Yahoo! JAPAN

Penthouse 柔軟な音楽性とメンバー個々の演奏能力と音楽センスの高さを贅沢にブレンドした2ndアルバム『Laundry』が完成、新作に込めたものとバンド史上最大規模のライブへの思いを聞く

SPICE

Penthouse 撮影=菊池貴裕

ジャンル横断型の柔軟な音楽性と、メンバー個々の演奏能力と音楽センスの高さを贅沢にブレンドしたお洒落な6人組。Penthouseの2ndアルバム『Laundry』は、前作のポップさを踏襲しつつさらにアイディアの幅を広げ、ファンキーなダンスナンバーからキャッチーなJ-POP、壮麗なゴスペルから雄大なカントリーまでを飲み込んだ意欲作に仕上がった。
作詞作曲とリードボーカルに天賦の才能を見せる浪岡真太郎、ツインボーカルの相方として包容力とエモーションを発揮する大島真帆、ベースと作詞とライブ演出に長けた大原拓真。アルバムに込めたもの、来るべきバンド史上最大規模のライブについての思いなど、バンドの現在地について3人に語ってもらおう。

――つくづく不思議な集団ですよね、Penthouseって。ロック、ソウル、アカペラ、クラシック、ジャズ、J-POPとか、様々な要素を集めつつも何にも当てはまらないみたいな。

大原拓真:バンドを始める時って、普通は趣味の合う人を集めて始めると思うんです。そうじゃなくて、浪岡が今までにいろんなバンドをやってきた経験から、趣味も大事だけど、バンドというプロジェクトを進める時に積極的にやってくれる人がいいんだと、パーソナリティー重視で浪岡がみんなを集めていったので。当然趣味がバラバラな人が集まってきちゃうけど、それが結果的に、曲にいろんな引き出しを加えることになっているのかもしれないですね。

大島真帆:得意・不得意なところもそれぞれ全然違うので、グループの中で補い合いながら。浪岡は作詞作曲に長けていて、大原さんは演出とかライブ関連を担当して、私がMCするみたいな感じで、バランスをうまく取り合いながら、本当にプロジェクトみたいな感じでできてるのかな?というのはありますね。

――いい団体作りましたね。浪岡さん。

浪岡真太郎:まぁ、今のところは(笑)。うまくいっているうちはいいんですけど、うまくいかなくなると喧嘩とかもするだろうし。

大島:今のところは仲良くやってます(笑)。

浪岡真太郎(Vo, Gt)

――大規模フェスへの出演も増えてますけど、どんなふうに見せようと思っていますか。

浪岡:曲の幅が広いから、“このフェスはこういう感じにしよう”とか、そういう感じでやってますね。いわゆるJ-POPっぽいメジャー感のあるフェスでは、「,,,恋に落ちたら」みたいなポップ寄りの曲だったり、ジャズフェスっぽいところでは「蜘蛛の糸」とか、歌詞が英語のやつを入れたりしています。

大島:あと、ピアノの角野(隼斗/Cateen)が本当に器用でなんでも弾けるので、ジャズフェスだったら彼にいっぱいピアノを弾かせて、ジャズっぽいアドリブをいっぱい入れてもらったりすると、“このバンド、ジャズも行けるのか”と思わせられるみたいな、必殺技みたいな人がいるので。

――たとえばジャズフェスの『LOVE SUPREME』とロック系の『ジャイガ(OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL)』では、やることを変えると。

大島:そうですね。客層が違いますし、ジャズフェスは年齢層が高くて、座って観ている方も多かったりするので。『ジャイガ』だとワーッとタオルを振ってるお客さんが多かったりするので、そういうところはやっぱり意識しますよね。

大原:たとえばコール&レスポンスをどれぐらい入れるか?というバランスも、客層を見て変えていますし。でもさっき言ったように、セットリストをフェスに合わせて変えられるのは、曲の幅が色々ある、うちのバンドならではの強みなのかなとは思いますね。

浪岡:あと、ジャイガは暑いからあんまりコール&レスポンスをするとしんどいんじゃないか?みたいな。

――そういう、客層の違うフェスで勝負してきた経験は、作詞作曲にも活かされたりしますか。こういう曲を作ったらこのフェスにハマるんじゃないか?みたいな。

浪岡:それは結構思いましたね。今回の『Laundry』の中でも“ここはお客さんに歌ってもらおう”とか、作曲の時から想定している曲がいくつかあります。「Raise Your Hands Up」というゴスペルの曲は、“ライブを楽しもうぜ”というテーマで曲を書いたりとか、そういうところに活きているかもしれないです。

