『キミとアイドルプリキュア♪』で新たに結ばれたキラッキランランな絆! キュアアイドル/咲良うた役・松岡美里さん&キュアウインク/蒼風なな役・髙橋ミナミさん&キュアキュンキュン/紫雨こころ役・高森奈津美さんが『キミプリ』の魅力を語り合う【インタビュー】
『プリキュア』シリーズ第22弾『キミとアイドルプリキュア♪』(『キミプリ』)が毎週日曜 朝8時30分より、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットにて放送中です。
第6話では、紫雨こころの“こころのうち” が描かれ、あこがれと現実の狭間で揺れる彼女の想いに注目が集まりました。そしていよいよ第7話ではキュアキュンキュンが誕生……?
今回はキュアアイドル/咲良うた役・松岡美里さん、キュアウインク/蒼風なな役・髙橋ミナミさん、キュアキュンキュン/紫雨こころ役・高森奈津美さんに、第7話に向けたお話や、『キミプリ』の魅力やキャラクターとの向き合い方、『キミプリ』を通じて生まれたそれぞれの想いなどを教えていただきました。
【写真】『キミプリ』松岡美里&髙橋ミナミ&高森奈津美が届ける、キラッキランランな気持ち【インタビュー】
『キミプリ』で結ばれた、キャストたちのつながり
ーープリキュアとアイドルの組み合わせは、異色に思えるようでいて、共通点も感じますよね。皆さんは最初にこの企画を聞いた時、どのような印象を持たれましたか?
キュアウインク/蒼風なな役・髙橋ミナミさん(以下、髙橋):今回のテーマを最初に聞いた時、マネージャーさんに「『プリキュア』ってアイドルやってなかったんだ」って言ったことを覚えています。『プリキュア』は、ごはん、お医者さん、さらには宇宙までと、本当に幅広いテーマがあったので「やっていないものはないんじゃないか!?」って思っちゃっていたんです。だからこその驚きがありました。
キュアキュンキュン/紫雨こころ役・高森奈津美さん(以下、高森):そうそう! きっと『プリキュア』好きの皆さんの中でも「プリキュアとアイドルって一緒にはならないんじゃない?」「いや、でもやる可能性は全然あるよな」というせめぎ合いがあるような、そういうラインにあったコンセプトだと思うんです。だから「きたか!」「やっとか!」と思った人もいるかもしれないし、たかみな(髙橋さん)みたいに「まだやってなかったんだ!」と感じた方もいるんじゃないかなって。
キュアアイドル/咲良うた役・松岡美里さん(以下、松岡):それで言うと、私も「やっていなかったんだ!」という感覚に近いかもしれません。私はプリキュアにアイドル性のようなものを感じながら応援していたところがありました。改めて、プリキュアとアイドルがかけ合わさったことはこれまでなかったのだと感じました。
高森:エンディングで踊ってくれてるから、なおさらだよね。
松岡:そうなんですよね! アイドルのステージを観ているような感覚で、プリキュアショーも観ていました。それが今回、明確にアイドルとプリキュアが結びついていて。すごく新鮮でした。
ーー松岡さんは実際にプリキュアショーを見に行かれたのでしょうか?
松岡:はい! 幼い頃、よく観に行っていました! 私は関西出身で、幼い頃から京都にある東映太秦映画村によく通っていたんです。そこでプリキュアショーのステージもあったんですね。すごく大好きで、いろいろなショーを観に行きました。
髙橋&高森:へえ!
ーーその頃はどのシリーズをご覧になっていたんですか?
松岡:どのシリーズも観ていたので、はっきりとは覚えていないのですが、『ふたりはプリキュア』が入口だったことは確かです。記憶に新しいのは『ハートキャッチプリキュア!』のステージ。ですが、1年に1度は必ず行っていたので、いろいろなシリーズを観ていたと思います。
ーーさまざまなプリキュアたちからのファンサを受け取っていたんですね! そして、今度はご自身がファンサする番に。
松岡:本当にそうですね! どんな気持ちになるんでしょう? すごく楽しみです!
