今なお進化するコロッケ45周年!時代を彩った名曲を “ものまねコンサート” で楽しもう
コロッケ芸能生活45周年
突然だが、コロッケはうまい。
こう聞くと、揚げたての、ホクホクのコロッケを思い浮かべる方は多いだろう。私もポテトコロッケは大好物だ。しかし私の世代なら(50代)“コロッケはうまい” と聞いて、脳裏に、食べ物とは違う、もう1つの、顔の大きな御仁 “コロッケ” が思い浮かぶはずだ。
ほらほら、見えてくるだろう。司会の “さあ、歌っていただきましょう、ちあきなおみさん!” という紹介とともに、顔の筋肉がグアッと上に引きあがり、「♪いつものように幕が開き」と顎を出す彼の顔マネ芸炸裂の瞬間を! ああ、思い出すだけで、私まで顎が出るわ。白目になるわ。あのモノマネに何度笑っただろう。そして、いくつの曲を覚えたことだろう。そんな彼が、芸能生活45周年を迎える。今なお、進化しながら!
アーティストへの愛とリスペクト
正直、コロッケのモノマネの定番を追うと “怒られても知らんぞ〜” という誇張の連続だ。逆に言えば、それがコロッケのモノマネの味といっていい。牛っぽい瀬川瑛子、鼻をほじりながら歌う野口五郎、ロボットにされた五木ひろしなどなど。彼のレパートリーは500人以上だというから、オーバー・ディティールの餌食になったアーティストも同数いるということだ。
なぜそこまで… 。というのも、彼は、普通にモノマネするだけでも抜群にうまいのだ。フランク永井の「君恋し」は、かつてフジテレビ系『ものまね王座決定戦』で、片っ端から出演者のものまねを “くだらない” と一刀両断した、伝説の審査員長、淡谷のり子すら認めている。さらに、こんなエピソードもある。アン・ルイスの自宅から、彼女の仲介で山下達郎に電話し、美川憲一の声まねで “今度、曲を作ってほしい” と話したところ、山下達郎は最後まで気づかずに電話を切ったという。
ヒネらずして、このクオリティ。それでもコロッケは、さらなる技術を目指し、駒を進めるのである。ガッツリとご本家の個性や特徴を掴んだあと、自分の味付けをつけて、丸め、ジュワッと揚げて出す。まさにコロッケを調理するような手間を踏んでから、世に見せるのだ。
彼は、大好きな人しかモノマネしないという。つまり、このひねりまくったアイデアは、アーティストへの愛とリスペクト。コロッケは、2016年2月に、日本芸能大賞を受賞しているが、ビートたけしから贈られたコメントが、その魅力のど真ん中を突いている。
「ものまねタレントの代名詞的な存在になり、唯一の特徴をデフォルメする独特のパフォーマンスはピカソの領域にまで達した」
そう。愛ゆえに崩したくなる、奇抜な工夫をしたくなる。あの表現は、ピカソの絵に似ている!
モノマネ界のピカソ… コロッケ
私も、学生の頃に『ものまね王座決定戦』を夢中で観た。コロッケ、ビジーフォー、清水アキラ、栗田貫一。ものまね四天王は全員好きだった。私もものまねができそう、という気になり、練習し、友達の前で披露することもあった。しかし今考えれば、得意としていた岩崎宏美の顔マネは “コロッケがする岩崎宏美のモノマネのモノマネ” であった。あの顎出し表現について、妹の岩崎良美がコロッケに直接 “お姉ちゃんはそんな顔じゃない!” と怒ったという。なんて愛おしいエピソードだろう。
実際、あの表情は岩崎宏美本人を真似たというより、アントニオ猪木の笑顔をイメージしているそうだ。さすがモノマネ界のピカソ… 。こうなるともう、ものまねというより、1つの発明である。ご本人たちの歌唱を見ると、岩崎さんは、さほど顎を出していないし、野口五郎も鼻をほじることなく、ゆったりと歌唱してらっしゃる。ただ、唯一、森進一だけは違った。
コロッケの歌う「おふくろさん」は “空を見上げりゃハハハハーー!!” と、顔が爆発するんじゃないかというくらいにハイテンション。またまたオーバーだな… と毎回爆笑していた。しかしある日、森が「おふくろさん」で最優秀歌唱賞を獲った、1971年の第13回『輝く!日本レコード大賞』の映像がテレビから流れてきた。そこで観た、森進一のエキサイティングな歌いっぷりは、コロッケを軽く超えていた。
ご本家が、誇張の極みともいえる、コロッケのモノマネの上をいく――。そんなこともあるのだ。そして、そのパフォーマンスは本当に神々しかった。全身全霊で歌う森進一は、すごすぎて笑ってしまい、同時に泣いた。そして、森進一が大好きになった。きっと、コロッケも同じだったのではないか、とその時思った。
コロッケ自身も進化を止めない
ご本家に似せる、というラインを超えてくるコロッケの表情作りは、本家を観たくなる、聞きたくなる。“興味” を駆り立てるのだ。かくいう私も、ちあきなおみの「喝采」に興味を持ち、歌詞を暗記できたのは、コロッケのものまねがきっかけであった。そのパッションは、令和の若者にも受け継がれている。ダンス集団「アバンギャルディ」は、その一糸乱れぬダンスに、コロッケの顔芸を取り入れている。そのことで “命” を感じるのである。
もちろん、コロッケ自身も進化を止めない。BIG BANG、BTS、EXILEといった新たな人気者のネタがどんどんプラスされていく。私が猛プッシュしたいのは、2019年に大ヒットした「香水」の武田鉄矢バージョンである。想像してほしい。ドラマ『101回目のプロポーズ』のあの有名な “ぼくは死にません!あなたが好きだから!” のセリフと同じテンションで歌う「香水」。
君とぅはーッ!