大原:Penthouseのライブはやっぱり音楽を楽しんでいるというか、”みんなでやる音楽が楽しい”ということをお客さんに伝えることを意識しているので。そういう意味で「Raise Your Hands Up」は、まさに自分たちの今のテーマが伝わる曲になっていると思います。

大島真帆(Vo)

――そんなニューアルバムの『Laundry』。今度は洗濯部屋ですね。前作の『Balcony』からちょっと家の中に入ってきて。

大島:浪岡、うまいこと言ってたよね。

浪岡:なんか言ってたけど忘れちゃった。

大島:洗濯物にいろんな種類があるみたいに、自分たちの楽曲にもいろんな種類があって……みたいなこと言ってたじゃん。

浪岡:言ってたかも。僕らのいろんなジャンルの楽曲が、色とりどりの洗濯物のように集まって、洗濯した結果、綺麗になって出てきたのが『Laundry』です。後付けです(笑)。

大島:それと、洗濯されて生まれ変わったみたいな、新しい私たちを見せたいという意味もあるのかなと。

大原:後付けです(笑)。

――後付けでもばっちりハマってます。ロゴもアートワークもめっちゃ可愛いし、Tシャツやグッズにもしやすいような。

浪岡:洗濯機、売る?(笑)

大原:俺、最近買い替えを検討してるから、グッズで出たら買おうかな。

大島:私も買い替えたい!

――そんな展開も考えつつ、とにかくアルバムの内容がすごく素敵です。何か全体のコンセプトはありましたか。

浪岡:“いい曲ができたな”というものを集めていく感じなので。前作に引き続きコンセプトらしいものはないんですけど、いいものを作ろうと試行錯誤してる感じを感じてもらえたらいいなというところですね。

――浪岡さん、日頃から曲を作っている人ですか。締め切りとか関係なく。

浪岡:そうですね。毎日曲のアイディアを出す時間を作って、ボイスメモに貯めて、あとで聴いて“いいな”と思うものを曲にしていく感じです。出ない時は本当に出ないので、あとで聴いて“この週は全然いいの出してない”とか、逆に“この日はやたらいいのが出てるな”とか、そういうことがあるので、毎日やるようにしています。

大島:継続力がすごいです。曲作りから、くだらないことまで、こんなに一つのことをずっと続けられる人はいないと思います。ゲームとかも。

浪岡:くだらなくないよ(笑)。

大島:学生時代にハマってたゲームとか、みんな飽きてるのに浪岡はずっとやってるとか。そういうことが作曲にも言えるので、すごいなと思いますね。アルバムの中で言うと、「フライデーズハイ」のデモが上がってきた時の感動はすごかったです。

大原:僕は、デモで言うと「Taxi to the Moon」ですね。いつも浪岡がいっぱい作ったデモをみんなで聴いて、“どれをやろうか?”みたいな話し合いをするんですけど、「Taxi to the Moon」は僕が“これでしょ”って推して、やることにした記憶が。

――「Taxi to the Moon」はオープニングナンバーにぴったりですね。これからショーが始まるという華やかさとワクワク感がすごい。アルバムのリード曲にもなってます。

大島:口ずさみやすい曲です。英語っぽいけど、とりあえず“Taxi”だけはみんな歌えるし、そこだけ一緒に歌ってもらえればいいので。

浪岡:デモの時は適当な歌詞を入れて歌うことが多いんですけど、適当に歌った“Taxi”という言葉が残ってたから、そこから考えました。実はこの曲、サビの歌詞は日本語で書いてるんですけど、英語っぽく聞こえるし、実際に英語でも意味が通るようになっているんです。サビまるごとダブルミーニングというか。

――そうなんですね。気づかなかったかも。

浪岡:普段ショート動画で、日本語の曲を英語にするカバー動画を出しているんですけど、英語だけど元の日本語っぽく聴こえる部分を作ることをよくやっていて、それを生かして全部できるんじゃないか?と思って、やってみたのがこれです。

――めちゃくちゃ凝ってます。

浪岡:僕は本当は英語で歌いたいんだけど、やっぱり日本語のほうがみんな聴いてくれやすいし、そのへんをうまくやってみたかったんですよね。メロディ的にも、日本語が合うメロディと英語が合うメロディは違うので、そのギャップをうまく埋められるようにというのは、ずっと頑張ってるところなんですけど。

