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【いにしえの貝】日本にもいた巨大二枚貝「シカマイア」とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

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【いにしえの貝】日本にもいた巨大二枚貝「シカマイア」とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

シカマイア

日本にもいた奇妙キテレツな形の巨大二枚貝

たくさんの化石が見つかることで古くから知られ「日本の古生物学発祥の地」と呼ばれることもある岐阜県の金生山は、ほぼ全体が古生代ペルム紀の石灰岩で構成されています。

シカマイアの化石はこの地層で発見されました。しかし、石灰岩に閉じ込められた断面しか観察できなかったため、本来の形がわからない、正体不明の化石とされてしまいます。

その後、マレーシアなど世界各地での発見によって、古生代ペルム紀にいたアラトコンカ科というグループに属する大型二枚貝だとわかりました。

シカマイアの特徴はその大きさです。1メートルを超える殻も見つかっており、史上最大の二枚貝とも呼ばれるほどです。平たく、非常にゆるやかなカーブを描いた翼のような形状だったと考えられていますが、全体像やその生態はいまもまだよくわかっていません。薄い殻は圧力に弱く、発見された化石の多くは殻がバラバラになってしまっていることが原因のひとつです。

シカマイアの学名は、古生物学者である鹿間時夫博士の名前に由来します。

日本各地で脊椎動物や軟体動物の古生物に関する研究を精力的に行なった功績を讃え、この名がつきました。

金生山からは、原生生物である有孔虫のフズリナをはじめとして、多くの貝類化石や三葉虫、ウミユリ、サンゴなどが見つかっています。なかでも、シカマイアの化石は頻繁に採集されました。

金生山から採れる石灰岩は石材として、花瓶や壁材、床材などに利用されています。岐阜市にある大垣城の石垣には、シカマイアはじめ多くの化石が入った石灰岩も使われています。

史上最大の二枚貝シカマイア

シカマイア

古生代ペルム紀
軟体動物 二枚貝類
1メートル以上になることもある

殻は成長の過程で少しずつ反り返っていく。

シカマイアの生態

シカマイアの生態については、
①体内の共生細菌が硫化水素をエネルギーにして有機物をつくりシカマイアを養っていた。
②シカマイアが太陽光を取り入れ、共生する藻類が光合成して殻を成長させていた。
③海中のプランクトンや死んだ生物が分解される途中でできる有機物(懸濁物)を食べていた。
といったさまざまな説がある。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之

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