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夢に向かって活動中の出張コーヒーシップ「珈琲オルテガ」。

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夢に向かって活動中の出張コーヒーシップ「珈琲オルテガ」。

先日ご紹介した「ハナモモ」さんの取材中に出会った「珈琲オルテガ」の坂井さん。現在は店舗を構えておらず、親交のあるカフェに焙煎した豆を卸したり、出張スタイルでコーヒーを淹れたりしているそう。「いつかコーヒーとお酒を中心としたお店をやりたい」という目標を持つ坂井さんに、いろいろとお話を聞いてきました。

珈琲オルテガ

坂井 俊平 Shunpei Sakai

1992年新発田市生まれ。千葉の大学を卒業後、旅行会社に就職。初任地の札幌で8年間暮らす。千葉に転勤し2年間働いた後に、2023年に新潟へ戻る。現在は胎内市の企業に勤めながら、「珈琲オルテガ」としても活動。大の猫好き。

初めての赴任先、北海道での転機。

——まずは、坂井さんのこれまでのご経歴を教えてください。

坂井さん:千葉の大学を卒業して、旅行会社に就職しました。最初の赴任地が北海道で、そこで会社員として3、4年働いてから、ガラッと仕事を変えてバーテンダーをしていました。それからまたサラリーマンに戻ったんですけど、週末だけバーでも働いていましたね。

——その間は、ずっと北海道暮らしですか?

坂井さん:そうです。北海道では8年ほど暮らしたでしょうか。縁もゆかりもないし、寒いし、最初の年は「もう帰りたい」って思っていたんですけどね。馴染みのお店がいくつもできて、徐々にいいところだなと思えてきて。最終的にはずっと北海道で暮らそうと思っていたくらいです。今でも交流させてもらっている人がいる、人生の転機となった場所です。

——どんな転機があったんでしょう?

坂井さん:当時の僕は「飲食店をしたい」とは、まったく思っていませんでした。でも行く先々でお店ができるまでの経緯とか、飲食店のいいところも悪いところも教えてもらえて。喫茶店やカフェにもいりびたるようになって、それが今の「珈琲オルテガ」につながっています。北海道にいた頃から、馴染みのお店のイベントでコーヒーを淹れたりもしていましたし。

——坂井さんの「飲食店をしたい」ってお気持ちは、そうやってだんだんと固まっていったんですね。

坂井さん:サラリーマンでやっていこうと決めていれば、副業のバーテンダーはしなかったと思います。やっぱりすごく楽しいし、飲食業に未練があったんですよね。

——それから転勤で千葉に行かれて、去年、新潟に戻っていらっしゃったと。

坂井さん:北海道から千葉に転勤になって、同じ会社ではあるんですけど、生活にだいぶ変化がありました。役職も変わって、ありがたいことに忙しくて。コーヒーに関わる機会がなくなってしまって、「これは自分がやりたいことなのか」と考えるようになったんですよね。「北海道に戻るか」「新潟に戻るか」って選択肢が芽生えてきて、最終的には地元を選びました。

どっしりした深煎りコーヒーを、ネルで淹れる「珈琲オルテガ」スタイル。

——坂井さんの名刺には「焙煎士」とありますよね。そういった知識はいつ学ばれたんでしょう?

坂井さん:北海道にいるときは趣味程度で、本格的に取り組んだのは新潟に戻ってきてからですかね。いろいろ試しながら試行錯誤をしたっていうのは。今は自分の中で具体的にやりたいお店の姿があるんです。コーヒーとウイスキー、カクテルをメインとしたお店を持ちたいなって思っています。

——おもしろい組み合わせですね。

坂井さん:コーヒーとウイスキーの楽しみ方って似ているんですよ。いろんな味わいがあって、好みもさまざまなところとか。合わせるおつまみやスイーツにも共通点があるような気がしています。東京などに同じようなお店もあるにはあるんですけど、自分の頭の中にあるようなお店は他にないだろうなと思っています。

——その目標を持って新潟にいらしたわけですか?

坂井さん:おっしゃる通りです。今は「珈琲オルテガ」として、お誘いいただけるお店に出店してコーヒーを淹れさせてもらっています。焙煎した豆を卸しているお店もあります。

——どういうテイストが「オルテガ風」ですか?

坂井さん:深煎りのコーヒーですね。どっしりとした深みにコクと余韻がある感じで、僕にとっていちばん馴染みのある味です。淹れ方はネルドリップ。ネルを使う淹れ方は、この辺りだと少しだけ珍しいかもしれません。

将来に向かって進み続ける、決意と迷い。

——今も本業の仕事をされて、その上で「珈琲オルテガ」として活動されていますよね。休日も少ないでしょうに、どうして両方頑張れるんだろうって不思議です。

坂井さん:「美味しい」って言ってもらえるのがすごく嬉しいですし、将来に向かっている実感があるから楽しめているのかなと思います。

——目指す先が明確にあるのは、やっぱり強いですね。

坂井さん:そうですね。「お店をはじめる」ってだけじゃなくて、お客さまに足を運んでもらえるとか、自分がコーヒーを淹れて生活している姿とかがイメージできるからいいのかも。でもまだお店を開く場所の目処もついていません。なんとなく「あの辺りがよさそう」とは思っているんですけど。資金面もあるし、今ほんとうに迷っていて。

——目星をつけているのは新潟市ですか?

坂井さん:新潟市……ですかね。新潟と北海道の2拠点でもいいかも。あ、でもまだ妄想のような段階ですよ(笑)。強い気持ちはあるんだけど、ちゃんといろいろなことを見定めないといけないと思っています。

——じゃあ、しばらく今のような取り組みを続けられるかもしれないし、案外早くお店を持たれるかもしれない。それは誰にもわからないことですね。

坂井さん:今年度はお店を構えることはないと思っています。今はお声がけいただいて、いろいろなお店で出張コーヒーショップを開かせてもらっていて、けっこう体力はついたかなって感じています。何かのきっかけで少しずつ動いていくのかな、きっと。

——あまり急がれていないっていうか、自分のペースをしっかり持っていらっしゃるんだろうなって思いますよ。

坂井さん:一応、この年齢になるまでにはじめるぞってリミットは決めています。そうしないとなかなか動かない性分なので。活動を続けていくことが大事だと思っています。

珈琲オルテガ

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