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クラフトリキュール&ジン こだわりは「八王子産」 女子高生がラベルデザイン

タウンニュース

ラベルを手がけたsaoriさん(左)と製造者の島村さん

八王子産の桑の実やホップなどを使って造り上げたお酒に、市内在住の女子高生アーティストがデザインしたラベルを施したクラフトリキュール「マルベリー&ホップス」とクラフトジン「翠靄(すいあい)」。昨年9月の販売開始以来、市内外の酒販店や飲食店で親しまれている。この1月には日本遺産「桑都物語」の普及啓発につながる商品としてロゴマークの使用も承認されるなど、地域との結びつきを深めている。製造者の島村悟さん(50)とラベルをデザインしたsaoriさん(17)に、その誕生秘話を尋ねた。

酒造りの夢叶え

八王子で生まれ育った島村さんはバーテンダー修業を経て、23年前に三崎町にオーセンティックバー「洋酒考」をオープン。オーナーバーテンダーとして酒の造り手と飲み手をつなぐ役割を担う中で、漠然とだが自身も「造り手の側に立ってみたい」という思いを持っていたという。

転機はコロナ禍。店が営業できず、さまざまなイベントも中止になる逆境の中で「今がその時ではないか」と前向きに捉えた。「自分が造るなら、生まれ育った八王子を内包したお酒にしたい」と八王子産の原材料を使うことを決定。市議で農家の船木翔平さんに協力を仰ぎ、大谷町の農園でマルベリー(桑の実)やホップの栽培を始めた。酒造免許も取得し、万町にあるアパートの一室に小さな製造所を設けて、試行錯誤を繰り返しながらオリジナルのジンとリキュールを造り上げた。

イメージ捉える

もう一つ考えなければならなかったのが、ボトルのラベルデザイン。島村さんは海外のボトルにあるようなシックでモノクロのアートラベルを付けたかったが、洋酒にマッチしづらい墨絵しか浮かばず方向性を決めきれないでいた。そんな時、島村さんのインスタグラムの投稿で八王子産の酒造りが進んでいることを知ったsaoriさんのお母さんが興味を持ち、メッセージを送ったことがお互いの活動を知り合うきっかけとなった。

新進気鋭の若手アーティストとして活躍するsaoriさんの作品を見た島村さんは「これしかない」とラベルのデザインを打診。意気投合し、2週間後には市内のファミレスで打ち合わせを行っていたという。

saoriさんは初めてのラベルデザインに苦戦しながらも、島村さんに見せてもらった夏の朝に高尾山に降りる霧「翠靄」や、農園で育てている桑の実やホップの画像をもとにイメージを膨らませてデザインを仕上げた。島村さんも「見た瞬間に驚くほどしっくり来たことを覚えている」と絶賛。昨年9月20日から販売を開始したところ、「久しぶりに応援したいお酒が出てきた」などと酒販店や飲食店からの反応も上々という。

「八王子」にこだわる島村さんは日本遺産「桑都物語」のロゴマークを八王子織物の絹糸を使ったタグを作って瓶にかけようと現在、準備を進めている。また八王子産のパッションフルーツを使った新商品も年内の販売開始に向けて開発している。島村さんは「市外の人には八王子に興味を持ってもらうきっかけに、市内の人にはより八王子を好きになってもらえるようなお酒にしていきたい」と展望し、saoriさんも「たくさんの人に手に取ってもらえるようなお酒になれば」と願っている。

マルベリー&ホップス(2700円)と翠靄(2900円)はECサイトや市内の酒販店などで取り扱っている。問い合わせは「八王子クラフトリキュール」のインスタグラムから。

翠靄(左)とマルベリー&ホップス

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