大島:歌詞に関しては、けっこうもめてましたよね。大原さんが、“歌詞にもっと日本語を入れてくれ”みたいな。

大原:日本語を入れたいと言ったのか、日本語っぽく聴こえたほうががいいと言ったのか、忘れちゃったけど。初めて聴いた時に、ただの英語の曲と思われちゃうと、聴かない人もいるかもしれないから、どういうバランスがいいか?みたいなことを結構話した記憶がありますね。

大島:大原さん的には、この曲がめちゃくちゃいいと思ったからこその議論ですよね。

大原:そう。なるべく多くの人に届くためにはどうすればいいかな?と。結果的にバランスが良くなったと思います。

大原拓真(Ba)

――あらためて、今回の『Laundry』。どんな作品ができたという手応えがありますか。前作の『Balcony』との対比で言うと。

浪岡:『Balcony』は、「...恋に落ちたら」が僕たちの曲で最初にいろんな人に届いた曲だったので、やっぱりポップなものが聴かれるんだなと思ったんですけど、僕がやりたいことはもうちょっとお洒落なファンクとかアシッドジャズみたいなものなので。『Balcony』からどうやってそっちの世界に触れていくか?みたいな感覚はありましたね。「フライデーズハイ」は特にそうですけど、「一難」も、キャッチーさとお洒落さの間でどうバランスを取っていくか?というところでチャレンジできているので、そういうアルバムになっているんじゃないかなと思います。

大島:前作の『Balcony』で、ゴスペルの「Live in This Way」が思っていたよりも評判が良くて、それが自信になったというか、我々がやりたい音楽を受け入れてくれる人もいるんだな、みたいなのはあった気がします。

大原:前回の「Live in This Way」、今回の「Raise Your Hands Up」もそうですけど、英語詞のゴスペル曲で、普段こういう音楽を聴かない人も多いと思うんですよ。でもアルバムを作る時には、自分たちのやりたいことに全振りみたいな曲も入れられたらと思っていて。実際こういう曲はライブですごく大きい立ち位置を占めるものなので、ぜひライブに来て聴いてもらえると、“なるほど、こういうふうに輝く曲なんだ”ということがわかってもらえるかなと思います。


――そして「花束のような人生を君に」。今までになかったエモーショナルで壮大なバラード。これはドラマ主題歌(関西テレビ『そんな家族なら捨てちゃえば?』)としての書き下ろしですか。

浪岡:そうです。ドラマのテーマ的に“親子の曲にしてほしい”という希望があって、“親の目線から見た子供の曲”ぐらいまで指定があった気がするんですけど、メンバーは誰も子供がいないので、わかんねぇなと思いながら(笑)。試行錯誤しながら書きましたけど、でも自分も子供だった時の記憶があるので、そこから連想して頑張ってみたところ、子供を持つ同世代の友達からもすごく評判が良くて、良かったなと思いましたね。

大島:子供ができたメンバーがいるんじゃないか?って、巷で話題になるくらいの(笑)。

大原:歌詞はけっこう苦戦して、浪岡やスタッフとも意見を出し合いながら書きました。学生とか、子供側の目線しか持ってない人にも聴いてもらいたいと思っていたので、自分が想像する親の目線で書けば、それはそれで子供側の世代の人には響くところもあるかな?と。そういうところは試行錯誤ですね。

大島:私は女子高だったこともあって、女友達が多いんですけど、ちょうど母になりたての子からたくさん連絡をもらったんですよ。“保育園に送り出した後にこの曲を聴いて泣いてます”とか、そういう話を聞くと、歌う時にも“そういう人たちに届くように”と思いますよね。自分が子供として家族にもらった愛をこの曲で表現したかったので、そこがちゃんと伝わったんだなと思うと、嬉しい気持ちになります。

大原:この曲は演奏していて、気持ちが入りすぎるんですよ。

大島:大原さん、本当にすごい顔で演奏してる。

大原:顔で弾くタイプです(笑)。最後に行くにつれてどんどん気持ちが入っていって、爆発しそうになります。

――さっき大原さんが“自分たちのやりたいことに全振りみたいな曲”と言いましたけども。アルバムのラストチューン「Whisky And Coke」は、まさにそういう曲じゃないですか。

