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水巻町の温泉施設「いちょうの湯」に併設された小さなジェラート店「よつばジェラート」。地元の新鮮な素材と店主の温かい想いが詰まったジェラートは、オープンから3年を経た今、多くの人々に愛される存在となっています。

■「よつばジェラート」誕生の想い
店名の「よつば」には、四つ葉のクローバーのように「幸運を運ぶこと」と「身近な存在」という二つの願いが込められています。2020年3月に務めていた会社が倒産するという人生の転機を経験した店主平島さんご夫妻は、水巻町に住む子どもたちのために何かできることはないかと考えました。

「PTAの会長をしていることもあり、子どもたちと関わることが多かったんです。地元の子どもたちに『おいしいものを食べるには町の外に出ないといけない』と思ってほしくなかった。水巻町にいても素晴らしい体験ができると伝えたかったんです」。
以前、テレビ番組で定年後にジェラート店を開いた方の姿に触発され、「いつか自分も」と思っていた夢。予想外の形でその機会が訪れ、2年間の準備期間を経て、2022年3月についに「よつばジェラート」がオープンしました。

■こだわりの素材と製法
「よつばジェラート」では、一番に「素材の味」を大切にしており、各メニューしっかりと素材の味がするようにこだわり、製造をしています。そのため、素材の味を損なわないよう香料や着色料、添加物をなるべく使わないことにこだわっています。そして何より、地域の新鮮な野菜や果物を可能な限り使用するというポリシーを大切にしています。
「イチゴは宗像から、トマトは若松から、赤紫蘇は芦屋から...直接農家さんから採れたての素材を仕入れています。マンゴーも宮古島から直送してもらうなど、素材の鮮度と品質には妥協しません」。

フレーバーの全ラインナップは定番で30種類、季節のものを含めると50〜60種類もの味が揃います。素材ごとに全てレシピが異なり、毎朝手作りで提供されるジェラートは、加熱殺菌から始まり、牛乳や砂糖、素材でベースを作り、機械に流し込んで固めるという丁寧な工程を経て完成します。

■人気のフレーバーと意外な楽しさ
最も人気のあるフレーバーは「ジャージーミルク」。また、「ピスタチオ」も多くの方に愛されています。
「ピスタチオは業務用のペーストではなく、ナッツから直接挽いているので、食感が楽しめるのがポイントです」

「ダブルジェラート」（550円税込〜）

筆者はジャージーミルクとピスタチオをいただきました。まず驚いたのはしっかりしたボリューム。ジャージーミルクのコクと甘味、ピスタチオのナッツの食感が相まって、満足感の高い一品でした。
意外と人気があるフレーバーは「赤シソ」や「とうもろこし」とのこと。子どもたちには「クッキークリーム」や「チョコチップ」が特に人気です。

■子どもたちへの想いと未来への展望
「よつばジェラート」の最大の特徴は、子どもたちへの深い愛情。「キッズジェラート」はほぼ原価の250円で提供されています。
「子育て世代が大変なのを理解しています。利益はいりません。ただ子どもたちにおいしいものを食べてもらいたいんです」。
今後は地元に根付いた地域食材を使用したフレーバーをさらに充実させていく予定です。
「現在構想しているのは、『チョコミント』ですね。いつも良くしてくださる農家さんからブラックミントがあるよと話をいただいていて。着色料も香料も使わない本物の『チョコミント』ジェラートが作れるんじゃないかと」。

温泉施設「いちょうの湯」に併設されているという立地も強みの一つ。お風呂上がりに冷たいものを食べたいという人間の自然な欲求と相まって、多くのお客様が訪れます。しかし、来店客の約8割は温泉とは関係なく、ジェラートを目当てに訪れる方々だといいます。
地図サイトに「町の宝です」という口コミがあると聞いて、店主は本当に嬉しかったと語ります。幅広い年齢層の方々が訪れる「よつばジェラート」は、単なるスイーツ店ではなく、地域の絆を深める大切な場所となっていました。
子どもからお年寄りまで、そして地元の農家の方々とも繋がりながら、水巻町に幸せの四つ葉を咲かせ続ける「よつばジェラート」。訪れた人々の笑顔が、この店の何よりの財産なのかもしれません。

■よつばジェラート
住所: 福岡県遠賀郡水巻町頃末南３丁目２３−３ コンプレート水巻104（「いちょうの湯」敷地内）
TEL：090-3414-9608
営業時間：12:00〜20:00（売り切れまで）
店休日：火・水曜
駐車場：あり（店舗利用の方は4時間無料）
交通手段：JR鹿児島本線「水巻」駅から徒歩3分

Instagram@yotsubagelato
https://www.instagram.com/yotsubagelato/