レメソス(キプロス)を訪ねて~作家・秋山秀一「旅の記憶(31)」
訪れた国や地域90以上、海外への旅は224回。旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。
秋山秀一さん 旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』『旅にでる、エッセイを書く』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
歴史的見どころの多いワインの街
地中海に面したキプロス島の南部に位置するレメソス(英語:リマソール)は、キプロス第2の都市である。
西にクリオンの古代遺跡、東にアマサスの古代遺跡という2つの古代遺跡の間に、レメソスの街はある。
レメソスはキプロスワインの中心地。
毎年8月末から9月初めにかけてワインフェスティバルが開催され、多くの観光客が訪れる。
舞台での出し物もいろいろ行われ、大きな樽の中に入って行うブドウ踏みは、子どもたちにも大人気である。
クリオンの古代遺跡は紀元前14世紀~13世紀頃ギリシャ人の植民地として始まった。
ローマ式野外劇場の観客席の最上段に腰掛け、眼下に分布する遺跡、その先に広がる地中海の眺めを堪能した。
リチャード獅子王挙式の古城が博物館に
野外劇場の隣にあるエウストリオスの家は、ドーム状の屋根で全体的に覆われている。
観光客はドーム内の木道を歩きながら、人物や魚などのモザイクを見学することができる。
古代、ローマ時代、キリスト教時代のさまざまな遺跡が発見されたアマサスの古代遺跡は、キプロスの最も重要な古代都市の一つ。
四角い形をしたレメソス城はもともとはビザンチン時代初期に建てられたもの。
1191年にイギリスのリチャード獅子王とナバレ王国の王女ベレンガリアとの結婚式はここで行われた。
現在は中世博物館になっている。
桟橋、美しい海岸沿いの道を歩き、海の幸がたっぷり、名物の海鮮料理も堪能した。
(文・写真/秋山秀一)