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広上淳一&日本フィルによる新たなシリーズ『オペラの旅』が開催 第1弾はヴェルディ:オペラ《仮面舞踏会》

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広上淳一&日本フィル『オペラの旅』Vol.1 ヴェルディ:オペラ《仮面舞踏会》

2025年4月26日(土)・27日(日)サントリーホール 大ホールにて、広上淳一&日本フィル『オペラの旅』Vol.1 ヴェルディ:オペラ《仮面舞踏会》が開催される。この度、音楽評論家の奥田佳道よりコメントが届いた。

日本フィルハーモニー交響楽団が、この春新たに取り組む『オペラの旅』は、極上のホールの舞台上にオーケストラと歌手が並ぶことで、オペラ作品の音楽面を際立たせ、さらに、演出による視覚的要素が加わりその理解を深められる、オーケストラファンのための新しいオペラ・シリーズ。演出に高島勲を迎え、ホールの舞台空間を活かした演出や衣裳等を取り入れたセミ・ステージ形式で上演する。

記念すべき第1弾はヴェルディの音楽と物語が融合された中期の傑作、《仮面舞踏会》を取り上げる。1989年、シドニー・オペラハウスで広上淳一がはじめて指揮をした、思い出のオペラでもある。ソリスト陣にはアメーリア役の中村恵理をはじめ、世界で活躍する新しい世代の日本の歌手陣がならぶ。

そして蜷川幸雄やジョン・ケアードに才能を見出され、多彩なフィールドで演出・ステージングを手掛ける広崎うらんが振付を担当し、今回は運命を象徴する存在としても登場する。

なお、多くの音楽ファン、オペラファンに楽しんでもらえるようチケット料金も手頃に設定されている。

【あらすじ】
舞台は17世紀、英国植民地時代のボストン。
ボストン総督リッカルドと、リッカルドの腹心の部下・レナートの妻アメーリアは、互いに秘めた想いを抱いている。
ある日、リッカルドは身分を隠して占い師ウルリカのもとを訪れると、そこへアメーリアが現れ、自分への恋心に苦しんでいることを知る。
ウルリカはリッカルドを占い「これから最初に握手する者によって殺される」と告げる。
そこへ何も知らずにレナートがリッカルドと握手をし…
ついに愛を打ち明け合ったリッカルドとアメーリアの逢引を知ったレナートは怒りに震え、リッカルドに対する反逆者の計画に加担してしまう。
運命の時は、華やかな仮面舞踏会の舞台が選ばれた。
レナートの復讐は果たされるのか、そしてその時リッカルドは…

新しい舞台が創られる  奥田佳道(音楽評論)

私たちが過去の経験、蓄積から漠然と思い描くセミ・ステージ形式でも、しばしば見聞きする演奏会形式による上演でもなく、新しい舞台。華やかな顔ぶれ、伸びゆく新世代、若人たちが、練達の指揮者、演出家、オーケストラに導かれ、サントリーホールのステージに立ち、存分に歌い演じる。
それが広上淳一&日本フィル「オペラの旅」Vol.1だ。そう予告しても大丈夫だろう。
栄えある幕開けに、広上淳一がキャリアの黎明期(1989年夏)にシドニーのオペラハウスで連日のようにタクトを執ったヴェルディの歌劇《仮面舞踏会》が選ばれた。
今をときめく歌い手が勢ぞろい。趣あるカンタービレもきらびやかなコロラトゥーラも舞う。このオペラに端役はいない。
劇の展開も登場人物の深層心理もお任せあれのコーラスとオーケストラがまた素晴らしい。このオペラに「伴奏のパート」はない。
広上は2023年5月、実に34年ぶりに同演目を指揮し(宮崎国際音楽祭)、かねてから醸成してきたオペラ愛を告白。ステージと客席を大いに沸かせた。ほどなく日本フィルの定期演奏会でもレオンカヴァッロの《道化師》に腕を揮い、サントリーホールに高揚感をもたらす。「機能性を高めた日本フィルが次の境地を奏でるためには、オペラが必要だ。腕に覚えのある若手に風を送るために自分も勉強し直す」─そんな声が聞こえてくるかのような熱き舞台だった。
新しい舞台のためには、オペラとオーケストラのフォルムも機微も知り尽くした舞台制作の匠、高島勲の技と芸が必要だ。秘めた想いに陰謀が絡み合い、不吉な占いに握手も鍵を握る《仮面舞踏会》。劇的な空間やさりげない仕草を愛でる高島は、暗殺団や仮面舞踏会の人々に役と動きを授けるのではないか。
2025年4月、広上淳一と日本フィルが新しいオペラを創る。体感しない手はない。

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