大島:これはザ・浪岡です。嬉しいよね、これを聴いてもらえるのは。

大原:Penthouseではあまり出してきてない側面ですけど、こういう引き出しも浪岡の中にはあるんだよという、そこを聴いてほしいです。

――アーシーなロックサウンドというか、カントリーバラードみたいな渋い味わいもあって、めちゃくちゃかっこいいです。

浪岡:そういうものが好きなんです。もともとPenthouseの前にはこういうものをやってきた人ではあるので。エアロスミスがずっと好きで、エアロってカントリーっぽい曲も多いし、そこからカントリー系のアーティストを掘ったりしていたので。

――浪岡さんのブルージーな声質と、パワフルな歌唱スタイルにすごく合ってますよね。個人的に大好きです。

浪岡:ただこれが、どれくらい人に聴かれるかはよくわからない(笑)。

大原:せっかくアルバムなので、いろんなジャンルを入れたいという思いはメンバーの中にあったので。カントリーもゴスペルもそうですけど、普通に生きてると意外と接点がないと言うか、出会わない人も多いと思うので、Penthouseを好きになってくれた人にアルバムを聴いてもらって、これをきっかけに新しい音楽ジャンルを知ってもらえたらいいな、みたいな気持ちはありますね。

大島:「一難」とかは、シングルで出していろんな人に聴いていただきましたけど、「Raise Your Hands Up」とか「Whisky And Coke」みたいな曲は、アルバムだからこそ初めて届く曲かなというふうに思ってます。

――玄関から入ってさらに奥へどうぞ、という感じですよね。玄関にあたるのが「一難」とか「夏に願いを」みたいなキャッチーな曲で。特に「夏に願いを」とかはヒゲダン(Official髭男dism)とかミセス(Mrs. GREEN APPLE)のファンにも届くだろうなという、むちゃくちゃポップな曲ですし。

大原:入口の曲ですね。

大島:私たちがあんまりやってきてない音楽を。

浪岡:全然やったことはなかったけど、こういう曲もやったほうがいいだろうと。

大原:「夏に願いを」は、できた時にメンバーの中でもちょっと議論があったんです。ここまでやるか?みたいな話があって。僕は“やろう派”だったんですけど。

浪岡:ドラムの平井さんとか、お洒落な音楽が好きなタイプだから、“エイトビートはちょっと……”という雰囲気もあって(笑)。「フライデーズハイ」みたいな曲ばかりやりたいんだろうけど、でもね。

大島:その時に浪岡が、“でも全部俺が書いてるから、幅はあるけど俺にとっては変わらないんだ”みたいなことを言った時に、かっこいいと思いました。

浪岡:それはね、ちょっと違う(笑)。僕はもともとハードロックがやりたくて、それをやらずにJ-POPをやると決めてやってるんだから、“どういう音楽が好きとか言ってんじゃねえよ”と思ったの。

大島:腹をくくってんだよこっちは、と。なるほどね。

浪岡:実際、そこまでは言わないけど。俺的には「フライデーズハイ」も「夏に願いを」も、どっちもキャッチーだなと思って出してるから。

大島:そんなに大きくは違わない。

浪岡:そう。そんなに違わんやろ?と。

――その感覚を共有できたファンは、何が出てもずっと聴きますよ。あと、そうだ、「Kitchen feat.9m88」の話もしないとですね。フィーチャリングゲストに、台湾出身のシンガー・9m88(ジョウエムバーバー)さん。これはどういうきっかけで?

浪岡:曲のアイディアは元々あったんですけど、9m88さんが来日した時に、ライブを観に行ってご挨拶させてもらったのがきっかけで、“コラボできたらいいよね”みたいな話をしていて。頼んでみたらやってくださるということで。

大島:台湾の大人気ジャズ・ソウルシンガーです。

浪岡:歌もすごく良かったですね。向こうで録ったものを送ってもらったんですけど、声の深みがとんでもなくて。僕と真帆とはまた違った成分として入ってもらって、より一層良い曲になったと思います。

大島:声のバランスが最高でしたね。上がってきた歌を聴いた時に、“なんだこれは!”みたいな。「Kitchen feat.9m88」はすごくいい曲だなと思ってたんですけど、アルバムの中でさらにパワーを持つ曲になったというか、アルバムからの先行配信になるんですけど、ジョウエムさんの魅力もすごく出ているし、我々の声の魅力もジョウエムさんに引き出していただいた部分もすごくあって、キャッチーになりました。人柄もチャーミングだし。

大原:いつかまたご一緒したいよね。

――夢が広がります。海外のアーティストとのコラボも、今はわりとフットワーク軽くできる時代ですし。リモートとかで。

浪岡:録れちゃいますからね。

大島:Cateenもニューヨークで録ってるもんね。

浪岡:「Kitchen feat.9m88」とか「フライデーズハイ」は、ニューヨークのスタジオとリモートでレコーディングしましたね。

――大島さん、ずばり、一番いい歌を歌えたと思う曲は?

