【八王子市】駐輪場に自転車ヘルメット着用者限定枠 普及促進で安全を推進
八王子市はJR八王子駅南口にある「八王子駅子安町第3バイク駐車場」に10月1日から、ヘルメットを着用している人限定の自転車定期利用枠を新設する。利用料を周辺の自転車駐車場より安価に設定することで自転車に乗る際のヘルメット着用を促進し、利用者の安全を守ることが目的。9月15日から利用申請の受け付けが始まっている。
2023年4月に施行された改正道路交通法により、すべての自転車利用者にヘルメットの着用が「努力義務」となってから、まもなく2年半が経過するが、街中でヘルメットを着用している自転車を見かける数はまだ少ない。警察庁が駐輪場が整備された駅周辺や商店街・ショッピングセンターの周辺などで平日の朝と夕方に実施した着用率調査でも、25年の全国平均は21・2%、東京都も15%で、浸透しているとは言えない状況だ。
八王子市でも23年度以降、市内で独自に自転車ヘルメット着用率調査を実施しているが、23年度は12・4%、24年度は11・6%と低水準に留まっている。また市は24年度まで自転車ヘルメット購入に対する補助も行ってきたが、着用率の向上に結びつかなかったことから終了。ヘルメットの着用を「定着」させるための方策として、今回の取り組みを実施することにしたという。
効果を検証
新設された定期利用枠は20台分。30台分あったバイク駐車場を10台分まで減らして、新たにヘルメット着用者限定の駐輪スペースを設けた。1カ月の定期利用料金は800円(学生600円)で、近隣にある「八王子駅南口地下タワー式自転車駐車場」の1カ月2000円(学生1800円)と比べても、手頃な料金に設定されている。また平面駐車場のため、地下タワー式自転車駐車場には収まらないサイズの自転車も利用できるなどの利点もある。
今回の取り組みについて市交通事業課は「駐輪場運営事業者の協力で実施しているため、今後も事業者の方で協力をいただける駐輪場が見つかれば広げていくが、現状では未定」としながら、「今後は自転車ヘルメットの着用状況を定期的に調査してその効果を検証するとともに、検証結果を受けて事業者とも協議し事業の継続、または周知・啓発への注力を中心とした事業への転換を検討していく」との考えを示した。また26年4月より、南大沢駅周辺の3カ所の駐輪場で自転車ヘルメット着用者に対する利用料金の割引を実施予定という。八王子駅子安町第3バイク駐車場に関する問い合わせは管理事務所【電話】042・649・1366、または一般財団法人八王子市まちづくり公社【電話】042・644・7611へ。