はちおうじキッズシンガーズ 友好のハーモニー 香港の児童合唱団と初共演
昨年4月に発足したばかりの児童合唱団「はちおうじキッズシンガーズ」が4月20日、香港からやってきた「元朗児童合唱団(YuenLongChildren'sChoir)」と初の国際交流となるジョイントコンサートを北野市民センター8階ホールで開催した。
「香港・八王子児童合唱交流コンサート」と銘打たれたこの公演は昨年7月、はちおうじキッズ指導者の松下耕さんに香港の関係者から「合唱を通じて香港と日本の子どもたちの国際交流を実現したい」という提案が届いたことがきっかけとなった。松下さんは地元・八王子での開催を強く希望。八王子市や八王子市観光コンベンション協会の協力も得て、今回の受け入れが実現した。松下さんは「児童合唱団同士の交流はもとより、八王子市の良さを香港の方々に知っていただく大きなチャンスになったと思う」と、交流事業の意義を語る。
当日のステージには、はちおうじキッズからは小学校4年生から高校3年生までの51人、元朗児童合唱団からは5歳から高校3年生までの45人が参加。指揮を松下さんとはちおうじキッズ常任指揮者の梶山絵美さん、ピアノを前田勝則さんが担当。元朗児童合唱団はGraceYimさん、MandyLoさん、KateNgさんの3人が指揮を務め、ピアノはVickyTangさんが奏でた。会場には約140人の観客が詰めかけ、子どもたちの元気いっぱいな歌声に耳を傾けた。
コンサートは、それぞれの合唱団によるステージと合同演奏の二部構成。はちおうじキッズは日本の民謡文化を感じさせる楽曲やヨーロッパの宗教曲、日本の現代作品を披露。アカペラとピアノ伴奏の曲を織り交ぜた多彩な選曲で観客を魅了した。一方の元朗児童合唱団は「ミッキー・マウス・マーチ」や「TrytoRemember」など、親しみやすい楽曲を生き生きとした歌声で届けた。また合同演奏では「Wewillmeetagain」や松下さん作曲の「ほらね、」を披露。両合唱団の歌声が一つになり、会場を温かい感動で包み込んだ。
音楽が異文化つなぐ
はちおうじキッズにとって初の国際交流ということもあり、演奏のクオリティ向上はもちろん、異文化交流が円滑に進むよう様々な工夫が凝らされた。子どもたちに香港についての話をする機会を設けたり、英語表記の名札や名刺を用意したり、合同で楽しめるレクリエーションを準備するなど細やかな配慮がなされた。
最初は緊張した面持ちだった子どもたちも音楽という共通言語を通じてすぐに打ち解け合い、休憩時間には積極的に言葉を交わすなど活発な交流が見られた。また会場からは、それぞれの合唱団の演奏の素晴らしさや合同演奏で響き合ったハーモニーに「感動した」という声が聞かれた。
コンサート後、はちおうじキッズの子どもたちからは「今度は自分たちが香港に行って演奏したい」などの感想が出た。松下さんは、自分たちの活動や文化の素晴らしさに誇りを持ち自信を持って伝えること、自分と違う相手の意見を受け入れ、尊重することを学べたとし、「このような国際交流が八王子を舞台に毎年実現できたら素晴らしい」と展望する。
はちおうじキッズは7月20日(日)にJ:COMホール八王子で第2回定期演奏会を開催。今回のジョイントコンサートで演奏された楽曲も披露される予定だ。