【薬屋のひとりごと】アニメ第31話『選択の廟』(せんたくのびょう)について解説&考察【ネタバレ注意】
アニメ「薬屋のひとりごと」第31話『選択の廟』では、血筋に隠された謎が描かれました。本記事では、物語の重要な要素に加え、猫猫と壬氏の関係についても考察します。
この記事には、アニメ第2期第31話までの内容やネタバレが含まれています。問題のない方のみご覧ください。
アニメ 第31話『選択の廟』のあらすじ
『選択の廟』のエピソードは、「薬屋のひとりごと」の中でも特に重要な場面です。物語の核心に迫る展開が描かれています。
主な登場人物
ストーリーに登場する主な人物をまとめました。
名前
概要
猫猫
薬師。皇帝に呼ばれて選択の廟の謎に挑む。
壬氏
公には宦官だが、本来の立場は複雑。皇帝に呼ばれ謎解きに同行する。
皇帝
茘(リー)の国の皇帝。選択の廟の正しい道を知りたい。
老宦官
手習所の先生かつ廟の管理者。廟の謎や壬氏の正体を知っている。
王母
建国の母。月のない夜も見通せる目を持つという伝説がある。
猫猫、選択の廟の謎に挑む!
この話のメインはタイトル通り、選択の廟です。
ある日、友だちの小蘭(シャオラン)に付き添い、文字を習うための手習所で老師(せんせい)を務める老宦官のもとを訪れた猫猫。そこで老宦官から選択の廟について教えてもらいます。
猫猫は皇帝から突然「この後、行くところがある。ついてきてほしい。――選択の廟へ。」と言われます。同じく皇帝に呼ばれた壬氏と一緒に、猫猫は選択の廟の謎に挑むことになりました。
選択の廟とは?
選択の廟は、皇位継承者を選ぶための試練の場です。
迷路のように入り組んだ廟の中で、色とりどりの扉の中から正しい道を選び進むことで、王家の血統を証明できる仕組みになっています。
この廟の謎を解く鍵となるのが「色覚異常(しきかくいじょう)」というキーワードです。この視点を持たなければ、真実に辿り着くことはできません。
選択の廟の謎と色覚異常
選択の廟は、単なる皇位継承の試練の場ではありませんでした。そこには、王母とその一族に関わる深い思惑が秘められていたのです。
キーワードの色覚異常とは?
色覚異常(しきかくいじょう)とは、ヒトの色覚が正常色覚ではない事を示す診断名である。
出典: ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典
選択の廟の謎を解く鍵となるのが、この色覚異常です。
特定の色(ここでは緑と赤)を区別できない人だけが、正しい道を見つけやすいように設計されていました。
なぜこのような仕掛けが施されたのでしょうか? その答えは、茘の国に伝わる建国の物語に隠されています。
王母は色覚異常だった
建国の物語には、次のような一節があります。「月のない夜も見通せる目を持った女性はやがて王母と呼ばれ、仙界から降りてきた女仙ともいわれた。」しかし、この王母には、ある秘密がありました。
色覚異常の人は色の識別が苦手ですが、その代わりに夜目が利くとされています。暗闇さえ見通せる目を持っていたとされる王母も、色覚異常を持っていたと考えられます。
そして実は、彼女は西方の国から茘の国へと移り住み、その地の長と結ばれた女性でした。
王母の血を引く者たちには、色覚異常の特性が遺伝として受け継がれている可能性が高いのです。
西方の血筋を残すための壮大な計画
「色覚異常」という特性を活かし、西方から来た一族の血を確実に後世へ伝える――そのために築かれたのが、選択の廟でした。
この廟には特別な仕組みがありました。試練に失敗しても、「一族の血を引く妃」を伴えば再挑戦でき、皇位を継げたのです。
つまり、どんな状況でも王家に西方の一族の血が混ざるよう仕組まれていました。
この策略こそ、西方の一族や王母の聡明さの証です。争いを避け、血のつながりで王家を陰から支配する――それが彼らの描いた壮大な「平和的な国の乗っ取り」計画だったのです。
壬氏の家族関係と皇帝の思惑
