粉薬はミルクやおかゆに混ぜるのはNG!?「赤ちゃんの薬の飲ませ方」 知っておきたいコツとホームケアポイントを小児科医が解説
赤ちゃんの「薬の飲ませ方」について小児科医・岡本光宏先生取材。体調不良時の対応やチェックすべきポイントや受診の目安など。 「0~1歳児の赤ちゃんのホームケア」シリーズ(全11回の4回目)。
0・1歳児「赤ちゃんの薬」 シロップ・粉薬の飲ませ方 知っておきたいコツとホームケアのポイントを小児科医が解説赤ちゃんの体調不良のときにチェックしておくポイントや家庭での対応、受診の目安などを「おかもと小児科・アレルギー科」院長・岡本光宏先生にお聞きしました。連載4回目は、薬の飲ませ方編です。
兵庫県三田市にある「おかもと小児科・アレルギー科」院長・岡本光宏先生。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医。新生児から思春期の心の疾患まで、幅広く診察している。
シロップの飲ませ方
小児科で赤ちゃんに処方される飲み薬には、シロップと粉薬があり、それぞれ飲ませ方が異なります。まずは、シロップから。
【1】容器を振って中身を均一にし、1回分の量を正確に量る
【2】赤ちゃんの成長段階にあわせた方法で飲ませる
・月齢が低く、哺乳瓶を使える赤ちゃんの場合…哺乳瓶の乳首を使います。先に赤ちゃんに乳首を吸わせ、シロップを入れて飲ませましょう。
・月齢が低く、哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんの場合…ほほの内側にスポイトの先を沿わせてシロップを流し込みます。
イラスト/オヨネ
コップで飲める赤ちゃんの場合…小さなコップに入れて、少しずつ飲ませます。
スプーンで飲める赤ちゃんの場合…口の少し奥にスプーンを入れて、シロップを少しずつ流し込みます
〈注意したいポイント〉
・フタをしっかり閉めて冷蔵庫で保管する
・一度容器から出したシロップは、赤ちゃんが飲まなくても捨てる
・一度にたくさん飲ませるとむせてしまうので、少しずつ飲ませる
粉薬の飲ませ方
赤ちゃんの場合、粉薬をそのまま飲むことが難しいため、水を加えて溶かしたり、練ったりして与えます。
・水などに溶かす
少量の水やぬるま湯を加えて薬を溶かし、スプーンやコップなどで飲ませます。一口で飲める量が目安です。飲ませた後は、湯冷ましなどを与えます。
・少量の水やぬるま湯を混ぜ、ペースト状にする
清潔な指先にペーストにした薬をつけ、上あごや内頰に塗ります。
・食べ物に混ぜる
プリンやヨーグルト、アイスクリーム、ゼリーなど、子どもが好きな食べ物に混ぜて与えます。混ぜると苦味が増す食品や、混ぜてはいけない食品もあるので、事前に医師や薬剤師に確認しましょう。
・ゼリー状のオブラートに包む
スプーンに、市販のゼリー状オブラートを載せ、その上に粉薬を乗せ、さらにゼリー状オブラートで包んで飲ませます。
イラスト/オヨネ
注意したいポイント
「薬が原因で主食が嫌いになることを避けるため、ミルクやおかゆなどには混ぜないこと。また、水や食品に混ぜたあとに放置しておくと、成分が変わったり苦味が増したりすることもあるので、必ず飲ませる直前に混ぜるようにしましょう。ちなみに、風邪薬に関しては、0~1歳児に市販薬は避けたほうがいいでしょう」(岡本先生)
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赤ちゃんの体調が悪いと、ぐずってしまって薬を飲ませにくいこともあるかもしれません。
飲ませ方のコツがいくつかあることがわかると、赤ちゃんにとっていい方法を選びやすくなるでしょう。もし薬の飲ませ方で不安なことや判断に悩むことがあれば、かかりつけ医に相談してみてくださいね。
赤ちゃんのホームケア、次回5回目は、赤ちゃんの「鼻水・鼻づまり」の受診の目安とホームケアについてお届けします。
取材・文/畑菜穂子