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FLCB(FUN LIFE CENTER BUILDING)〜「生きることを楽しむ」ための多目的施設。地域の人が集まる「ハブ」を目指す

倉敷とことこ

FLCB(FUN LIFE CENTER BUILDING)〜「生きることを楽しむ」ための多目的施設。地域の人が集まる「ハブ」を目指す

総社市役所の真ん前にある、さまざまな使い方ができるユニークな施設「FUN LIFE CENTER BUILDINGファン・ライフ・センター・ビルディング、略称:FLCB、以下「FLCB」と記載)」を知っていますか。

「生きることを楽しむ」というコンセプトのもと、広々とした開放感あふれるシェアスペースとシェアキッチンを備え、さらにレンタル会議室とオンラインルームも設置。

シェアスペースとシェアキッチンは、予約していろいろなイベントに利用できるほか、平日の昼は予約が入っていなければ、なんと無料で開放。
誰でも出入りでき、自由に過ごせるのです。

総社市のユニークな施設・FLCBの魅力や利用方法などを深掘りしましょう。

FLCBは生きることを楽しむための活動をする場所

FLCBは総社市中央2丁目総社市役所の北側にあります。
駅前通り沿いに建つ、2階建ての建物です。

約50m東には「つけそば屋 やまいも」があります。

1階部分の通りに面した部分はガラス張りになっており、おしゃれで開放感ある雰囲気が特徴。
建物の前を通ると、つい「ここは何をしているところなのだ?」と気になってしまうでしょう。

実は、この建物はもともと企業の支店でした。
しかし企業は撤退し、空き物件になっていたのです。

1階シェアスペース・シェアキッチン 平日無料開放時のようす

その企業撤退後の物件をリノベーション。

地元の医師・浅野直(あさの ただし)さんが運営する、地域のための多目的施設コミュニティー施設として生まれ変わりました。

シェアスペースの一角に置かれたピアノ。自由に演奏できる

FLCBのコンセプトは「生きることを楽しみ、喜ぶ」こと。
生きることを楽しんで喜ぶ活動をするための場所、その活動を支援する場所がFLCBです。

地域の老若男女が集まり、つながって、助け合う場所地域のハブのような存在になることを目指しています。

施設概要

シェアスペース・シェアキッチンのようす。左端の流し台がシェアキッチン

FLCBの1階はシェアスペースシェアキッチンです。

約145平米の広いフロアで、南面はガラス張り。
明るい開放感が特徴です。

取材時にはシェアキッチンにて弁当販売がおこなわれていた

さまざまなイベントや企画に利用できます。
利用するには、事前に問い合わせたうえで、利用予約してください。

シェアスペースは平日で予約が入っていないとき、午前10時から午後5時のあいだは無料開放しています。

時間内は自由に出入りでき、利用可能です。

シェアスペースのソファー席

フロアには机やソファー席があり、一部には電源コンセントもあります。

無料でWi-Fiも利用できるので、勉強や仕事なども可能。
ただ休憩するだけでも構いません。

シェアスペースでは一定金額以上の募金で、コーヒーが1杯飲める(ホット 100円以上、アイス200円以上)

弁当を食べたり、おしゃべりの場として利用したり、さまざまな過ごしかたができます。

会議室の利用例(写真提供:FLCB)

2階はレンタル会議室と、オンラインルーム

レンタル会議室は最大6人まで入室でき、会議で必要なモニターやホワイトボードなど、各種機材・設備も常備しています。

オンラインルームのようす(写真提供:FLCB)

オンラインルームは最大3人まで入室可能です。
勉強や仕事に集中したいときにおすすめ。

レンタル会議室・オンラインルームとも、利用するには予約が必要です。

ほかに2階には、貸事務所が3室あります。
2024年(令和6年)7月現在、すべて契約中です。

利用料金

シェアスペースの利用例:衣服・小物の展示販売(写真提供:FLCB)

