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すぐできる! 中学受験に重要な「読解力」をはぐくむ読書術 専門家が伝授する〔3つの読書チャレンジ〕

コクリコ

中学受験や普段の学習の基礎となる「読解力」。普段の読書にほんのちょっと工夫するだけで、読む力はめきめきと向上していきます。中学受験の専門家が楽しくできる「読解力」をはぐくむ3つの読書チャレンジを紹介します。

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首都圏中学受験塾の教室長をしています。akiraと申します。

受験生たちと日々向き合うなかで、「読む力」がすべての教科に通じる、とても大きな土台になることを実感しています。だからこそ、読書の時間を、単なる息抜きではなく、自分の力を育てる時間にしてほしいと思っています。

今回は、読む力をじっくり育てていくための、3つの読書の工夫をご紹介します。ただページをめくるだけでは、少しもったいない。ほんの少し意識を変えるだけで、読書はもっと楽しくなり、読みとる力も、自然に積み上がっていきます。自分に合った方法を見つけて、まずはできるところから、読む力を育てる一歩を、今日からはじめてみませんか。

読む力を育てる3つの読書チャレンジ【読む力をはぐくむ読書術基礎編】

読書は、ただ本を読むだけでももちろん意味があります。けれど、少しだけ工夫を加えると、楽しさも、身につく力も、ぐんと広がっていきます。ここでは、毎日の中で取り入れやすい、3つの読書のやり方をご紹介します。

① 3ページ立ち読み
本を選ぶときは、まずは最初の3ページだけ、立ち読みしてみましょう。表紙やタイトルだけではわからない、文章のリズムや、言葉の感じを、自分で確かめる。「続きが気になる」と思えたら、それが今の自分に合った一冊です。

② 背伸び読書
いつもより、少しだけ難しい本にも挑戦してみましょう。すぐに意味がわからなくても、流れの中で想像しながら読むことが、読解力を育てます。すべてを完璧に理解しなくても大丈夫。背伸びした一冊を読み切った経験が、次の自信につながります。

③ 言葉メモ読書
読んでいて心に残った言葉や表現を、ノートにメモしてみましょう。ただ書き写すだけでなく、「なぜ心に残ったのか」を少しだけ書き添えると、自分の感じたことがより深く残ります。語彙力が増えるだけでなく、記述問題で自分の言葉を使う力にもつながっていきます。

《まとめ》
この3つの方法は、どれも今日からすぐに始めることができます。読書の習慣に、少しだけ工夫を。その積み重ねが、確かな力になっていきます。まずは、気になった方法から、一歩、踏み出してみましょう。

読書ノートを作ろう【読む力をはぐくむ読書術応用編】

せっかく読書を続けるなら、「読書ノート」を作ることもおすすめです。特別な準備は必要ありません。1冊のノートに、読んだ本の記録を残していくだけ。

読書ノートに書くとよいこと

・本のタイトルと作者名
・気になった場面や、心に残った言葉
・読みながら考えたこと、感じたこと
・わからなかった言葉や表現(あとで調べてメモ)
・読み終えたあと、自分なりにまとめた感想

「きれいに書こう」「上手にまとめよう」と思わなくても大丈夫です。一言メモでも、断片的な思いつきでもかまいません。あとで読み返したときに、「このとき、こんなふうに感じていたんだな」と、自分の成長が見えてくるはずです。

読書ノートは、「読む力」「考える力」を、静かに支えてくれる道具。まずは、気軽な気持ちで始めてみましょう。

いよいよ、8冊おすすめブックリストへ【読む力をはぐくむ読書術実践編】

ここまで、読書を通して、読む力──とくに「読解力」をはぐくむための工夫を紹介してきました。「3ページ立ち読み」「背伸び読書」「言葉メモ読書」、そして「読書ノート」。この4つを意識して読めば、ただ本を読むだけよりも、ずっと深く、ずっと豊かに、読書を楽しめるはずです。