髙橋:第二の松岡ちゃんが、今後は太秦映画村で生まれるかもしれないね。
ーーこのインタビューはアニメ放送がはじまる直前に行っているものですが、皆さんからすでに仲の良さを感じます。記者会見では、3人でケーキを囲んでお祝いしたという話もありました。ケーキは髙橋さんがご用意されたんですよね。
髙橋:そうなんです! まず、奈津美さんが声をかけてくれたんですよね。「せっかくだから3人でご飯を食べたいけど、外だと何も喋れないから」っておうちに招待してくださったんです。私、お祝いのときは絶対にケーキを食べたくて(笑)。
高森:みんなで美味しいジュースを開けて、美味しいお菓子を食べて。
松岡:奈津美さんの手作りのご飯を! キュンです!
高森:あれ? なに作ったっけ?(笑)
松岡:ブロッコリーのサラダを作ってくれました!
高森:ああ、そうだった! でもほとんど、お惣菜は買ってきてくれたんですよ(笑)。
髙橋:全部美味しすぎて、さらにケーキで大満足してしまって。奈津美さんが手作りしてくれたシャーベットを食べ忘れてしまったんですよね(笑)。また今度行きたいです!
高森:冷凍庫に入れっぱなしにしちゃってね。次こそ食べよう!
ーー皆さん、『プリキュア』シリーズにご出演の経験がありますよね。高森さんが『デリシャスパーティ♡プリキュア』(『デパプリ』)のコメコメ役で出演された時は、ちょうどコロナ禍。だからこそ、そうした交流に喜びもひとしおだったのではないでしょうか。
高森:そうなんです。当時はまだみんなで集まることが難しくて……。そもそも私、『プリキュア』シリーズに初めて出させてもらったのが、その前の『ヒーリングっど♥プリキュア』(『ヒープリ』/高美ツバサ役)だったんですよね。『ヒープリ』のときもまさにコロナ禍だったので、全員で録る『プリキュア』を知らなかったんです。
だから、こうしてキャストのみんなと一緒にアフレコできるのは今回が初。何と言いますか……「こんなに嬉しいものなんだ」としみじみ感じています。みんなの声を聞きながら、みんなの変身の声を生で聞きながらお芝居できるというのが、本当に嬉しすぎて。『デパプリ』は妖精とマリちゃん(ローズマリー役・前野智昭さん)で録ることが多くて、相方(和実ゆい/キュアプレシャス役・菱川花菜さん)と一緒にやれなかったんですよね。
ーーこれまでとはまた違った充実感があるんだろうなと思います。
高森:そうですね。でも『デパプリ』は『デパプリ』ですごく楽しかったんです。ごはんがテーマということもあって、未だにみんなで集まって「良かったらみんなでご飯食べましょう〜!」ってことがあるんです。
松岡&髙橋:素敵!
高森:定期的に美味しいものを食べる会をしています(笑)。
ーーところで、今日の衣装もすごくかわいいですね。皆さんアクセサリーはおそろいですか?
高森:そうなんです。今足についてるリボンは美里ちゃんが、耳は私が、指輪はたかみなが買ってきてくれたものなんです。リボンは本当は髪用なんですけど、今日はお靴につけさせてもらいました。
髙橋:今日は奈津美さんが完全体ですね。
高森:“こころ完全体”!
一同:(笑)
ーーいつ贈り物をしあったんですか?
