犬が『痛がっているときの鳴き方』4選 苦しむ愛犬にいち早く気付くためにすべきこととは?
犬が痛がっているときの鳴き方4選
犬が痛みを感じているときの鳴き声には、いくつかの特徴的なパターンがあります。ここでは、特に注意すべき鳴き方を紹介します。
1.「キャン!」甲高い短い鳴き声
突然「キャン!」と短く鳴く場合は、強い痛みを瞬間的に感じたときの反応です。たとえば、足を踏まれたり、どこかにぶつかったりしたときによく見られます。散歩中や遊んでいるときにこの鳴き声を聞いたら、すぐに様子を確認しましょう。
2.「ウー…」低くうなるような声
低いうなり声を出している場合は、じわじわと続く痛みや不快感を感じている可能性があります。関節炎や内臓の病気、歯の痛みなど、慢性的な痛みを抱えているときに見られることが多いです。触られるのを嫌がることもあるので、無理に体を動かさせず、慎重に様子を見守りましょう。
3.「クンクン」鳴きながら震える
小さく「クンクン」と鳴きながら震えている場合は、不安や恐怖を伴う痛みのサインかもしれません。病気や怪我による痛みだけでなく、強いストレスを感じていることも考えられます。普段と違う行動が見られたら、そっと撫でながら落ち着かせてあげることが大切です。
4.「クーン」「ワンワン」しつこく鳴き続ける
「クーン」と長く鳴いたり、「ワンワン」と繰り返し鳴き続ける場合は、飼い主に助けを求めている可能性が高いです。何かしらの痛みや不快感があるのに、自分ではどうすることもできず、不安を感じているのかもしれません。こうした鳴き方が続く場合は、体の異常がないかチェックし、必要であればすぐに病院へ連れて行きましょう。
犬の痛みの原因とは?
犬が痛みを感じる原因はさまざまですが、大きく分けると「怪我」「病気」「ストレスや体調不良」の4つが考えられます。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
怪我(骨折・打撲・捻挫など)
犬は活発に動くため、転倒や衝突によって怪我をすることがあります。特に、以下のような状況では注意が必要です。
✔散歩中に段差で足をくじく
✔遊んでいて家具や壁にぶつかる
✔高い場所から飛び降りて足を痛める
このような怪我をしたとき、「キャン!」と甲高い声を出したり、痛みが続く場合は「クンクン」と鳴いたりすることがあります。歩き方がおかしかったり、患部を舐め続けている場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
病気(関節炎・内臓疾患・歯の痛みなど)
犬は病気による痛みを抱えていることもあります。特に、以下のような疾患では痛みを伴うことが多いです。
✔関節炎やヘルニア(肢を挙げる、歩くのを嫌がる、動きがぎこちない)
✔内臓の病気(腹痛があるとお腹を丸める、食欲が落ちる)
✔歯の病気(硬い食べ物を嫌がる、口を触られるのを嫌がる、口から出血が見られる)
病気による痛みの場合、低いうなり声(ウー…)を出したり、しきりに体を丸める姿勢をとったりすることがあります。これまでと違う行動が見られたら、早めに病院で診てもらいましょう。
体調不良やストレス
犬は環境の変化や不安を感じると、ストレスをため込むことがあります。ストレスが原因で体調を崩し、それに伴って痛みを感じることもあります。
例えば、以下のような状況が犬にとってストレスになることがあります。
✔引っ越しや家族構成の変化
✔突然の大きな音(雷、花火など)
✔飼い主が長時間不在
このような場合、犬は「クンクン」と小さな鳴き声を出したり、震えたりすることがあります。ストレスが長引くと、食欲が落ちたり、元気がなくなったりすることもあるので、普段と違う様子が見られたら気にかけてあげましょう。
まとめ
犬が痛みを感じているときの鳴き声には、さまざまなパターンがあります。「キャン!」と短く鳴くのは瞬間的な痛み、「ウー…」とうなるのは慢性的な痛み、「クンクン」と鳴きながら震えるのは不安や強い痛みのサインかもしれません。
また、痛みの原因としては、怪我や病気、ストレスなどが考えられます。犬は本能的に痛みを隠そうとするため、飼い主が日頃から注意深く観察し、小さな変化を見逃さないことが大切です。
犬が痛がる姿を見るのはつらいものですが、早期に対処することで痛みを和らげ、快適に過ごせるようにしてあげることができます。愛犬の健康を守るために、普段からしっかりと向き合い、小さなサインを見逃さないようにしていきましょう。
(獣医師監修:葛野宗)