2024年(令和6年)7月現在の情報。価格は消費税込

FLCBの各施設の利用料金は、以下のとおりです。

シェアスペース・シェアキッチン

シェアスペースは平日の無料開放時、10人未満で、かつ他の利用者に影響がない範囲のイベント・企画であれば、予約・利用料なしで利用できます。

シェアスペース・シェアキッチンの予約状況や、無料開放しているかどうかなどは、FLCB 公式サイト内のカレンダーで確認できます。

会議室

オンラインルーム

FLCBの各施設は、いずれも貸切利用(無料開放を除く)となります。

予約は以下の専用サイトからか、電話でしてください。

予約

・予約サイト
・電話(090-9514-0076) ※受付は午前10時〜午後5時

利用についての相談も受け付けていますので、「問い合わせフォーム」から連絡してください。

さまざまな利用ができる施設、FLCB。

オーナー・浅野直(あさの ただし)さんに話を聞きました。

FLCBの浅野直さんインタビュー

FLCBのオーナーで、「あさのクリニック」の院長・医師である浅野 直さん

さまざまな利用ができる施設、FLCB

オーナー・浅野直(あさの ただし)さんに話を聞きました。

人には生きていく楽しみや喜びが必要だ

取材時にはシェアスペースで焼き菓子の販売が催されていた

──FLCBがある場所は、もともと何があったのか?

浅野(敬称略)──

FLCBの建物は、もともと生命保険会社でした。

会社が撤退し、空き物件となっていたんです。
それを改修してFLCBとしてリニューアルさせました

私はFLCBの建物のすぐ北側で、2014年(平成26年)から「あさのクリニック」という診療所を医師として運営しています。

目の前にある生命保険会社が撤退したとき、この建物を利用して何かできないかとずっと考えていたんです。

診療所を設立する前、診療所の場所では父が浅野歯科医院を開業していたため、私はここで生まれ育ちました。

そのため、ゆかりのある総社市中央という地域のために恩返しできるような利用方法はないかと思っていたんです。

──FLCBの設立の経緯は?

浅野──

人間が生きていくうえで、身体が健康なことに加えて、生きていく楽しみ・喜びや自身の存在価値のようなものが必要だということを診療所開業当初から大事にしています。

ですから、やがては医療や介護の業務に加えて、生きる楽しみや生き甲斐を生み出すような仕事をしたい、という思いをずっと持っていました。

ただいきなり全部はできないし、私が「どんな思いで、何をしようとしているのか」などを発信するには、周囲からの信頼があってこそ。

だから、まずは医療・介護に力を注いでいたんです。

そのうち医療・介護と並行して、仕事を通じて知り合った人などと連携し、地域を活性化するような活動もはじめました。

地域に根ざした活動を展開することにより、目指している「生きる楽しみや生き甲斐を生み出すような」仕事に向けての土台づくりができるだろうと考えたからです。

「みんなでつくる財団 おかやま」の活動もその一環ですね。

そして2017年(平成29年)に、元生命保険会社の建物を取得できる機会があり「生きる楽しみや生き甲斐を生み出すような」活動の場にするべく、動き出しました。

これが現在のFLCBのルーツです。

──建物を取得して、FLCBがオープンするまでのいきさつを知りたい。

浅野──

取得後、すぐに構想がスタートできませんでした。

まず取得してしばらく経ったころ、2018年(平成30年)に平成30年7月豪雨が発生。
総社や真備で大きな被害がありました。

そこでFLCBのある建物を、被災者支援の活動団体の基地として貸し出しました。

被災地復旧が一段落したころ、今度は2020年(令和2年)に新型コロナウイルス感染症が流行。
計画を始める機会を失っていました。

しかし、このままではいつまで経っても前に進まないと一念発起。
2020年の年末ごろから計画を前に進めようと決意しました。

こうして改装工事が終了し、2021年(令和3年)7月のプレ・オープンを経て、FLCBとして無事オープンできたのが同年10月。

なおFLCBの運営は、地域人材育成をしている地元の団体「一般社団法人 ON-DO(オンド)」に委託しています。

──「FUN LIFE CENTER BUILDING」という名称の由来は。

浅野──

さきほどお話しした、私の医療におけるモットーであり、FLCBを設立するに至ったキーワードである「人が生きるうえでの楽しみ・喜び」から「FUN LIFE」を取りました。

生きることを純粋に楽しむ、そして楽しむことを支援するためにつくった施設だからです。

あとは総社市の中央という地区にある建物ですから「CENTER BUILDING」です。

平日昼に予約がなければシェアスペースを無料開放

シェアスペース・シェアキッチンの利用のようす(写真提供:FLCB)

──FLCBの特徴はどのような点?