松岡:最初は私でしょうか? リボンも『キミプリ』の大切なアイテムということで、最初の玩具CMの収録時にお揃いのリボンを買ってきたんです。
髙橋:すっごく嬉しくて、私もなにかしらプレゼントもしたいなと思っていたんですよね。そしたら、奈津美さんも同じことを考えていらっしゃったようで……。
高森:それで我が家で「私たちはアイドルだから」ってハートのアクセサリーを渡しました。
ーーそうだったんですね! てっきりイヤリングと指輪はペアのものなのかと思いました。
髙橋:実は私の好きなアクセサリー屋さんがあって。その作家さんの作品の中から、それぞれのキャラクターのイメージカラーに合う指輪を選びました。それが偶然にも、奈津美さんが購入されたものと同じシリーズだったんです。
高森:そう! 偶然にも、私も同じ作家さんの作品だったんです。カラバリがすごくて、可愛くて、もうみんなの色を選ぶのが楽しくて。そしたらたかみなも用意してくれていて、「わ〜!」って(笑)。
『キミプリ』ならではの色で染めていきたい
ーー松岡さんは、前作の『わんだふるぷりきゅあ!』(『わんぷり』)ではキラリンウサギ役として出演されていて。最終回のバトンタッチの収録にも参加されたのでしょうか(インタビュー当時は『わんぷり』最終回放送前)。
松岡:はい、参加させてもらいました。『わんぷり』はすごく温かい現場で、作品自体も“絆”をテーマにしていたので、その雰囲気がキャストやスタッフの皆さんにも自然と広がっていて。この皆さんだからこそなんだろうな、と思いました。『キミプリ』も 『キミプリ』ならではの色がアニメに出たらいいなと思っています。そうすれば、きっとキミにキラッキランラン♪ が伝わるのではないかと思います。
ーー『キミプリ』はどのような色になるんですかね?
高森:すっごく明るいなって思います。
松岡:そう思います! みんな楽しく参加されていることが伝わってきます。
髙橋:本当に皆さん優しくて、出番が終わった方が「ちょっとテストだけ見てから帰ります」と少し残られていることがあります。みんなでひとつの作品を作り上げようとする気持ちがすごく強いです。それはプリキュアメンバーだけじゃなくて、敵側もそうで、カッティー役の山田浩貴さんたちが「今の面白かったですね!」「今日はこのあとの収録を見てから帰ろうかな」などと声をかけてくださることも。すごく和気あいあいとしている印象があります。
高森:そうそう。敵チームがものすごく楽しそうに演じてくださっているんですよね。
ーー敵チームの動きというのも楽しみです。
髙橋:めちゃくちゃ良いです。楽しみながら収録はされているのですが、でも、ちゃんと敵をしているところもあって、愛らしさもあって。
松岡:愛すべき敵という印象です。少しポンコツなところもありますし、喧嘩することもありますが、「じゃあ俺がいくよ!」としっかり敵をやって、面白く去っていくところが私はすごく好きで、自分で観ていても笑っています。『ヤッターマン』のドロンボー感があるというか……。
高森:うんうん! 女性幹部がひとりいて、絶妙なバランスの3人組というか(笑)。それでいて、ちょっとアメコミっぽい雰囲気もあったりして。でも、ちゃんと敵らしいかっこよさもあって、観ていてすごく面白いです。
運命のプリキュアに出会うことができた
ーー髙橋さんは『トロピカル~ジュ!プリキュア』(『トロプリ』)で山辺ゆな役を演じられていました。
髙橋:私は『トロプリ』で『プリキュア』に出られるのが最後だろうなと思っていました。
ーーでも記者会見では『プリキュア』の収録の時間を空けていた、と明かされていましたね。
髙橋:そうなんです(笑)。ずっと予定を明けてはいたのですが、毎年落ちてしまって悲しくて。とはいえ、本当にプリキュアとして出演できるなんて夢にも思っていませんでした。こんなことを言って良いのかわからないのですが、オーディションを受けるのも、今年で最後にしようと思っていたんです。
高森:そうだったんだ。
