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職場・ご近所・帰省先で“挨拶代わり”に気軽に起こる、「お子さんはまだ?」ハラスメント

たまひよONLINE

カジュアルな妊娠して実業家に立っていると考えて


ライターの「おにぎり」です。5歳差の男児二人を育てました。結婚が22歳と早かったのに長男の妊娠が27歳だったので、いろいろな場面で無神経な「お子さんはまだ?」と聞かれるハラスメントを経験しました。

退職と背中合わせなのに、催促される“おめでた”


第一子の妊娠前は、職場で「子どもはまだ?」という声の嵐。短大卒業後2年で結婚したので、まだまだ私自身は仕事を続けて、妊活は今は急がないというのは、夫と話し合ったことでした。

同じ課の先輩方や上司にもそう伝えていたので、課内では何の問題もなかったのですが、なぜ全く関係ない人が踏み込んでくるのでしょうね。逆に言えば「全くの他人事だから、気軽に聞けるのだろう」と思ったものです。

その後、転職した先でも同じようなことは続きました。今度は前の職場の先輩や上司に伝えていたような下地もなかったので、ベテランのおばさま方からの「子どもはまだ?」という質問が非常に多く、うるさく感じました。

確かにおめでたい話題ではありますが、妊娠したら退職する可能性だってあるのに、妊娠のことばかり聞かれるのは疑問に感じていました。

予想外の診断と、避けようがなかった“敵”


生理不順で婦人科を受診したところ「ホルモンバランスの乱れ=不妊症」と診断されました。今までは「まだ産まない」だったのが「ずっと産めないかもしれない」となると全く違います。

ショックは受けたものの「まあ、できなかったら、それはそれで」と考えられるようになって落ち着き、おばさま方にも「ああ、不妊症なんで」とサラリと返せるようになりました。「しまった!」という顔をなさったので「そういう顔をするくらいなら、言わなきゃいいのに」と自己完結しました。

実の両親は、放っておいてくれたのでありがたかったですが、夫の母からは帰省時、私のいないところで夫に「まだか」と言っているのが聞こえました。夫が仕事を理由に私サイドにいてくれたのは助かりましたが、ある日「あんたたちがいつまでも孫を連れてこないから、隣の子に三輪車を買ってやった」と言われたときは「もう行きたくない」と帰りの車で泣きました。

「まだ?」のハラスメントは、いつ終わるのか


その後、長男の出産後は、これまたお決まりの「2人目はまだ?」が続きます。当時、新築マンションを購入し転居したばかりでしたが、入居後に知り合ったママ友とは、一度は「2人目は?」「まだなのよ」などの会話をしても、その後のしつこさは一切なし。今思えば、皆同じような状況だから「他人のことに口出しするものではない」という意識があったのだと思います。

そしてやっぱり口出ししてくるのは、全く無関係の年配者。長男に「かわいいね」と言ってくれた後に必ず「次も早くしないと」になってしまいます。「欲しいとは思っているんですけどね」と返すと「頑張ってね」と、見当違いの答えが返るばかりでうんざりしていました。

本当は「皆さんにあれこれ言われるのがストレスでできないのかもしれませんね」と言いたいところですが、今後の関係性を考えると、マンションのご近所さんへの対応は難しいものがありました。

長男・次男の年齢差が5つあるのは、間に2回の流産があるからなのですが、それを知らない人が2歳の長男に向かって、「まだお兄ちゃんにしてもらえないの?」と言ったときは、心中穏やかではいられませんでした。

妊娠や子どもについての話は、とてもセンシティブ。「挨拶がわりよ」と言う人もいますが、悩みは深くなりがちだし、簡単に受け流せることばかりではありません。毎回イヤな思いをしているのに、またそれを受け取らなくてはいけない人の気持ちを考えると、本当に無神経だなと思います。すでに二人の子どもたちは大きくなり、子育てはほぼ終わりましたが、相手の年代を問わず「他人に言われてイヤだったことは、自分も言わない」を心がけようと思います。

[おにぎり*プロフィール]
川崎市で生まれ相模原で育ち、その後もずっと神奈川県在住です。財団法人職員だった当時22歳で結婚、諸事情で退職して27歳で長男を出産した後、2度の流産を経て32歳で次男を出産しました。昨年、自宅近くの施設に夫の母が来たので、今度は「子どもがえり」を実感しています。

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。

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