第31話『選択の廟』では、壬氏の家族関係が少し明かされます。その複雑な人間関係について考察します。
壬氏が見た夢
壬氏の夢は、彼の家族に隠された秘密を明らかにしました。
夢から覚めた後、壬氏は記憶を辿りながら回想します。先代の皇帝が父であり、皇太后が母であること。そして、これまで父だと信じていた今の皇帝が、実は兄だったこと。
この夢は、壬氏の家族に隠された秘密を暗示しています。
壬氏の複雑な家族関係
壬氏が思っている以上に、彼を取り巻く人間関係は複雑です。
アニメ第1期第11話では、壬氏が阿多妃の息子である可能性がほのめかされています。これは、壬氏が今の皇帝の実の子であることを意味します。
この事実が本当ならば、壬氏は皇弟ではなく「皇帝の長男」となり、正式な後継者である「東宮」となるのです。
壬氏は帝位を継ぐのか
皇帝の真意も見逃せません。もし彼が真実を知っていたなら、阿多妃の息子で長男である壬氏に帝位を継がせたいと考えているのでしょう。
壬氏を呼び出し、一緒に選択の廟へ入り、扉を選ばせたのは単なる謎解きや儀式ではなく、皇帝の意志の表れとも取れます。
壬氏はこの事実とどう向き合うのか。自身の出自と皇位継承権に気づいた彼の葛藤が、今後の物語の鍵となるでしょう。
猫猫が妃になる可能性はあるのか
『選択の廟』のエピソードの中では、猫猫が壬氏の妃になる可能性が描かれています。ここでは、物語の伏線やキャラクターの心情を考察し、猫猫が妃となる未来について深掘りします。
皇帝も認める妃としての素質
老宦官は猫猫の聡明さに感心し、皇帝に「血筋にこだわらないのであれば、猫猫のような賢い者を妃に迎えてはどうか」と提案します。
皇帝は冗談めかして「猫猫の父・羅漢を敵に回したくないし、好みではない」と返しますが、猫猫の妃としての素質自体は否定しません。
また、普通なら選択の廟に入ることなどできない猫猫――妃でも公主(ひめ)でもなく、ただの下女である彼女を、皇帝は壬氏の補佐として同行させ、さらに謎解きまで任せています。
これは、皇帝が猫猫を壬氏の妃にふさわしいかどうか試しているからだと考えられるのです。
猫猫を妃に迎える未来
老宦官は、猫猫が壬氏の妃となる可能性について忠告します。
…お気を付けください
出典: 薬屋のひとりごと 11巻(ガンガン版)「第54話 選択の廟(後編)」
この忠告に対し、壬氏は静かに「分かっている」と返します。
老宦官の言葉は、「皇帝の血筋によその血が入るのを問題視する者もいる。妃を迎える際には争いを避けるように」との意味を含んでいます。壬氏の返答からは、その問題を理解していることが読み取れるのです。
壬氏は猫猫を妃に迎える未来を考えているのでしょう。「分かっている」という一言には、周囲の反対を覚悟した上での意志が込められています。
猫猫は妃になるつもりはない
猫猫自身は妃になるつもりはありません。壬氏の正体や立場の重要性ついても「知らぬが仏」と、意図的に深く考えないようにしています。
猫猫自身は妃になるつもりがなくとも、物語の歯車は確実に彼女を中心に動き始めています。『選択の廟』での出来事は、今後の重大な転機となることでしょう。
果たして猫猫は壬氏の妃となるのでしょうか?物語の鍵を握るこの関係性に注目が集まります。
まとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」第31話『選択の廟』では、王家の秘密や猫猫と壬氏の関係が描かれました。
色覚異常をキーワードに選択の廟の謎が解かれ、王母の血筋を守る仕組みが明らかになります。
壬氏が実は皇帝の息子で東宮である可能性や、猫猫が妃の候補として見られていることがほのめかされます。壬氏は猫猫を妃に迎える意志を見せますが、猫猫自身はその気がありません。
壬氏は本当に東宮になり皇帝になるのか?猫猫は妃になるのか?二人の未来がどうなるのか、今後の展開がますます楽しみになるエピソードでした。
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