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『国宝』で圧倒的存在感を放つ田中泯とは?小野川万菊を演じ話題の人物に迫る

ciatr[シアター]

『国宝』 田中泯

主演に吉沢亮、そのライバル役に横浜流星を迎え、そのほか豪華キャストの競演が話題になっている映画『国宝』。そのなかでも異彩を放っているのが、人間国宝・小野川万菊を演じる田中泯です。

2025年現在80歳の田中泯が演じる小野川万菊とは、一体どのような人物なのでしょうか。この記事では、人間離れした存在感を放つ小野川万菊の圧倒的な存在感に迫っていきます。

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映画『国宝』の田中泯が演じる小野川万菊に圧倒される……

数多くの実力派キャストが集結した『国宝』の中でも、田中泯が演じる小野川万菊は人間離れした存在感を放っています。特に序盤で彼が披露する『鷺娘』は言葉を失うほど美しく、多くの観客が喜久雄や俊介と同じように見入ってしまったのではないでしょうか。

舞台の上以外でも彼の存在感は異様で、喜久雄に初めて会ったとき「美しいお顔。でも芸をするなら邪魔も邪魔。そのお顔に食われないように」と言います。この言葉は不気味でありながらも喜久雄の本質をとらえ、その後の彼に大きな影響を与えます。

喜久雄は芸のために人生のすべてを捧げましたが、彼は万菊の圧倒的な美しさと迫力に、少しでも近づこうとしたのではないでしょうか。

『国宝』小野川万菊とは

小野川万菊は、稀代の女形として知られる人間国宝です。上方歌舞伎の重鎮であり、彼に認められるかどうかが役者としての進退に大きな影響を与えます。

少年時代の喜久雄と俊介は、彼の『鷺娘』を鑑賞した際、その美しさに魅了され、「恐ろしいわ。バケモンや」と衝撃を受けました。そして喜久雄はその高揚感を追い求めるように、歌舞伎に没頭していくのです。

万菊の『鷺娘』が喜久雄の運命を決定づけたと言っても過言ではなく、彼が“悪魔と取引き”してでも女形を極めたいと思ったきっかけとなった人物なのです。

一方で万菊は人間国宝という権威ある立場にありながら、喜久雄が訪れた彼の家は質素なものでした。彼もまた、歌舞伎に人生のすべてを捧げたことがうかがえます。

田中泯はどう小野川万菊を演じた?

2025年5月30日に京都で行われたジャパンプレミアで、田中泯は人間国宝という大役を演じるにあたっての心境をこう語りました。

「とにかく桁外れの門外漢があって、やってはいけないことかもとドキドキするような仕事で、まだ未だに僕の中で終わった気がしていないというか」

ダンサーとして世界的に活躍してきた彼にとっても、「人間国宝」という権威ある役柄は大きなプレッシャーだったのかもしれません。2016年の芸団協CPRA広報誌『SANZUI』のインタビューで「僕は存在することに賭けてきた」と語った田中泯は、『国宝』でまさに唯一無二の存在感を発揮しています。

映画『国宝』の田中泯の演技に心奪われる

『国宝』で豪華キャスト陣がそれぞれキャリア最高の演技を見せるなかで、別格ともいえる存在感を放った田中泯。ダンサーから俳優としても活躍の場を広げ、多くの作品でその魅力を発揮してきました。

大絶賛を浴びている『国宝』のキーパーソン、小野川万菊役に彼ほどふさわしい俳優もいないでしょう。

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