<先生、謝って!>ヤンチャな息子はクラスの悪い子代表?泣きながら帰宅「ヒドすぎ!」【まんが】
私はカナ。小学4年生の息子レンを育てています。レンはやんちゃな性格でついハメを外してしまうこともありますが、困った子を見かけたときはすぐ助けに行くような優しい子です。友人も多く、おかげで私もレンの同級生のママたちと仲良くさせてもらっています。今までとくに大きなトラブルはなかったのですが……。ある日レンが学校から帰ってくるなり、いきなり自分の部屋にこもってしまったのです。「ただいま」も言わずに階段を駆け上がり、ドアを勢いよく閉める音がしました。
理由を聞こうにも、泣き続けるだけで何も言おうとしません。レンは明るく活発で、小学校に入ってからは泣くことなんて滅多にありませんでした。そのレンが何も言わず、泣き続けている……。これは学校で何かあったに違いありません。
リョウくんから聞いたところによると、今日の道徳で「クラスの友達の長所・短所」を書く授業があったそうです。そしてレンは友達が書いた「自分の短所」をみんなの前で読み上げさせられたらしく……。授業の一環とはいえ、傷ついたはずです。
なんと、クラス全員の前で「悪い子」と先生に言われてしまっていたとは! わざわざ自分の口から、しかも人前で短所を発表する必要があったのでしょうか? レンが深く傷ついたことは容易に想像できました。 確かにレンはやんちゃなタイプでルールを安易に破ってしまうこともあり、私自身も同じことで何度も怒ることもあります。しかし吊し上げみたいな仕打ちをされたら、誰だって傷つくに決まっています。子どもを指導する先生が想像できなかったというのでしょうか。 短所代表に選ばれたのはレンが悪かったから……? 私は混乱していました。まずはレンの口からきちんと話を聞き、どうするべきか考えたいと思います。
「アナタは私の自慢の子」子どもの心を傷つけるなんて……許せない!
レンから聞いた話は、リョウくんママから聞いた話と一致していました。泣きそうになるのをこらえてふざけたこと、でも先生にはさらに追い打ちをかけられてしまったこと……。涙を流しながら話すレンの姿があまりにも痛ましく、私も涙が出てきました。
なんと担任のナガセ先生は、子どもの心が傷つくとわかった上であえてレンを指名していたのです! レンを選んだのはメンタルの強さを信頼していたからこそだと……。だからといって短所を発表させて吊し上げていいというものではありません。
校長先生も含めて話すことができ、担任のナガセ先生は明日クラス全員の前でレンに謝罪すると約束してくれました。けれど本音を言えば、謝られたからといってわが子のことを意図的に傷つけた人を許す気にはなれません。私がこの先ナガセ先生を心の中で許すことはないでしょう。 ただ子どもには人を許す姿勢を見せることも必要なのだろうなとも思い、私はその謝罪を受け入れることにしました。深く傷つけられたレンは明日、学校へ行くことができるのでしょうか……。
【友だちの気持ち】たいせつな友だちが傷つけられた!抗議したオレたち
オレは小学4年生のリョウ。今日の道徳の時間にとんでもないことが起きた。担任のナガセ先生はクラス全員に友達の長所と短所を書かせた後、「短所代表」に友達のレンを選んで「悪い子」とまで言ったのだ。でもレンは悪いやつなんかじゃない! 周りの友達が困っているとすぐに駆けつけてくれる。レンは泣きそうな顔をなんとかこらえていたけれど……。大事な友達に何もしてあげられなくて悔しかった。そして家でオレから話を聞いたママは、その後レンのママと連絡を取り合っているようだった。
レンは大事な友達だ。いつも困ったときに助けてくれた。今回は、オレがレンを助けたい! 家まで迎えに行くとミナトも来ていた。歩いているうちに、ひとり、またひとりと友達が加わってきた。レンは「悪い子」なんかじゃない。先生には謝ってもらわなきゃ……。
先生、レンに謝るんじゃなかったのかよ。そう思ってレンの方を見ると、今にも泣き出しそうな顔で下を見ていた。ダメだ、今、謝ってもらわないと! するとそのとき委員長のカレンが声をあげた。それをきっかけに、クラスのみんなが一斉に声をあげはじめたんだ。
先生は気まずそうな顔をしていたが、きちんとレンに謝罪してくれた。レンもいつもどおりの明るい表情に戻った。先生はいつもオレたちに「人が嫌がるようなことはしちゃいけない」って言っている。それは先生だって同じだろう。レンが笑顔になって本当によかったと思う。 確かにレンには調子に乗ってふざけたり、ルールを破ったりするところもあったけれど……。短所があるのはオレもだし、レンにはそれ以上にいいところがいっぱいある。俺はレンとできればずっと友達でいたいし、レンからも友達でいようと思ってもらえる自分でありたいと思っている。