パパへ育児参加の機会を “哺乳瓶拒否”に揺れた、私のミルク混合育児体験
おっぱいにかぶりついているところ。2人姉妹を育てるママライターの“愛華”です。
私が長女を妊娠したのは31歳の時でした。生後3ヶ月頃に突然、赤ちゃんが哺乳瓶を拒否し、その状態が1ヶ月ほど続いて途方に暮れていました。
出産前から混合を希望。その大きな理由は2つ
私は全く完母にこだわっておらず、出産前から母乳とミルクの混合授乳にしたいと思っていました。それは、“万が一への備え”と“パパへの育児参加の機会を作りたい”という2つが大きな理由でした。
出産前から「絶対完母で」と張り切っていると、母乳が出なかったときに大きな落胆になるだろうと感じて、そのように考えないようにしていたともいえます。
けれど、前向きな理由として、大きな災害や事故など、自分自身に万が一のことがあって授乳ができなくても、哺乳瓶で飲める赤ちゃんであれば、ひとまず安心だと思ったのです。また、おっぱいやミルクをあげる至福の時間を独り占めせず、夫と共有したいとも思いました。
実際のところは出産後1ヶ月ほどすると母乳も軌道に乗り、完母でもいけそうでしたが、私はあえて混合を続けました。
ミルクをプラスし続けたのは、パパの育児参加のため
最初の1ヶ月間は、授乳する必要量もよくわからず、母乳の後に毎回ミルクを作って足していました。夫が一緒の時は、極力ミルクをパパからあげてもらうようにしていました。
そして、母乳が軌道に乗ってからは、寝る前だけ母乳の後にミルクをあげる習慣を残すように。やはり夫もミルクをあげるのが楽しみなようで、ミルクをあげるために一生懸命早く帰ってきてくれました。
夫にパパとして赤ちゃんや育児への関心をもってもらいたくてつづけたミルク。効果は見えにくいものですが、多少なりとも成果はあるのではないかと思っています。
ただ、最初の1ヶ月ほど、赤ちゃんは飲んだ後に毎回のように吐いていたので、今思えば毎回ミルクを足していたのはあげすぎだったのかもしれません。
夫に預ける予定が。急な“哺乳瓶拒否”発生!
混合育児を進めていると、ママが赤ちゃんを預けて出掛けやすいという利点もありました。ちょうど赤ちゃんが生後4ヶ月になる頃、自分が保持する資格の更新研修を控えていた私は、夫に赤ちゃんを預け、ミルクで対応してもらう予定でした。
ところが、生後3ヶ月頃に“哺乳瓶拒否”状態に。真っ先に「やばい。研修に行けない」という焦りが頭に浮かびました。「長期入院や海外勤務などで特別免除はあったけど、こんな理由でも対応してもらえるかな」などと、あれやこれや思案する日々。
1週間ほど様子をみても状況は変わらず、ダメもとで私の資格を管轄する協会に電話をしました。切羽詰まった感じで、事情を説明するも即答は頂けず、「母子手帳の写しと理由書を協会に提出いただいた上で協議する」とのことでした。
電話口では同情はしてもらえたものの、状況は思わしくないように感じました。「長期入院や海外勤務と違って、物理的に行けないというわけではないから厳しいかな」と、結果は期待しないようにしていましたが、免除認定を頂くことができた時には、心底ホッとしました。
諦めたらそこで最後。ミルクをあげ続けるべし
“哺乳瓶拒否”の状態に困っていた私ですが、「諦めたらおしまいだ」と思い、寝る前は必ず、時には日中にも1~2回ミルクをあげるのにチャレンジし続けました。
支えは「そこであげるのをやめちゃうと、もうずっと飲まないよ」、「頑張ってチャレンジし続けるとまた飲むようになるらしいよ」という先輩ママたちの助言。
結局は飲まずに捨てることになっていたので、作るのは毎回20mlだけ。口をギュッと結んで開かずとも、口元に哺乳瓶をチョンチョンとあてるように毎日していました。
夫が一生懸命早く帰ってきて、ミルクをあげようとしたのに飲まなかった時の寂しそうで切なそうな顔は、今も忘れられません。私の「大丈夫?」という問いかけに「俺は大丈夫」と答えて強がってみせていた姿も。
しかし、1ヶ月ほど続いた“哺乳瓶拒否”も、ふいに終わって、また飲み始めたのです。本当に諦めなくてよかったと感じました。
哺乳瓶を受けつけなくなった時期は、万が一の事態があれば赤ちゃんは苦労するだろうと心配しました。パパである夫は気落ちしましたし、私自身も自由の幅が狭まり、気負いするものも増えて苦労しました。哺乳瓶の復活は、何かのきっかけがあったわけではなく、あたかも今まで飲んでいたかのように、ふと自然に飲み始めたので、不思議なものだと感じます。哺乳瓶で飲まなくなると、やめてしまう方も多いようですが、赤ちゃんを信じてミルクをあげ続ければ、また飲んでくれる日がくるかもしれません。
[愛華 * プロフィール]
フェイシャルエステティシャンを経て34歳で2人目を出産。出産を機にライターの世界へ足を踏み入れました。日々新しいことにチャレンジしながら子育てと両立、新鮮で楽しい毎日を過ごしています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。