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人と情報が集まる「喫茶キョテン」で、もっと胎内が好きになる。

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人と情報が集まる「喫茶キョテン」で、もっと胎内が好きになる。

胎内の商店街に、新しいお店ができました。「喫茶キョテン」というこのお店は、以前Thingsでも取材した「BASE CRAFTER」の平野さんと小熊さんがはじめたお店です。「胎内を盛り上げたい」という思いを持ったおふたりがお店をはじめたきっかけや、お店で楽しめるごはんやおやつのこだわりなど、いろいろお話を聞いてきました。

喫茶キョテン

平野 伸哉 Shinya Hirano

1995年胎内市出身。新潟医療福祉大学を卒業後、管理栄養士として新潟や東京で働く。2021年に「BASE CRAFTER」を立ち上げ、胎内を盛り上げる活動を行っている。2025年に「喫茶キョテン」をオープン。その傍らフォトグラファーや英会話の講師としても活動中。

喫茶キョテン

小熊 龍太郎 Ryutaro Oguma

1995年胎内市出身。山形大学工学部、同校大学院にてバイオ化学工学を学び、卒業後は胎内市で研究開発の仕事に携わる。胎内市でなにかしたい、という思いから、平野さんらと「BASE CRAFTER」を立ち上げ、デザイナーとして活動する。「喫茶キョテン」をでは、ロゴや店内のメニューのデザインを手掛けている。

胎内の魅力を発信したい。次に選んだ場所は、商店街。

――「BASE CRAFTER」の活動を取材させていただいてから、3年が経ちました。

平野さん:あっという間ですね。キャンプ場の運営はもうやめてしまって。今は「胎内の食の魅力を発信する」をコンセプトに、キッチンカーの運営と地元のハーブを使って胎内を盛り上げる活動をしています。

――「喫茶キョテン」をはじめたきっかけは、どんなものだったのでしょうか。

平野さん:キッチンカーでは、胎内の外の地域に向けて胎内の食の魅力を発信していたんです。そこから、次は胎内に人を呼ぶ段階に移っていきたくて。もともと事務所として使っていたこの建物をお店にすることにしました。

小熊さん:平野が管理栄養士の資格を持っていて、僕もずっとキッチンカーの運営をしていたので、食を絡ませた場所にしたいと思ったんです。それで、ゆったりできる喫茶店をつくることにしました。ただの喫茶店ではなくて、この商店街の拠点として、人が集まる場所を目指しています。

――それで、名前が「喫茶キョテン」なんですね。

平野さん:もともと事務所として使ってたときから、ここを「キョテン」って呼んでいたんです。お店の名前を決めるとき、どんな名前にしようかすごく迷ったんですけど、結局いつもの呼び方がいちばんしっくりきましたね。

小熊さん:僕も「キョテン」っていう名前がすごくいいなって思っていましたし。このお店が本町の拠点でもあり、ゆくゆくは胎内の拠点になってほしいっていう思いも込めました。

――ここも「BASE CRAFTER」でやっているキッチンカーと同じように、「胎内の食の魅力を発信する」というコンセプトでやっているのでしょうか?

小熊さん:そうですね。それに加えて、「キョテン」は人と情報が集まる場所を目指して、近くのお店のパンフレットやイベントのフライヤーを置いています。商店街のことを知って他のお店にも足を運んでもらう、そのきっかけになってほしいんです。

平野さん:買い物をするとなると、スーパーに行くことが多いと思うんです。そうじゃなくて、商店街のお肉屋さんやお豆腐屋さんを一軒一軒まわる、みたいな買い物をしてほしくて。商店街を楽しんでもらえるような情報発信も、ここでできたらいいなって思っています。

――このお店だけではなく、商店街の他のお店に行くための拠点でもあるんですね。ところで、お店のロゴ、とてもかわいいですね。

平野さん:これは小熊がつくったんです。デザイナーとしても活動していて、このお店のメニューやチラシも、彼にお願いしています。

小熊さん:「キョテン」という文字をブロックみたいに積み上げたデザインにしました。この地域がもっと元気になっていくためには、小さなことの積み重ねが大事だと思って。「キョテン」で胎内の活性化に貢献していきたいという思いが込められています。