髙橋:はい。それこそ『トロプリ』のときは、プライベートで仲の良い友だちが多かったんですね。花守ゆみりちゃん、石川由依ちゃん、瀬戸麻沙美ちゃん、日高里菜ちゃん……って、「友だちプリキュア?」って思ったくらい(笑)。その現場にゆなちゃんとして入って、『プリキュア』という作品の中に生きることができて良かったなと思っていました。諦められない気持ちがありつつも、今年が最後かな……って。
でも、運命のプリキュアに出会うことができました。これまでの経験があったからこそ、大団円のような気持ちでオーディションに臨めたのかなって。
高森:うんうん。ななちゃんのために、これまでの経験があったんだよ。ななちゃんがずっと待ってた。
髙橋:嬉しい。「お待たせ!」って言いたいです。ゆなちゃん役もすごく楽しかったんですけど、シリーズごとに本当に雰囲気が違うんだなって感じました。同じプリキュアでも、それぞれの作品に独自の“色”があります。皆さん(おふたり)のほうが濃厚に『プリキュア』シリーズに携わられているので、きっとまた違った視点で作品を観られているかもしれないのですが。
高森:いやいや、「出たからこそ分かる」って気持ち、すごく共感する。実は昨日の収録(第6話)はめちゃくちゃ緊張してしまって、テストでもキーが上がっちゃいました(笑)。こんなに緊張するのは久しぶり!というくらい。「お当番回ってこんな気持ちになるんだ!」って初めて知りました。
髙橋:私もお当番回の時、すっごく緊張しました。第3話の初めての変身のとき、震えすぎて、文字を読めなくなってしまって(苦笑)。
ーー変身のシーンってものすごい感動がありますよね。演じる側にとっても、特別なものがあると思います。
松岡:「なんでこんなに輝かしいの?」と思うくらい光り輝いていて、大好きすぎるあまり何度も観直してしまいました。
高森:変身のシーンって泣いてしまうんですよね。一瞬の表情が良すぎるんです。それはオープニング、エンディングにも言えることなんですが、Vチェックでも何度も戻して、一時停止していました(笑)。
松岡:アニメーションの映像がすごいですよね。もういくらでも語れます! エンディング主題歌「Trio Dreams」はまるでアイドルのライブ映像を観ているようで、すごく迫力があります。それぞれの個性がしっかり表れていて、ダンスや表情の違いも楽しいんです。テレビの前で思わずコーレス(コールアンドレスポンス)したくなります(笑)。
高森:分かる。キャラクターのちょっとした仕草や表情に、ライブらしい“生っぽさ”があるんですよね。「キュアウインク、こういう表情をするんだ!」って新しい発見があって、すごく楽しいです。
ーーオープニング主題歌はプリキュアシンガーである石井あみさん、熊田茜音さん、吉武千颯さんの「キミとアイドルプリキュア♪ Light Up!」。今回はエンディングと同じく3人ということもあって、輝きや厚みがすごいです!
一同:すごいですよね!
髙橋:オープニングはまさに『キミプリ』をギュッと凝縮したような楽曲だなって印象がありました。私が想像していた3人で歌うプリキュアの楽曲が「まさにこの曲だ!」って思いました。アイドルプリキュアの良さが詰まっているなって。
松岡:本当にそうですよね! エンディングは少しおしゃれな雰囲気で、それもすごく素敵ですが、オープニングはすごく熱くて明るくて、歌詞も大好きです! 〈なかよしコーデはチェックでOK〉という歌詞が特に好きで「サイコー!」となっています!
高森:分かる! 六ツ見純代さんが手掛けられた歌詞も、本当にすごく素敵で。さらに、作曲・編曲にはMONACAの広川恵一さんが参加されているんですよね。「プリキュアにMONACAさんが参加するんだ!」という驚きと感動がありました。私たちの3人曲は、『プリキュア』ナンバーでおなじみの、大森祥子さんと馬瀬みさきさんが手掛けてくださっていて、オープニングとはまた違った雰囲気で。オープニングもエンディングも、どちらも魅力的だと感じています。
うたちゃんが私に力をくれた
ーー髙橋さんも、高森さんもお当番回での緊張を語られていましたが、松岡さんの場合は第1話から変身。気持ち的にはいかがでしたか?
