祭り支える「地元っ子」 太鼓の伝統 次代につなぐ
8月2日・3日に行われた中山自治会の「中山町盆踊り大会」。連日、大勢の観客が訪れにぎわいを見せた。
盆踊りに欠かせないのが、音頭を盛り上げる太鼓。中山自治会では叩き手を、子ども会から募集している。
昨年は地元の中山小学校を通じて募集をかけたところ、30人くらいの応募があったそう。人数が多過ぎると櫓に上がれない人が出てしまうため、今年は人数を制限。小学6年生から大学3年生まで、15人が太鼓を担当した。本番までの練習は、太鼓だけで3回から4回。踊り手と合わせるのは2回ほどで本番を迎えた。それでも『炭坑節』や『緑区音頭』、『もしも明日が』などで見事な演奏を披露。盆踊りに華を添えた。
気付けば10年も
小学生で叩き手を始めても、中学に入ると辞めてしまう人が多い中、大学や専門学校に進んでも参加し続けている人もいる。柏崎叶多(かなた)さん(19)もその一人だ。
小学4年生の時から、太鼓の叩き手として盆踊りに参加してきた柏崎さん。「気が付けば10年目ですね」と笑う。もともと太鼓を叩くのが好きで、中学進学以降、創作和太鼓集団「打鼓音(だこおん)」のジュニアメンバーとして活動している。
実家は地元のヘアーサロン。家業を継ぐため、現在は理美容の専門学校に通っている。学校の授業は多忙だが「町内の人にもお世話になったから」と、盆踊りには欠かさず参加。練習では、小学生の指導役も担っている。ただし再来年には就職が待つ。「自分が叩けるのは来年までかも知れないけど、太鼓の楽しさを感じて続けてくれる子どもが増えたらうれしい」と微笑む。
中山自治会の古内敏子副会長は「次世代につなぐまちづくりを掲げる当自治会において、盆踊りの伝統を若い世代が受け継いでくれている。本当に感謝ですね」と話している。