70回で計7万7672円 静岡市職員が残業代不正受給 減給10分の1の処分に市民は…
■延べ70回で36時間45分 時間外勤務を過大申請
静岡市は30日、30代の男性職員が時間外勤務を過大に申請し、残業代を不正受給したとして減給10分の1、1か月の懲戒処分とした。申請は延べ70回で7万7672円に上る。市民からは「税金を横領したのに処分が軽すぎる」、「70回も気付かない仕組みが問題」といった声が上がっている。
静岡市によると、駿河区役所に勤務する30代の男性職員は2022年度、実際は働かずに退庁していたにもかかわらず、延べ70回、計36時間45分の時間外勤務を申請していた。これにより、7万7672円を不正に受給した。
男性職員の上司が勤務時間の多さに不信感を抱いて退庁記録と照合し、不正が発覚した。静岡市では職員が午後6時を過ぎて退庁する際に時間を記録しているが、この記録と時間外勤務の申請内容が異なっていたという。
男性職員は市の聞き取りに対して「別の日の時間外勤務を付け替えた」と説明。すでに不正受給した手当てを全額返納している。管理・監督する立場だった職員2人は訓告処分を受けている。
■「裏切り行為」、「処分軽すぎる」 市民から怒り
市職員の残業代不正受給について、市民からは不満や呆れる声が上がっている。返納したとはいえ不正受給したのは税金だけに「金額は小さくても市民への裏切り行為」、「発覚して返せば済む問題ではない。内容的には横領や詐欺。処分が軽すぎる」と怒りをあらわにする人もいた。
一方、「70回も不正される仕組みが問題。民間のシステムを見習った方が良い」、「サービス残業をさせていないのか不正に至った経緯や原因を解明すべき」といった声もあった。
不正受給をめぐっては、3月にも県教育委員会が県立富岳館高校に勤務する54歳の男性教諭を懲戒処分としている。この男性教諭は実際に勤務していないにもかかわらず、部活動指導の実績47日分をデータ入力し、特殊勤務手当13万8600円を不正に受け取った。不正受給は言語道断だが、仕組みや背景に目を向けなければ不祥事は繰り返される。
(SHIZUOKA Life編集部)