松岡:最初は現実だと思えなかったです。夢の存在だったので……本当に夢だったからこそ、自分がここに声を吹き込むんだという実感がなかなか湧かず、理解が追いつかなくて。(チェック用の)映像を何度か見て「あ、そうだ私がやるんだ! 秒数チェックしなきゃ」と夢と現実をぐるぐるしているようでした。当日も緊張はしていたのですが……テストが始まると、そこからは緊張よりも楽しさのほうが勝っていました。
高森:座長、頼もしい!
髙橋:(拍手)
松岡:でもそれに私自身が驚いたんです。それまではすごく不安で「ちゃんとできるかな」「可愛い表情を見せるうたちゃんをしっかり演じられるのかな」と思っていたのですが、いざ収録が始まってみると、うたちゃんに色々なものが目まぐるしく降り注いでくる感覚になって、それにただ夢中で応えていたら、すごく楽しくて。気づいたら収録が終わっていました。自分でも驚きです(笑)。
ーー収録の緊張感が楽しさに変わる瞬間って、すごく素敵ですね。まるでライブのよう。
松岡:今までこんなことはなかったんです。私はどちらかというと、マイク前に立つときは緊張する性格でした。ですが、うたちゃんを演じることで、その場の空気をすごく楽しめたんです。「どうしてこんなに楽しめるんだろう?」とも思ったのですが、きっと、うたちゃんが私に力をくれたのだと感じました。
髙橋:いいお話……。
高森:ついていきます!
松岡:頑張ります! ついてきてください!(笑)
こころに「私とコメコメの夢も叶えてもらった」
ーー高森さん演じるキュアキュンキュンの変身シーンも楽しみです。収録はこれから、ということですよね。
高森:はい。ドキドキしています。今はもう、想像で変身しています……。
ーー第6話はプリキュアに対する憧れの気持ちが少しグラついてしまうところで終わっていて。
高森:そうですね。アイドルプリキュアたちは、こころちゃんの想像とは違う活動をしていたんです(笑)。こんなにも怖いことをしているとは思っていなくて、キラキラした部分しか知らなかったから。アイドルだと思って推していたのが、ただのアイドルグループではなくて、“アイドルプリキュア”だったんだという気付きの回が第6話。まだこころがキュンキュンしていません、って状態で終了するという……。そこからどう持ち直すのかを楽しみにしていてほしいです。
でもきっとこころちゃんは、自分がアイドルプリキュアになっても、2人を“推している”気持ちは変わらないんじゃないかなと。プリキュアとアイドル、そしてファンという関係が、彼女の中でずっと共存しているんじゃないかなって。もう三足のわらじを履いてやっていきます(笑)。
ーーこころちゃんと高森さんと、通じる部分はありますか?
高森:私はこころちゃんに受かったとき、自分がこころに夢を叶えてもらった気持ちと……コメコメの“みんなを守る力がほしい”という想いが報われたような気がして……って危ない、私はコメコメの話をしていると、どうしても涙腺が緩んでしまうんです(苦笑)。もう泣きそうなのでちょっと気をつけながら話しますが、こころって本当にすごい存在だと思っていて、私たちふたりの夢を叶えてくれたように思っています。
とは言え、これは私が勝手に思っていることなんです。同じシリーズとは言え、『デパプリ』と『キミプリ』は別作品なので。でも両方に参加させていただいた身としては、こんなにも夢を叶えてもらえることがあるんだという感動があって。何というか……駄目だ、コメコメの話は本当に泣いてしまいます。
ーー『デパプリ』感謝祭のときの高森さんのコメントもグッとくるものがありました。
高森:プリキュアたちをサポートをする妖精という立場でありながら、あの時は泣きすぎてしまいました(苦笑)。
ーーそのときに「声優になったからには、戦う女の子・男の子たちをサポートする役に声を当ててみたいという気持ちがあった」とおっしゃっていたことを覚えています。
高森:そうなんです。子ども向けの作品が好きということもあって、『プリキュア』シリーズの妖精役はどこかで何かで演じたいと思っていました。それと、別作品のお話になってしまいますが、私がデビューした作品も『ジュエルペット てぃんくる☆』で。そのときにメインキャラクターである桜あかりを演じて、ペットのルビー(CV:齋藤彩夏)にいろいろなものを教えてもらったんです。私はもう、(『魔法つかいプリキュア!』シリーズのモフルン役でもある)齋藤彩夏さんで育っていますので……齋藤彩夏さんのお芝居、現場のふるまいから沢山のことを学びました。
