亡き先代の思い、かたちに 山田呉服店 手ぬぐい作成
旧東海道沿いに構える明治初期創業の老舗呉服店「山田呉服店」(小田原市本町)で現在、『廣重東海道五十三次絵巻』手ぬぐい全5シリーズが販売されている。
2023年末に亡くなった先代の山田彰夫さんが6年ほど前から浮世絵の『東海道五十三次』を鉛筆で模写して描きためており、そのデザイン画を家族が手ぬぐいにあしらって製作したもの。
「『いつか手ぬぐいにしたい』と言って描いていた」と山田さんの妻、渥子さん(86)は目を細める。昨年末に完成し、「本人に見せることはできなかったけど、残された側の思いをかたちにできた」と満足気に笑みを浮かべる。
手ぬぐいには、東海道の宿場53カ所と始点・終点を合わせた55カ所が、1枚に11カ所ずつ描かれている。全5枚で、藍色や深緑色などそれぞれ色が異なる。1枚1400円。
(問)同店【電話】0465・22・4714