車中泊の「困った」を解決!|換気扇DIYで快適空間を実現
車中泊していると、車内に熱気がこもったり、調理後の匂いが気になったり、真夏には暑さに耐えられなかったりと、さまざまな不快を感じませんか。そんな状況を和らげてくれるのが「換気扇」です。特に、後付けエアコンを導入する場合は必ずと言っていいほど必要になってくるかと思います。自作すれば、自分の車に合わせた設計ができて費用も抑えられ、作る楽しさも味わえます。この記事では、車中泊用の換気扇がなぜ便利なのか、必要な材料、誰でも始めやすい基本的な手順まで紹介します。ぜひ、あなたもDIYに挑戦して、快適な車内環境を手に入れてください。
なぜ車中泊に換気扇が必要なのか
車中泊を快適にするためには、空気の入れ替えを工夫する必要があります。
窓を少し開けただけでは、無風状態や車内の状況によっては十分な換気ができません。
しっかり空気を循環させるには、換気扇を使って空気の流れをつくる方法が効果的です。
逆に換気がしっかりできていないと、車中泊を快適にできない要因にもなります。
では、なぜ換気扇が必要なのか詳しく見ていきましょう。
安全確保のため(一酸化炭素中毒・熱中症リスク)
車内は密閉性が高いため、調理時の火気使用や長時間の滞在により、一酸化炭素中毒の危険性が増します。
夏場は直射日光で室温が急上昇し、熱中症になるおそれも。
換気扇を設置すれば、こもった空気や熱を効率よく排出でき、外気導入がしやすくなります。
窓を閉めたままでも空気の流れができるため、就寝時の車内環境も維持できるでしょう。
車の外気導入モードを使うと、さらに安心感が増します。
気になるにおい(調理・生活臭)や湿気、カビ対策に
車内で調理すると、湯気や煙が残りやすく、シートや内装ににおいが付着します。
汗や生活臭も加わり、気になるにおいが車内全体にこもってしまう可能性が高くなるでしょう。
また換気が不十分だと、湿気がたまりやすい環境になり、カビが発生しやすくなるかもしれません。
梅雨などの湿度の高い時期は注意が必要です。
換気扇でこまめに空気を入れ替えることで、においや湿気を車外へ出す効果が期待でき、カビの繁殖や抑制にも役立ちます。
除湿剤や脱臭剤を併用し、根本的な対策を心がけましょう。
窓を開けずに換気できる安心感(防犯・雨対策・虫対策)
人目の少ない場所や夜間の車中泊では、窓を開けるのに抵抗がある人も多いでしょう。
自作換気扇を窓枠にはめ込む方式なら、外れにくく、防犯面でも安心感がでてきます。
パネルの色を黒系にすれば、外から目立ちにくくなり、視線も気になりません。
さらに、ドアバイザーの内側に収まる設計や、雨よけ用のフードを追加することで、雨の日でもしっかり換気できます。
虫除けに網戸用ネットを設置すれば、蚊などの侵入も防げて快適な車中泊ができるでしょう。
特に、後付けエアコンを導入する場合は換気口が必要な場合がほとんどです。
ぜひ換気扇を導入して、安心安全な車中泊を手に入れてください。
車中泊用の換気扇を自作|材料選びと入手方法
自作の魅力は、自分の車に合わせて材料を選べる点です。
ここでは主なパーツと選び方、購入先について紹介します。
核となるファン
自作換気扇の要となるファンは、PC用冷却ファンがよく使われます。
USBタイプなら電源確保も簡単です。
サイズは12cm角が定番で、風量切替や静音性を備えた製品もあります。
ネットや家電量販店で手頃に購入できるため、口コミを参考にして自分の用途に合ったものを選びましょう。
パネル素材
ファンを取り付けるためのパネルには、加工しやすく耐久性もある素材を使うといいでしょう。
塩ビ板
→軽くて加工がしやすく、接着もしやすい素材。MDF合板
→表面がなめらかで塗装しやすい。加工には多少注意が必要。プリント合板
→ジグソーで切ればきれいに仕上がり、好みの柄も選べます。
あなたの車の雰囲気や取り付ける場所によって使いわけてください。
虫よけ対策
ファンに網を取り付けて、虫の侵入を防ぎましょう。
ホームセンターなどで売られているグラスファイバー製ネットは、カットしてもほつれにくく便利です。
取り付ける際は両面テープや接着剤、タッカーなどで固定しましょう。
電源の確保
モバイルバッテリーやポータブル電源が活躍します。
モバイルバッテリー(例:12,000mAh)で約10〜12時間使用可能ポータブル電源なら複数機器も同時に使用可能
USBケーブルで接続できるようにしておくとさらに便利
