サッカーU―17日本代表 代表の誇りを胸に、平野稜太が世界へ挑む 【大分県】
大分トリニータU-18の守護神・平野稜太(大分東明3年)は、U-17日本代表に初選出され、このほどスペイン遠征から帰国した。初戦のカナダ戦と、その後のスウェーデン戦に先発出場。初の海外遠征ながら堂々としたパフォーマンスを披露し、「代表の舞台でも自分の武器は通用した」と手応えを語る。
身長180cm。現代サッカーのGKとしては決して大柄ではない。だが、鋭いシュートストップ、積極的にビルドアップ(攻撃の組み立て)に参加し、正確なキック精度にも優れる。「体格で劣るなら、それ以外で勝つしかない」(平野)。そんな覚悟が、プレーの端々ににじむ。
平野のGK人生において、今回の代表選出はまさに転機だった。かつては「180cmでは日本代表に選ばれることは厳しい」と言われたが、それでもはい上がり、ついに日の丸を背負う存在に。「試合前に国歌が流れたとき、本当に誇らしかった。ここで終わりたくないという気持ちが強くなった」と目を輝かせる。
スペイン遠征から帰国した平野稜太
愛知県出身、トリニータU-18加入と同時に寮生活を開始。規律の厳しさに戸惑いながらも、自らを適応させてきた。「3年になってからは責任感も出てきた」と語るように、今ではチームの中心選手だ。
現在チームはプリンスリーグ九州で7位と苦しんでいる。山﨑雅人監督は「代表での刺激をどうチームに還元するか、期待している」と語る。さらに「性格はおとなしいが、リーダーシップを発揮してほしい。彼の成長が後半戦の鍵を握る」と続けた。
平野自身もその意図を理解している。「代表で学んだフィジカル強化や準備の姿勢は、すぐチーム練習に取り入れている」と語るその姿勢には、トップを目指す強い覚悟が表れている。
11月にはU-17ワールドカップが控える。「自分の手でチャンスをつかみに行く」。その視線の先には、さらなる高みがはっきりと見えている。
9月にはフランス遠征、10月は国内活動、そして11月の本番。代表選考のサバイバルは続き、すべての活動がアピールの場となる。平野は「普段の試合でも見られている。毎試合が勝負」と気を引き締める。世界の舞台を見据える守護神に迷いはない。
11月のU-17ワールドカップを目指す
(七蔵司)