自分が勝手に支えてもらっていたので、そういう役を一度はやりたいと、今の芸歴になったからこそ思っていたところがあって、そういうときにコメコメ役をいただきました。それはそれで、本当に嬉しくて、だからむしろ私はもうプリキュアになることはないんだろうな、と。正直に言うと「またプリキュアのオーディションを受けていいのかな?」っていう気持ちもありました。コメコメの記憶が新しいですし、記念受験のような感じになるかもしれないなと。だから恐れ多い気持ちでオーディションを受けさせてもらっていたので、なんというか……本当に感慨深い気持ちです。
ーーきっとコメコメも応援してくれていたんでしょうね。その結果、新たな“夢”を叶えられたという。
高森:本当にファミリーが一つ増えたような気持ちで、とても嬉しいです。しかも、すごく明るくて温かいファミリーで、現場の雰囲気も本当に良くて。やっぱり先程も言った通り、全員が揃う『プリキュア』は初めてだったので「なんて素晴らしい現場なんだ」と感動しながら参加させていただいています。
キラッキランランな気持ち、キミに届け!
ーー『キミプリ』のシリーズディレクターは『映画 ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』の演出を担当された今千秋さん、シリーズ構成・脚本は映画『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!』や、数々のアイドル作品などを手掛けられてきた加藤陽一さん。スタッフ陣とお話はされましたか?
松岡:第1話の収録の際に沢山のスタッフさんが集まっていて、その時にご挨拶をさせてもらったくらいではあるのですが……皆さんが信念や願いを詰め込んで、子どもたちの憧れを作っているのだと感じました。声優としての私たちの役割は最後のピースを埋めることです。ありがたいことに、子どもたちにメッセージを届けやすい役割でもあるんですよね。皆さんの込めた憧れを子どもたちに届けられるのは本当にありがたいです。ですが、それと同時に責任も感じました。「皆さんの想いをキミにまっすぐに届けたい!」と。
うまく言葉には出来ていないかもしれませんが、それでもこの気持ちをキミに届けたい!と心から思います。
高森:そんなことない、すごく素敵だよ。
髙橋:うんうん。
ーー本当にそう思います。届けやすい役割というお話もありましたが、皆さんが子どもたちの初推しになる可能性もありますから。
髙橋:そうなんですよね。キミの“憧れ”になるかもしれない存在だからこそ、それに恥じない自分でいたいと思います。
高森:初めての推しになれたら、そんなに嬉しいことはないなって。私は第1話に参加していなかったので、皆さんとお会いできていないんですよね。だから実は加藤さんとはまだ直接お話しできていないんです。
髙橋:私もなんです。ただ、私は加藤さんとは別作品でご一緒させてもらっていて、加藤さんが描くアイドル像がすごく素敵だというのは実感しています。加藤さんは、アイドルのキラキラした部分だけじゃなくて、葛藤や人間らしさをすっごく素敵に描いてくださるんですよね。そこに今さんが、とっても良い演出をしてくださっていて、本当にすごく良いチームでやっていることを感じます。
髙橋:実は年末の収録終わりにスタッフの皆さんがお誕生日をお祝いしてくださって(髙橋さんは12月20日生まれ)。本当に温かい方たちに囲まれているんだなって実感しました。キラッキランラン〜♪ な座組です。そんな最高の座組で作品を作れることが嬉しいです。
高森:たかみなの誕生日のお祝いのとき、私は収録に参加していなくて……。こうやって話を聞いていると意外と知らないことが多いなと(笑)。でも、スタッフさんたちが楽しんで作ってくださっていることが伝わってきます。でも同時に、子どもたちにしっかりとメッセージを届けるために、すごく真剣に向き合っているのも感じます。
ーー皆さんが、この作品を通して子どもたちに伝えたい“キラッキランラン〜♪ ”はありますか?
