間である会社の先輩と3人で行ってきました!
正午 登山開始!
雪で隠れていますが「盤渓市民の森登山口」が登山口。さっぽろばんけいスキー場の近くです。
三菱山よりも盤渓山の方が標高が高いので、あとで楽をするために盤渓山→三菱山の順で登る人が多いのですが、今回は反対方向で縦走しました。
初心者のTちゃんの体力が未知数だったため、標高が低いほう(三菱山)から登っておいて、疲れたら盤渓山には行かず、そのまま三菱山を下山できるようにする作戦です。
標識を見ながら、歩いていきます。
午後0時半
三菱山は山頂でも428メートルと低めの山。木々も多いのでほぼ無風状態で登れました。
Tちゃんも汗をかきながら登り「こんなに暑いの!」と驚いていました。
冬のレイヤリングは難しいです。(レイヤリング:重ね着のこと。登山中は急な天候の変化や、登るうちの体温の変化に対応するため、レイヤリングでの調整が重要です)
汗冷えが怖いので登っているときは軽装がいいのですが、止まると寒いんですよね…。
午後0時40分 もうすぐ山頂
急に視界が開けたと思ったら、リフトを発見!
ちょうど前日にスキー場の営業が終了していて、リフトは動いていませんでした。
そこからさらに10分ほど登ると、山頂に!
林の中に可愛らしい標識がポツリとあり、ボーっとしていたら見逃しそうでした。
そしてTちゃんに聞くと「まだ行けそう!体力は余ってる!」とのことだったので、盤渓山まで縦走することに。
と、その前に軽くおやつタイム…。
懐かしいアメちゃんにズキュン!学生時代もよくアメをくれる子でした…。
午後1時 盤渓山へGO!
ところで、さっきから目が合う、この子。
くまさん…ここにいたのか…。
昔から個性が強めのファッションのTちゃん。わたしは彼女のセンスが大好きです。
私がヘビーユーズしているこのコアラの帽子も、実はTちゃんが10年以上前にくれたもの。
ときめくものは昔から変わらないですね〜。
午後2時 盤渓山・山頂
そんなことを考えながら歩くこと1時間ほど…。
割と急登が多く、疲れました。これは盤渓山→三菱山の方がいいですね…。
1時間で天気もがらっと変わり、ふぶいているタイミングで山頂に到着。
この日はまっしろで何も見えませんでしたが、晴れているときの景色はこんな感じ。
右奥の藻岩山をはじめとした札幌近郊の山々と、市街地まで見渡せます!
山頂のきれいさは、三菱山より盤渓山の方が上なので、天気がいいうちに盤渓山に登ることをおすすめします。
残念!!
持参したお湯で、コンビニエンスストアで買ったカップみそ汁を作って飲み、下山しました!
盤渓山の「言いたいことは山々ですが」
昔から一緒にいるTちゃん。
中高は部活も一緒だったので、揉めたことも数え切れないくらいあります。
昔はべったり一緒にいたのに今はすっかり疎遠になっている人もたくさんいる中で、Tちゃんとは縁が切れない理由は、なんなのでしょうか…。
ちょっと考えてみたのですが、まず最初に思いついたのは、お互いの幸せを心から願っていること。良いことでも悪いことでも、自分の人生において転機があったときにふと連絡したくなるんですよね。
また学校が一緒で共通の友人が多いことや、誕生日を祝い合うのが慣例化していることも、理由の一つかなと思いました。
そして一番は、違いを理解していること。
しばらく疎遠になった人と久しぶりに会ったときに、お互いに変わってしまった部分を見つけて、心の距離を感じることって、よくあると思います。
しかし、私とTちゃんはそもそも大きく違う人間なんですよね。
趣味も好きな食べ物も、こだわるポイントも元々全然合わないのです。しかしそれが面白い。
それを理解したうえで昔から一緒にいたから、今さらズレを感じても何も感じないのです。無理して合わせていなかったから、会わなくても「私たちは大丈夫だ」と思っていることが、親友でい続ける理由なのかなと思いました。
こういう文章をじっくり読む子じゃないので、Tちゃんがここまで見ることはないと思いますが、純度100パーセントの気持ちで、幸せでいてほしいと思っています!
そんなTちゃんが山頂でおもむろに取り出したのは、傘。
驚きましたが、たしかに雪で傘をさす人もいるな…。
山頂までさんざん雪に当たってきたから意味はない気がしましたが、なんだか雰囲気が一変し、楽しいピクニック気分になりました。
普段山に登らない人と登ると、新たな発見がありますね。
連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」
※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。
文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。24年10月からHBCラジオで「言いたいことは山々ですが」(毎週金曜午後5時45分~6時半)スタート!HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は登山時(2025年3月)の情報に基づきます。