【横浜市鶴見区】日韓のダブルケア課題話し合う シンポジウムに鶴見のNPOも参加
日韓でダブルケアの支援者たちが課題などを学び合う「日韓ダブルケア支援プロジェクト」のシンポジウムがこのほど、横浜市開港記念会館=中区=で開かれた。プロジェクトには、鶴見区で児童支援を行うNPO法人サードプレイス代表理事の須田洋平さんも参加した。
子育てと親の介護を同時に担う人を指す「ダブルケアラー」。内閣府の推計では、全国で約25万人がダブルケアを行っている。また、この問題は韓国にもあり、同プロジェクトでは参加者たちが視察やヒアリングなどを通じて、両国の支援や政策の現状を学び合ってきた。
今回のシンポジウムでは、メンバーがダブルケアラーへのインタビュー調査で集めた声をもとに作成した「政策提案書」を発表。会場参加者と課題解決を探る話し合いも行われた。
須田さんは「介護と子育ての2重の負担で孤立している人も多い。児童支援の立場からは子どもへの虐待や自死をどう防ぐかが大事で、そのためにも親の孤立を防がなくては」と語る。
そして、「まずは『ダブルケア』という言葉がもっと社会に浸透してほしい」とし、地域でひと声かける行動が支援につながるきっかけになると話す。また、行政に対しては、「子育てや介護など複数の分野にまたがる課題に、総合的な相談窓口の設置を」と求めている。行政の対応についてはシンポジウムに参加したある横浜市議も「縦割りの弊害は把握している。まずは局を横断して問題共有するワーキンググループの設置を目指していきたい」と話した。