もう3年くらい会ってないのに
どうしたのおおぅーッ!!
超圧強めの歌いっぷりがエモいを超えて、いい感じで怖い。そしてこれを聴いた直後、私はやはり武田鉄矢による圧強めの歌唱が印象的な、海援隊の「JODAN JODAN」が恋しくなり、即検索をかけてしまった。そう、ご本家がやってないことを、あえてやる。言いそうにないことをあえて言わせる。これにより、リアルじゃ絶対叶わない、でも見てみたい世界観が広がる。その結果、わらしべ長者の如く、彼が真似した歌手や楽曲が恋しくなる。これぞコロッケワールドの沼なのだ。
「コロッケ スペシャルコンサート2025~笑う顔には福来たる~」放送決定!
ただ、彼自身にとって “エンターテインメント" とは、良い歌を歌い継ぐとか、新たな表現法を確立するとか、そんな難しいものではないようだ。コロッケが考える、エンタメはとってもシンプル。『愛媛県文化振興財団』のインタビューで、エンタメの着地点について、こう答えている。
「公演を観に来ていただいた方が帰りがけや、家に帰った時に会話が増えること。生活の中でコロッケの名前が出てきた時に皆さんの笑顔が増えることです」
観てくれた人の日常を明るくしたい。そのため、彼は体中の筋肉を動かし “ものまねのその先” を目指すのだ。
コロッケはこのコンサートの後に、変形性膝関節症のため、2月末に人工関節置換手術を行ない4月上旬現在、入院中だ。
「医者からはこれで膝は20年大丈夫と太鼓判を押されました。85歳までやれるので、ロボットものまねのメドレーをやろうと思っています」
と心強いコメントが発表されている。芸能生活45周年という節目、酷使した体を整えて、ステージに戻ってくるコロッケを待ちたい。
さあ、ここまで読んで、久々に観たくなった人も多いはずだ。彼の五木ひろしロボットものまねを! ちょうど4月13日、WOWOWプラスが運営する歌謡ポップスチャンネルにて『芸能生活45周年記念 / ものまねエンターテインメントコロッケ スペシャルコンサート2025~笑う顔には福来たる~』が放送される。コロッケによる、時代を彩った名曲を、歌番組とはまた違った目線で楽しもう。
“森進一のモノマネ、私の花粉症の一番ひどいときに似ている” と大笑いするのもいい。クセの強い長渕剛や福山雅治も楽しみだ。ド定番、美川憲一の「さそり座の女」に聞き惚れ、フランク永井の激似のモノマネにしびれ、ご本家の歌唱を検索するのもいい。武田鉄矢のモノマネは絶対見逃さないで!笑って、笑って、観終わったあとは、誰かに面白さを共有したくなる。そして一言、こう言いたくなる、きっと。
やっぱり、コロッケはうまい!
Information
芸能生活45周年記念
ものまねエンターテインメント
コロッケ スペシャルコンサート2025~笑う顔には福来たる~
▶︎ 放送局 :歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:2025年4月13日(日)午後1時
▶︎ 内容:ものまね界で異彩を放つ唯一無二のタレント、コロッケの芸能生活45周年を飾るステージをテレビ初放送!