松岡:私は、『プリキュア』を観て育ったので、大人になっても色褪せない存在であってほしいと思います。今でもカラオケに行くと『プリキュア』の曲が一番盛り上がりますし、歌詞やダンスも自然と覚えています。当時から私の中で、それほど鮮烈なものだったんですね。その時に全力で思っていた「私もプリキュア!」という気持ちはすごく大切だなと思います。そこから徐々に大人になり、いろいろな現実を見て、当時とは同じように思えなくなったとしても、それでもその気持ちを忘れることはなくて、今も深く刻み込まれています。
きっと今、幼いい子たちが『キミプリ』を観て、「私もアイドルプリキュア!」と思う気持ちは、ずっと心の中に残るんですよね。それが、子どもたちにとっての“人生のタイムカプセル”みたいなものになったら嬉しいです。“キラッキランラン〜♪ ”な想いを持っていたことをその後も忘れられないくらい、キミに、これからも輝き続けてほしいです!
ーー子どもたちはそれこそ松岡さんのように「私はプリキュア!」という思いがありますよね。毎年短冊にも「プリキュアになりたい」と願っていて。
高森:今年の短冊には「キュアアイドルになりたい!」「キュアウィンクになれますように!」っていうお願いがたくさん書かれるんじゃないかな。見たら泣いちゃいそうです。
髙橋:絶対泣いちゃう。
高森:でもその隣に「救急車になりたい」とかってあるんですよね(笑)。なぜかモノになりたい子もいるっていう。
髙橋:みんな、自分のなりたいものになってほしい! なれる! 絶対になれると思う! そうやってずっと夢を応援していきたいです。そして、私たちも応援してもらうことで、元気をもらっています。もう応援合戦のような気持ちなんです(笑)。
私たちはみんなの応援から元気をもらっているけど、私たちを照らしてくれるのもキミ。アイドルって“輝いている”って思われがちですけど、その輝きを作っているのは、応援してくれるみんなの輝きなんですよね。だから、プリキュアも、アイドルも、みんなで支え合いながら作っていくものなんだなと思います。
高森:うんうん。概念として伝わりやすいので、あえて“推し”という言葉を使わせていただきますが、こころも最初は、それこそ“推し”としてアイドルプリキュアを見ていたんですよね。やがて自分もその世界に飛び込んでいきます。そして「どうしてこんなにキュンキュンするんだろう?」「この気持ちはなんだろう?」って、その初めての気持ちの正体を知ることが、今のこころにとっても大切なテーマになって。
今度はその“推し”に、自分自身がなっていく。観ている子どもたちにも、私もキラッキランランになれるんだ、と感じてもらいたいです。ずっと何かを大好きでいる気持ち、応援する気持ちがあれば、それが自分の力になるんだっていうことを作品を通じて伝えられたら嬉しいです。
髙橋:ウインク的には、みんなの勇気の一部になりたいです。一気にパーン!と跳ね上がるようなタイプじゃないキミもいると思うんです。控えめなキミがこの物語を観ることで、勇気のおまじないを手に入れられると良いなって。作品は違いますが『カードキャプターさくら』の桜ちゃんの「絶対大丈夫だよ」というセリフがずっと心に残っていて、大人になっても不安な時に自分で呟いてしまうんです。
松岡&高森:へええ〜!