食べて、知ってほしい。胎内の魅力が詰まったごはんとおやつ。

――お店ではどんなお料理が楽しめるのでしょうか。

平野さん:定食とカレーをご用意しています。定食は一汁三菜を意識して、 野菜をたっぷり使っていますね。カレーは、とがりすぎない、お子さんでも食べられるような辛さなんですよ。

――メニューには生産者の名前も書かれていて、誰がつくった食材かわかるようになっているんですね。

平野さん:ここでは、できるだけ胎内の食材を使うようにしています。それを知ってもらうためにメニューに書いたり、Instagramで紹介したりしているんです。メニューの決め方も、どんな料理をつくるか先に決めるのではなくて、今、手に入れられる食材から考えているんです。

小熊さん:食材の中には、生産者の方とお会いして、直接買っているものもあります。生産者の思いを発信できるようなメニューづくりをふたりでしていますね。

――メニューを通じて、生産者のことも知ることができるんですね。他に、こだわっていることを教えてください。

平野さん:季節の移ろいとともに食材を変えてつくることも大事にしています。この地域で、その時期に取れる食材が身体に合うと思っていて。その時期に美味しくなる食材を、いちばん美味しく食べてほしいので、極端な味付けはしないようにしています。

――デザートやドリンクも楽しめるんですね。おふたりオススメのメニューはどんなものでしょうか。

平野さん:「喫茶店のプリン」ですね。これには、牛乳の代わりにライスミルクを使った、むっちりした硬めのプリンなんです。

――ライスミルクとは、いったい……?

平野さん:お米を濾して液体にしたものです。胎内産のお米を使った自家製のライスミルクを使用しています。牛乳と違って温度の調節が難しくて、最適な温度を見つけるのに苦労しました。ふたりともお菓子作りは未経験からのスタートだったので、余計大変でしたね。

小熊さん:定食と同じで、胎内の食材をふんだんに使っているので、ぜひ一度は食べていただきたいですね。他にも胎内の米粉を使ったお菓子もご用意しています。実は胎内は米粉のまちとしても知られているんですよ。お菓子からも、胎内のことをより知ってもらえたら嬉しいですね。

「キョテン」から、胎内がもっと元気に。

――ドリンクにも、胎内を感じることができるものがあると聞きました。

小熊さん:胎内で取れるハーブを使ったシロップをご用意しています。ハーブの中には、使い切れていないものも多いことに気づいたんです。それを新しい地元の特産品として、胎内のことを知ってもらうきっかけになればいいなと思ってつくりました。よかったら飲んでみてください。

――ほどよい甘さで、ハーブの香りが爽やかでとても美味しいです!

小熊さん:ありがとうございます。このシロップは無添加でつくっているので、安心して楽しんでもらえますよ。レシピ開発からラベルの製作、販売まで僕たちでやっているんです。ラベンダー、ハーブジンジャー、ヨモギの3種類があって、それぞれジンやウイスキー、ウォッカとも相性がいいんですよ。

平野さん:定期的に夜営業もしているので、お酒と一緒に飲んでいただくのもいいですね。夜営業は定食やカレーではなく、おつまみになるような小皿料理を出しています。キッチンカーやお昼の「キョテン」とはまた違った、胎内の食の魅力を発信していきたいですね。

――3月末にオープンした「キョテン」ですが、今の手応えはいかがでしょう。

平野さん:お客さんから「商店街に行く理由ができた」って言ってもらえているのが、とても嬉しいんです。商店街のいろんなお店に行くときの拠点として機能しているんだなって実感できますね。

小熊さん:そうそう、近くのお店の方が「今まで来たことがない人が来てくれたよ」って教えてくれるんです。それが本当に嬉しくて。商店街に貢献できているんだと思えて、お店をはじめて良かったなって思います。

――その言葉を聞くだけで、私も嬉しくなっちゃいました。最後に、おふたりの今後の目標を教えてください。

平野さん:お店でイベントをやってみたいですね。この建物には裏庭があるんですけど、ここでゆっくり過ごしてもらえるようなイベントができたらいいなと思っています。

小熊さん:僕もイベントはしてみたいですね。地元の文化を継承できるようなワークショップとか、世代間の交流ができるイベントとか。あとはイベントだけじゃなくて、ここの他にも、人が集まるような場所づくりができたらいいなと思います。

喫茶キョテン

胎内市本町5-7

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