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the superlative degree 『Field Arrow Presents “PARADOXIC 2025”』公式レポート

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the superlative degree

the superlative degreeが6月21日 (土)に高田馬場 CLUB PHASEで開催したIMOCD!との2マンライブ『Field Arrow Presents “PARADOXIC 2025”』のオフィシャルレポートが到着した。

燃ゆる火のように。the superlative degreeは今、高まり続ける熱と赤々とした強い光を放ちながら、この時代を生き抜くロックバンドとしての火勢を増す一途にある。
ファーストEP『導火』から約1年の時を経て、このたび発表された第2弾EP『火樹銀花』のリリースのタイミングに高田馬場 CLUB PHASEで開催されたIMOCD!との2マンライブ『Field Arrow Presents “PARADOXIC 2025”』は、まさにthe superlative degreeにとって2025年下半期へと向けた火蓋が切られる場となっていたと言えるだろう。

〈足りない足りない全然足りない心の隙間が埋まらない〉
〈時間はこの身を削りながら想いを刻んで進む まだ知らない世界へ〉
〈オレは意味を探す オレの意味を探す〉

『火樹銀花』収録曲の中でもひときわの渇望感と高揚感を滲ませたアグレッシヴなロックチューン「雑踏」を今宵の幕開け曲として持ってきていたあたりからして、彼らが完全なる臨戦体制にてこのステージに立っていたことは明らかだ。間奏部分ではKENJIがスウィープ奏法を取り入れながらの鮮やかなソロを披露したかと思えば、ドラマー・SHINGOはワイルドさとテクニカルさを両立させたプレイでバンドサウンドを牽引し、一方でthe superlative degreeが始動してからというもの日に日に練度を上げてきているベーシスト・高瀬宏之の弾き倒しぶりも痛快至極。また、上手ギタリスト・YUJIが聴かせる的確で隙のないギターワークもこのバンドに不可欠なものであり、フロントマン・橋都章人が圧倒的な説得力をもって伝えてくる歌に至っては、もはや燃え盛る魂の迸りそのものとしてそこに力強く存在していた。

もともとthe superlative degreeはALL I NEEDやHUSH、Galla、JURASSIC、そして
CLOSEなどで90年代のうちからそれぞれにシーンを騒がせてきたミュージシャンたちの集っているバンドであるため、ここまでのキャリア等を思えば“いまや余裕綽々”な雰囲気を醸し出しながらのバンド活動をしていたとしてもなんらおかしくはない。だがしかし、彼ら5人が発する音にはある意味で余裕とはほど遠い、ヒリつくような鋭い切れ味とギラついた高い熱量が充ち満ちているのだ。特に昨年11月にKENJIが正式加入して現体制となってからのギヤの上げぶりは非常に顕著で、最新音源『火樹銀花』からもそのスタンスはありありと伝わってくる。また、どうやらthe superlative degreeはこの新作レコーディング作業を通してもあらたな進化を遂げたところが多かったらしく、その成果はライブでのダイナミズム増加というかたちで、バンドサウンドにいっそうのまとまり感を与えていたのではなかろうか。

なお、今宵のライブではなんと2曲目に「ともだちの曲」と章人が紹介したうえでGOATBEDの「コミュニカシオン」をthe superlative degreeとしてカバーする一幕もあったのだが、これは9月12日にGOATBEDとthe superlative degreeによって敢行される新宿ロフトでの2マンライブ[TSDGB]をふまえてのことだったようで、その当日に無料配布するというスプリット音源からいちはやくライブでの初演奏に至ったそう。

「今日のイベントが開催されるまでにはいろんなことがあって、一時はやれるのか・やれないのかみたいな局面にもなっていたんですけど、イベンターの方が頑張ってくれたり、IMOCD!さんにご協力をいただき、こうしてライブをすることが出来ています。どうもありがとうございます。まぁ、長く生きていると大変なこともいろいろ出てくるけど、それと同じくらい良いこともあります。もの凄くあたりまえのことなんですが、俺たちは死ぬために生きてるんじゃなくて死ぬまで生きるんです。前を向いて生きるんです。聴いてください「アイデンティティコード」」(橋都章人)

なお、ここで聴けた「アイデンティティコード」は逆にGOATBED側がカバーすることになっているとのことなので、今度の[TSDGB]に向けてはそちらについてもぜひご期待いただきたい。(※ちなみに、GOATBEDは『火樹銀花』のアートワークも手掛けている)

もちろん、このライブではほかにもSHINGOがワンショットごとに腕を上げながらスネアを叩くパフォーマンスをみせてくれた「UNIVERSE」や、高瀬宏之が派手なスラップでベースソロをガツンとかましてくれた「fly」、間奏にて各メンバーが小技をあれこれと発揮してみせたくだりが秀逸だった「玉響」、現代的解釈でのグラムロックをthe superlative degree流に体現した「秘密」も堪能することが出来たので、2マンとはいえなかなかのボリューム感を持ったライブとなっていたように思う。

終盤に奏でられたのは、配信開始となったMVがiTunesやレコチョクなどで見事デイリーチャート1位を獲得した「花火」と、静と動の狭間でエモさが氾濫する「邂逅」の2曲で、前者についてはここからの季節にこそ似つかわしい情景が、ドラマティックな音によって場内に描き出されたところが実に印象的だった。むろん、後者についてもthe superlative degreeの有する“聴き手の心を容赦なく鷲掴みにする力”がライブの場であらためて炙り出されていたことは言うまでもない。

この時代を生き抜くロックバンドとしての火勢を増す一途にある、the superlative degreeがみせる燃ゆる火のごとき生き様。高まり続ける熱と赤々とした光は、きっとここからさらに煌々としたものになっていくはずだ。

文=杉江由紀

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