大島:それはやっぱり「花束のような人生を君に」ですね。ドリカムに影響を受けてポップスをずっと聴いてきた人間が、自分のルーツをしっかり発揮できる楽曲だったので。この曲が一番自然に自分の歌いたいように歌えているというか。他の曲は浪岡が描いている世界観や音楽観の中に自分をはめ込みに行かなきゃいけない時もあったりするんですけど、「花束のような人生を君に」は自分が歌いたいように歌って、それをちゃんと楽曲として受け入れてもらえたので。この曲が一番いい“ベスト真帆”が出せているかなと思います。

――ベスト真帆出ました。

大原:そこはレコーディングで引き出したというか、ファルセットで歌ってるところを“地声で行こうよ”と言って、限界を超えてやってもらって、すごくいい歌が録れたなと思いますね。

大島:この二人のほうが、私の限界を知っているんです(笑)。勝手に“ここらへんまでしか出ないだろう”と思っていても、二人に“いや、出るよ”と言われたら“出します!”みたいな感じで。体育会系の人間なんで。それで最後の《花束のような人生を君に》が歌えたので、そこには一番いろんなものが詰まってる感じですね。

――ライブではきっと、バン!とスポットライトが当たるところですね。見せ場。

大原:そこはライブでもかなり照明こだわる予定なので、お楽しみに。

大島:そのライトの陰で、大原さんがすごい顔で弾いてるので、そっちも見てほしい(笑)。

――そういう意味でも演出がつけやすいというか、ライブでやりがいのある曲が詰まったアルバムになったんじゃないですか。

大原:本当にそうですね。『Balcony』に比べて、ライブで勝負曲にできる曲が多いというか、どれを勝負曲にしても戦える感じなので、セットリストを組んでても楽しいし、逆に可能性が多すぎて悩んじゃうみたいな、ありがたい悩みがあるので。次のライブはすごくいいものになると思うので、楽しみにしていてほしいです。

――その、次のライブが12月19日の『Penthouse ONE MAN LIVE 2024 “Laundry”』。会場はパシフィコ横浜 国立大ホール。でかいです。

大原:もうセットリストは考えていて、演出も色々相談はしているんですけど、今までやった中で一番大きかった会場の2倍ぐらいのキャパがあるので。さらに一段上に上がったな、一皮むけたな、というところを見せられるライブにできたらなと思ってますね。今まではこだわりきれなかったようなところにもこだわれたらと思っています。

大島:だんだんサポートメンバーが増えていって、最初はコーラスだけだったのが、ホーンセクションが増えて、パシフィコでもまた何か増えるかもしれないし。そうやって、ステージの上に乗る人や、関わっていく人たちがどんどん増え続けているのは、私たちもダイレクトに感じていて。照明の方、音響の方も含めて、“Penthouseはもっと行けるよ”と言ってくださるのが、何よりも自信になっていますね。ライブを一緒に作ってくださる方々が、私たちを信じてくれてるっていうのが、すごく大きいなと思います。

――しかもチケットは速攻ソールドアウト。いい雰囲気になりそうです。

大原:今回は『Laundry』のリリース後のライブなので、新しい曲も増えると思いますし。新しい曲だったり新しい演出だったり、ライブをやるたびに常に新しいPenthouseを見せたいというテーマがあるので、今まで来てくれてた人もまた新しいPenthouseを観に来てほしいし、このアルバムをきっかけにしてくれた人は、どういうライブなのかな?と思って観に来てもらえたら嬉しいなと思います。どうですか?

浪岡:いやもう、ライブは大原さんが仕切ってるんで、僕はただ一生懸命歌うだけです。

大島:本当にファンの方が楽しんでいただけるような仕掛けとか、パフォーマンスもしっかりしていくので、乞うご期待ということで遊びに来ていただければと思います。よろしくお願いします!

取材・文=宮本英夫 撮影=菊池貴裕

【関連記事】

おすすめの記事