船上で堀割川を体験 磯子区が根岸湾巡る企画
磯子区は区内を流れる堀割川を地域の資産として活用し、多くの人に川を身近に感じてもらう企画を展開している。3月15日には堀割川と根岸湾を船で巡るクルーズを開催。普段とは違った船上からの景色を体験しようと、区内外から151人が参加した。
この日は八幡橋下流に位置する親水施設「堀割川いそご桟橋」から4便の船が出航し、計151人が乗船。船は桟橋から根岸湾河口を周遊し、堀割川を坂下橋付近まで遡ってから桟橋へ戻るコースで、参加者は船上からの景色を楽しんだ。
区内から参加した男性は「海からの風景は新鮮。工場夜景とかも見れるといいのでは」と笑顔。今回のクルーズの運航を担ったのは、横浜港やみなとみらいエリア、大岡川などでクルーズを運航する京浜フェリーボート(株)=中区。ガイド役を務めた井上結葉さん「(クルーズの)参加者と(近隣の)現場で働く方が手を振り合う場面は感動があった」と話す。
区の魅力として発信
磯子区と南区にまたがる堀割川は、明治から昭和にかけて横浜港と根岸湾をつなぐ舟運路として横浜市の水運や治水対策などに大きな役割を果たした。150年の歴史があり、近代土木遺産にも認定されている。
区では川の魅力を伝えようと、過去にも地元有志が集まる団体「堀割川魅力づくり実行委員会」と協力し、歴史を伝えるパネル展や屋形船で川を巡るツアーといった体験企画を実施してきた。
これまでの乗船体験は川をメインにしたコースが多かったため、今回は新たな区の魅力を発信しようと川から海を巡る内容で企画した。「堀割川の歴史は磯子区の発展にも大きく関わっている。歴史も含めて川の魅力を知ってもらう機会を増やしていきたい」と区役所担当者。同会の浦崎虎男さんは「少しでも多くの人に川の魅力が伝われば」と期待を込める。