高森:というか、すごい、まさにななちゃんというか……。
髙橋:そうなんです! だから「大丈夫のおまじないをあげる」「ななちゃんならできるよ!」「大丈夫だよ、ぜったい!」って言われたとき、自分とシンクロしすぎてしまって。今までずっと言葉にしていたものが、「『プリキュア』として表れた!」って。みんなの中にもひとつ“おまじない”を手に入れることができますように、と願っています。そういう言葉、想いを受け取ってもらえる作品だと思います。
ーーそれこそ第6話では、うたはこころにも「いつか一緒に踊りたいね」と声を掛けていましたよね。あれもおまじないのひとつだなって。
松岡:すごく素敵ですよね。うたちゃんのすごいと思うところは、考えて言っているわけではなく、自然と湧き出た言葉なんですよね。
高森:カリスマ。
髙橋:しかも幼き頃から!
松岡:本当にカリスマだと思います。彼女の優しさや気遣い、言葉は、彼女が持っているキラッキランランな想いから湧き出てくるんです。私は「気を遣いたい!」と思って気を配っているところがあります。それはしんどいわけではなくて、「人に優しいと思われたい」という感情が根付いているからこそだと思うのですが……でもうたちゃんはそういう訳ではなくて、ただ生きているだけで、誰かのこころを動かしたり、誰かの人生の起点になったりします。私自身も、自然に人を励ませる存在になりたいと思いながら生きています。
髙橋:え、でももう松岡ちゃんはなれてる気がする。それこそ、私は第3話の変身シーンの収録の問、本当に緊張しすぎて、何も分からなくなっていて。当日ずっと「大丈夫かな…」って言っていたんです。そしたら松岡ちゃんに「めちゃくちゃウインクですよ、自信持ってください!」って言われたんですね。その言葉にすっごく励まされて。
松岡:えええ……そうだったんですか! すごく嬉しいです!
髙橋:私はその時に、キュアウインクとして、そして髙橋ミナミとしても自信と勇気をもらいました。
松岡:うたちゃんを演じていなかったらその言葉は言えなかったかもしれません……。キュアアイドル/咲良うたちゃんを演じさせてもらえるようになってから、今まではハッタリだったものが、ちゃんとした自信に少しずつ変わっていくのを実感しています。それにたかみなさんも、奈津美さんもポジティブな声をかけてくださるんです。「あそこが可愛かった!」「良かった!」というように。
キュアアイドルのソロステージ曲の「笑顔のユニゾン♪」 も覚えて、歌ってくださっていて。それがものすごく勇気につながっていたので「皆さんからいただくものが多いな」と思っていました。だから私も「良いなと思ったことはきちんと伝えていこう!」と考えるようになりました。だからこそ出た言葉だったのかもしれません。
高森:うたちゃんすごい!
一同:(みんなで拍手)
松岡:この1年でもっともっと輝けるように頑張っていきます!
キュアキュンキュン誕生の瞬間を楽しみにしていてほしい
ーー次回は第7話。まさに皆さんも第7話の収録を次に控えられているわけですが、皆さんがこの先楽しみにしていてもらいたいこと、楽しみにしていることなどを教えていただきたいです。
松岡:先々の展開に関しては、私たちも知りません。ですが第6話まではふたり(キュアアイドル/キュアウインク)で戦っていて、既にすごくカッコいいんです。凛々しい表情からも「絶対に助ける!」「キミをキラッキランランにするんだ!」という強い意志が表れていて。3人揃って連携すると、どんなバトルになるのかワクワクしています。
髙橋:もちろん3人の連携も楽しみです! それに加えて、敵キャラ側の動きも気になっています!
あとは、なながアイドルプリキュアとしてどう成長していくということ。彼女は真剣にアイドルプリキュアについて考えていて、カイトさん(CV.佐久間大介さん)たちなどの言葉からヒントを得て、アイドルとして周囲の人たちをどう幸せにできるのか、すごく真剣に考えているように思います。ちょっとストイックすぎるところがあるので、少し心配もありつつも……なながどうアイドルプリキュアとして答えを出していくのか、注目してほしいです。
高森:私はやっぱり……キュアキュンキュン誕生の瞬間を楽しみにしていてほしいです!
[インタビュー/逆井マリ 撮影/小川いなり]