浅野──

総社に住むご年配のかた、お子様、海外出身のかた、さまざまなかたがたに気軽に寄っていただける「ハブ」のような場所。それがFLCBです。

また外観の特徴としては、市役所通り沿いの壁を抜いて全面ガラス張りにしていること。

これにより明るく開放感ある空間を実現。
同時に街の周囲とシームレスにつながり、街行く人が気軽に立ち寄りやすくなっています。

システム上の特徴は、1階のシェアスペース・シェアキッチン空間は、平日午前10時から午後5時のあいだに貸し切りの予約が入っていない場合は無料開放していることです。

無料開放時は、時間内でご自由に過ごして構いません。
無料のWi-Fiや電源(一部)もあります。

お勤めの人が移動時間の合間に仕事をしたり、お昼ごはんを食べたりすることが多いですね。

学校が休みの期間に入ると学生さんが訪れ、宿題や勉強をしているのをよく見かけます。またFLCBは、災害時に近隣のかたが一時避難場所として機能できるように設計しています。。
施設の上階には食料などを備蓄しており、いざというときにすぐ対応できるようにしてあるんです。

同じ思いを持った人に利用してもらえたらうれしい

シェアキッチンの利用例:防災キッチン教室(写真提供:FLCB)

──FLCBの貸切利用では、どのような使い方をされることが多いか。

浅野──

楽しく生きるためには健康が重要なので、あさのクリニックの看護師が毎週水曜に「ちいさなちいさな保健室」という、健康相談を実施しています。

医療機関や専門施設に行くほどではない、でも身近な人に相談できない、そんな悩みや不安を相談できる場所です。

またお弁当販売、スウィーツ販売、料理教室、夜限定のカフェ、ビアホールの開催などの利用がありますね。

ほかには着物のリメイク商品の販売、地元の洋服屋さんによるイベント・販売会、ジャズコンサートの開催など。

シェアスペースの利用例:音楽ライブ(写真提供:FLCB)

あとは地域のご年配のかたたちが集まってばら寿司をつくったり、児童を対象にした味噌づくり教室が開かれたり、講演会・セミナーが開催されたりしています。

施設のルールに則っていただき、利用者次第で可能性は無限大だと思います。

利用を希望する際は、まず私たちにご連絡・ご相談をいただければと思います。
面談させていただき、ご利用内容についてのお話を聞かせていただきます。

「生きることを楽しむ」「地域を盛りあげる」という私たちの思いと、同じ方向の思いを持った人にご利用いただけたらうれしいですね。

今後は無料開放の時間延長など、使いやすさを追求

──今後の展望や課題があれば教えてほしい。

浅野──

いま、夜は午後9時までレンタル可能ですが、無料開放は平日午後5時まで。
無料開放をもっと遅い時間帯までやりたいですね。

多くの人は夕方まで働いていますので、遅い時間までやったほうが訪れやすいんじゃないかと思うんです。
いま日にち限定で営業している夜カフェなど、夜の飲食店営業などの可能性も広がりますよね。

あとは土・日曜日の営業ももっとやっていきたいです。

目指すは盆・年末年始以外、12時間営業ですね!
使いやすさも追求することで、地域に根ざした施設にしていきたいと思います。

生きること楽しむための施設・FLCB

利用者の工夫次第でさまざまな使い方ができる施設、FLCB。

生きる楽しみや喜びのための場所として、地域を元気にする拠点を目指しています。

まずは平日の無料開放時にブラリと立ち寄って、ゆったりとくつろぎながら過ごしてみてはいかがでしょうか。

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