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【プー2】前作がまさかの大ヒットで続編公開!監督に聞いた「マニアックなこだわり」

ウレぴあ総研

映画『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』が、2024年8月9日(金)に日本公開決定。

【写真21枚】映画『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』場面写真

前作に続き監督・脚本を務めた、リース・フレイク=ウォーターフィールド氏にオンラインで単独インタビューを行いました。

話題のホラー映画に早くも続編が公開

2023年に公開されたスラッシャーホラー『プー あくまのくまさん』。

超低予算映画ながら、話題性だけでヒットし、全世界で製作費の100倍という500万ドル以上を稼ぎ出しました。

まさかのヒットを受けて第2弾の製作が決まり、予算は10倍に増大。

『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』として早くも公開となりました。

「クマのプーさん」のアメリカでの著作権切れを受けて製作され始めたシリーズには、凶暴化したプーたちが悪役として登場。

『プー2』には、新たにティガーやオウルも恐ろしい姿で登場します。

“原作”も“ディズニー”もくまのプーさんを知り尽くすプーマニアのライターが、監督に直接話を聞きました。

モチーフは原作?ディズニー?

――原作「クマのプーさん」の著作権が切れて映画化されました。しかし、今作でのプーたちのキャラクターデザインは、まだ著作権が切れていないディズニーのデザインがモチーフですよね?

モチーフはその通りです。

原作のプーさんやディズニーのプーさんは、もっと明るくてフレンドリーでいい子ですが、私が作ったプーはそうではありません。

彼はもっと怖くて、人を殺して復讐したがります。

だから『プー1』では、おふざけで、ホラー・コメディみたいな路線にするつもりでした。

『プー2』ではもう少しトーンを変えて、プーをもっと怖くて、もっと威嚇的な存在にしました。

ホラーの中にマニアック要素を散りばめた作品

――キャラクターデザインはディズニーがモチーフだということですが、一方でストーリーに登場する要素は原作を意識されていますね。

ええ。なのでストーリーはディズニーのアニメーションは全て避けて、パブリックドメイン(著作権切れ)である原作に焦点を当てました。

――ダフネやミルン、アッシュダウン・フォレストといった、原作に直接は登場しない背景の要素も登場しています。

映画には原作から多くのイースターエッグ(隠し要素)を入れようとしました。

例えば、アッシュダウン・フォレストと100エーカーの森は実際にイギリスにある場所だから、登場させたかったのです。

ダフネとアラン・ミルンは、原作のクリストファーの両親と同じです。

※筆者註:「クマのプーさん」の著者アラン・ミルンは、アッシュダウン・フォレストという森に家を持っており、そこで息子クリストファーが遊んでいる様子を元に物語を作りました。息子クリストファーが、クリストファー・ロビンのモデルで、アッシュダウン・フォレストが100エーカーの森のモデルになりました。

プーの要素をホラーで再現

また、『プー2』の冒頭で「クマのプーさん」の一節を引用したのは、この映画の雰囲気作りに役立つと思ったからです。

「クマのプーさん」の本には、100エーカーの森の地図が描かれていますが、そのようなものを登場させようとしました。

「プー棒投げ」という、橋の上から棒を投げて、どの棒が先に橋の向こう側にいくかを競うゲームがありますが、そのホラーバージョンをやってみました。

撮影中、オリジナルの「プー棒投げ橋」やミルンが住んだ家を使おうとしたこともありましたが、残念ながらどちらも断られました。

――『プー2』では、クリストファー・ロビンと双子のビリーも登場します。ビリーという名前は、原作のクリストファーの幼少期の呼び名ですね。

そうです。オリジナルと明らかに異なるのは、クリストファーは双子ではなかったということです。

双子というのは、2人のキャラクターに運命のような要素を与えると思って入れたかった要素です。

(ホラー映画『ハロウィン』シリーズの)ローリー・ストロードがマイケル・マイヤーズのきょうだいだったような関係なんです。

実在しない双子の名前を探していたとき、2つの理由からビリーに決めました。

ひとつは、クリストファーの幼少期のあだ名がビリー・ムーンだったから。

だから、彼はクリストファーの鏡のような存在なんです。

2つ目の理由は、クマの名前としてとてもポピュラーなのがビリーで、映画の中でもよく耳にしますし、“クマのビリー”みたいにごく一般的な名前だからです。

予算が増えて生まれ変わったキャラクター

――前作に比べて予算が大幅に増えたそうですが、増えた予算はどこに使いましたか?

この映画はホラー映画なので、増えた予算をホラーシーンに使うことが最も重要でした。

ファンはクリーチャーを見たいし、悪役が気になるし、クールな死のシーンや大掛かりなセットを見たいんです。

だから予算の30%はクリーチャーの完全な再設計に使いました。

クリーチャーはすべて義体化され、ゼロからデザインし直されました。

――新たにティガーとオウルも登場しますね。

『プー1』には、プーとピグレットがいました。

続編では、もっと大きなモンスターが必要です。

そこで、ティガーとオウルを加えました。

ティガーは言うまでもなくファンのお気に入りです。

オウルは飛んで偵察ができ、賢くてグループを導いてくれるから、登場させるのが理にかなっています。

さらに、幼いプーも登場させました。

アニメーションで回想させるのではなく、実際のフラッシュバックとして描きたかったのです。

これもまた別のクリーチャーでした。

たいていの映画ではモンスターは1匹だけです。

でも『プー2』には5体も登場します。

「プーニバース」でも取り入れたい新たな視点

――森での撮影は前作から変わりましたか?

この映画の森の要素は、基本的に全てイギリス南部のサリーで撮影しました。

いくらかは『プー1』で撮影したのと全く同じ森でしたから、森そのものはあまり変わっていません。

『プー1』ではプーには隠れ家と家がありましたが、『プー2』のオープニング・アニメーションでハンターたちが焼き払っており、『プー2』には登場しません。

代わりに新しい隠れ家として、オウルの木だった場所ができました。

元々とてもかっこいい木があって、オウルが木の下に降りていくと、クリーチャーたちが集う地下の層が現れるのです。

他の登場人物の隠れ家や家に行くことで、視覚的な変化が生まれます。

次の「プーニバース」や「プー3」でも取り入れようと思っています。

『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』
2024年8月9日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

(ウレぴあ総研/林田 周也)

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