空手女子組手 原田選手、世界大会で銀 プレミア初出場で快挙
空手の世界ランクトップの選手たちが、世界各国で対戦する「KARATE1プレミアリーグ2025」のカイロ大会が4月18日から20日までエジプトで開催され、女子組手55kg以下級に参戦した緑区在住の原田明莉選手(22・国士舘大学4年)が、世界ランク上位の選手を相手に善戦し、初出場ながら銀メダルを獲得する快挙を成し遂げた。
夢の舞台へ
世界空手連盟が主催する「プレミアリーグ」(以下プレミア)は、各部門の世界ランキング32位以内の選手のみがエントリーできる、上位者のみの大会として知られる。
原田選手はプレミアを「夢の舞台」と目標の一つに掲げ、大会に挑んできた。昨年までは全くのランク外だったが、今年に入って調子は急上昇。プレミアを目指す選手たちが出場する「空手1シリーズA」のトビリシ大会(ジョージア/1月開催)と、ラルナカ大会(キプロス/2月開催)の2大会連続で3位に入賞し、世界ランキング24位となり、プレミアへの出場権を得た。
原田選手は「今までは何で勝ったか分からない試合が多かったけれど、どんな戦い方をすれば良いかが、今年1月頃から見えてきた。どんどん『はまった』感じ」と自らの好調を表現する。「ついに夢のプレミアの舞台。いつもと同じ気持ちで臨もう」と決め、「毎日の練習が試合」という緊張感を持ち、鍛錬を続けたという。
王者と接戦
プレミアでは「『これしかない』ではなく、『これが自分の組手』と強く信じ、競り勝つことだけを考えて試合に挑んだ」という原田選手。まず、4人で競うリーグ戦を3対0、8対0、9対4と全勝し、1位で勝ち抜いた8人が戦うトーナメント戦へ。
準々決勝では、過去の大会で0対8と惨敗した選手と対戦。「自分のやることを、しっかりやろう」と試合に立ち向かった結果、7対6で勝利した。次の準決勝では、同じくプレミアに初出場した崎山紬選手(京都産業大学1年)と対戦。10対2の快勝で決勝へと駒を進めた。
良い緊張感を保ち、「気付いたらファイナルだった」と振り返る原田選手。決勝の相手は、2020東京五輪の金メダリスト、イベト・ゴラノバ選手(25・ブルガリア)だった。原田選手は王者相手に3ポイントを先制。その後、点を取り合う接戦が続いた。6対4と原田選手が優勢だったが、終了1秒前、ゴラノバ選手に1本を許し3ポイントを取られ、6対7で敗れた。
原田選手は「残り1秒まで勝っていたのに負けてしまい、悔しい。でも、自分の組手が世界で通用すると理解できた。世界一になれるよう、練習を続けるしかない」と力を込める。今後は「大学ではまだ結果を残せていない。国内大会は全て優勝する気持ちで挑む」と意気込む。そして、「目標である国内チャンピオン、世界チャンピオンを目指し、一戦一戦を大切に臨み、次は圧倒的な力でプレミアで優勝したい」と誓った。
今大会の成績を受けて原田選手は世界ランキング12位に浮上している。※5月19日時点