そして今回、読解力を高めるうえで、中学受験にも直結する力をしっかり育ててくれる、厳選の8冊を紹介します。

どれも、
・中学受験の入試問題に使われた作家の作品だったり、
・少年少女を主人公にした、心を動かす物語だったり、
・書店が今、力を入れている話題作だったり──。
そんな本ばかりです。

たくさんの本が並んでいると、「どれから読もうかな……」と迷ってしまうこともあるかもしれません。今回は特別に、ちょっとした質問に答えていくだけで、今の自分にぴったりの一冊にたどり着ける「読書チャート」を作ってみました。気分や読みたいテーマに合わせて、気軽に選べるきっかけになればうれしいです。

さあ、いまの自分に合う一冊、見つけてみませんか?

読書フェアおすすめ8冊まとめ

1.『ぼくの色、見つけた!』
志津栄子 著/末山りん 絵

「見え方のちがい」は、ぼくだけの“色”だった。 

【こんな人におすすめ!】
・自分の個性や違いに悩んでいる人
・周囲との関係に戸惑いを感じている人
・自分らしさを見つけたいと思っている人

2.『みかんファミリー』
椰月美智子 著

家族って、血のつながりだけじゃない。

【こんな人におすすめ!】
・家族や人間関係に悩んでいる人
・新しい生活や環境に不安を感じている人
・あたたかい気持ちになれる物語を読みたい人

3.『6days 遭難者たち』
安田夏菜 著

ゆるい登山のはずが、命をかけた6日間に。

【こんな人におすすめ!】
・サバイバルや冒険の物語が好きな人
・仲間と力を合わせる大切さを知りたい人
・自然の厳しさと生きる力について考えたい人

4.『5文字で四字熟語』
すとうけんたろう 著

ことばの世界に、ぐっと近づく!

【こんな人におすすめ!】
・四字熟語を楽しく身につけたい人
・言葉に興味をもちたい人
・語彙力を自然に伸ばしたい人

5.『ブルーラインから、はるか』
林けんじろう 著/坂内拓 絵

しまなみ海道を越えて、自分を変える夏。

【こんな人におすすめ!】
・新しい一歩を踏み出したい人
・友情や家族との距離に悩んでいる人
・夏の冒険と成長を描いた物語を読みたい人

6.『彼女たちのバックヤード』
森埜こみち 著

仲よしだけど、わかりあえない。だからこそ、一歩踏み出す。

【こんな人におすすめ!】
・友だちとの距離感に悩んだことがある人
・自分と違う誰かを理解したいと思っている人
・中学生のリアルな心の動きを感じたい人

7.『だれもみえない教室で』
工藤純子 著

見えない誰かが、ぼくらを支えている。

【こんな人におすすめ!】
・クラスの中で居場所に悩んだことがある人
・誰かを思いやる気持ちを大切にしたい人
・小さな優しさが広がっていく物語を読みたい人

8.『十四歳日和』
水野瑠見 著

大人でも子どもでもない、この季節を生きている。

【こんな人におすすめ!】
・思春期のもやもやした気持ちに共感したい人
・自分らしさを模索している人
・進路や未来について考えはじめた人

読書は、すぐに結果が出るものではありません。けれど、ページをめくるたびに、言葉を感じ、考え、世界を広げる力が少しずつ育っていきます。中学受験に向かうこの時期だからこそ、問題集だけでは得られない「読む力」を、読書を通して自然に身につけてほしいと思っています。

まずは、今回紹介した8冊の中から、「なんとなく気になる」1冊を手に取ってみてください。無理なく、自分のペースで。一歩ずつ、力にしていきましょう。

書店に親子で足を運ぼう

ぜひ一度、親子で書店に足を運んでみてください。タイトルをながめたり、最初の数ページを立ち読みしたり、偶然の出会いを楽しんだり。そんな時間が、本をもっと身近なものにしてくれます。「これ、読んでみたいな」そう思える本に出会えたら、それだけで、読書の第一歩です。

ページをめくるたびに、少しずつ、世界の見え方が変わっていく。

読書には、そんな力があります。

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