その他あると便利なパーツ&工具
接着剤(塩ビ用、木工用など)ネジ類(皿ネジ、化粧ネジなど)加工工具(ジグソー、ホールソー、カッター、ドリル)測定道具(定規、メジャー)配線用品(コードスイッチ、ケーブルタイ、分岐コードなど)その他(スポンジテープ、取っ手、ジョイナー、塗料など)
事前に準備しておくと、スムーズに換気扇の取り付けができるでしょう。
自分だけの換気扇を作ってみよう!基本的なDIY手順
ここからは、初心者でも取り組める流れを紹介します。
むずかしく感じるかもしれませんが、やってみると意外に簡単に感じるかもしれません。
ぜひ、チャレンジしてみてはいかがですか。
窓枠の型取りと設計図作成
最初に換気扇を窓枠にぴったりはめ込むため、正確な型を取りましょう。
大きなごみ袋や新聞紙を使い、霧吹きで濡らして窓に密着させると型取りがしやすくなります。
型紙をカットする際には、窓枠よりも周囲に2cmほど余白をつけると、作業がしやすくなるでしょう。
その型をもとに、ファンやパーツの配置、分割方法を考慮した設計図を作成します。
パネル素材の切り出し・加工
設計図通りに線を引き、カッターやジグソーで丁寧に切り出します。
素材には発泡塩ビ板、MDF合板、プリント合板などがあり、加工のしやすさが違います。
パネルを複数に分けて使う場合は、H型ジョイナーで結合したり、テープで柔軟性を持たせましょう。
窓の形状や用途に応じて、適切な方法で加工してください。
ファン取り付け用の穴開け
ファンの取り付け位置に印をつけ、丸く穴を開けます。
ネジ固定用の下穴も必要に応じて追加し、特に窓側になる面ではネジの頭が飛び出さないように、皿ネジや埋め込み加工するときれいに仕上がります。
あわせて電源ケーブルの通り道も計画的に確保しておきましょう。
網戸の取り付け
虫の侵入を防ぐため、ファンの内側に網戸用のネットを取り付けましょう。
ネットをカットし、ファンの内側に取り付けます。
両面テープや接着剤、タッカーでしっかり固定してください。
パネル分割タイプでは、柔軟性のあるテープでつなぐと開閉がしやすくなります。
パネルの結合と仕上げ
パネルを組み合わせ、ジョイナーや接着剤で固定します。
ファンもネジや接着剤でしっかりと取り付け、振動音対策にスポンジテープを活用しましょう。
取っ手や雨よけフードをつければ、より使いやすくカスタマイズできます。
電源ケーブルの配線とまとめ
ケーブルは裏側に這わせて配線し、コードスイッチや分岐コードで操作性を高めましょう。メッシュポケットなどにバッテリーを収納できるように工夫すると便利です。
DIYするときの注意点
換気扇の自作は自由度が高く、楽しみながらできる作業ですが、いくつかの注意点もあります。安全かつ快適に仕上げるため、以下のポイントを必ず確認してから作業を進めてください。
安全な工具の取り扱いを心がける
ジグソーやドリルなどの電動工具は便利ですが、取り扱いを誤るとケガの原因になります。作業中は保護メガネや手袋を着用し、平らな作業台で安定した状態で使用しましょう。
電源まわりのトラブル防止
USBファンなどの電装品を使用する場合、過電流やショートを防ぐために、定格電流を確認して正しい配線を行うことが大切です。また、配線部がむき出しにならないよう、熱収縮チューブや絶縁テープでしっかりカバーしましょう。
車両への影響に注意
窓枠にパネルをはめ込む際、無理な力を加えるとガラスや窓枠を破損するおそれがあります。採寸は慎重に行い、無理なくフィットする設計にしてください。
換気性能と静音性のバランスを考える
風量が強すぎると音がうるさくなる場合があります。就寝時に使うなら静音タイプのファンを選ぶ、またはスイッチで調整できるようにすると快適です。
気象条件を考慮した設計に
雨天時の使用も想定する場合は、必ずフードや防水対策を施してください。ファンの取り付け部分や電源端子に水が入り込むと、故障や感電の危険があります。
公道走行時は必ず取り外すか固定を確認
DIYで作った換気扇パネルは走行時に外れてしまうリスクがあります。公道を走る際は必ず取り外すか、落下しないようにしっかりと固定してください。
まとめ
車中泊での換気扇自作は、匂いや熱気、湿気といった不快要素の解消に役立ち、安全性や快適性の向上にもつながります。
材料費を抑えつつ、自分のスタイルに合わせて工夫できる点が自作ならではの魅力です。
この記事を参考に、ぜひあなた自身で理想の車内環境を整えてみてください。